23 さよなら、僕の平和な日々よ
「引き金を一回。それですべておしまい。もうすぐこちらの仲間が行動に出るころだから、何も心配しなくていいのよ。赤翼会は今日、ここで解散することになるんだもの。強制的にね。大事にしたくないんだけど、国政の命とあなたの命を比べれば、あなたの命なんて安いものよ。赤翼会の会員全員を死刑台に送っても、安いくらいよ。でも、面倒は避けたいの。お願い、わかってね?」
少なくとも男は青ざめていたが、それは僕も同じだった。
僕は本気で美佐子さんが怖いと感じていた。嘘もはったりも美佐子さんのお家