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Set Freeter 2

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セットフリーターの仕事なんて、絶対にお断りだ! 僕は平和に平凡な生活を満喫するんだ。そう言い張って美佐子さんに抵抗した僕だけど、その平和の象徴である学校で僕は事件に巻き込まれてし… もっと読む
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2021年10月の記事一覧

23 さよなら、僕の平和な日々よ

「引き金を一回。それですべておしまい。もうすぐこちらの仲間が行動に出るころだから、何も心配しなくていいのよ。赤翼会は今日、ここで解散することになるんだもの。強制的にね。大事にしたくないんだけど、国政の命とあなたの命を比べれば、あなたの命なんて安いものよ。赤翼会の会員全員を死刑台に送っても、安いくらいよ。でも、面倒は避けたいの。お願い、わかってね?」  少なくとも男は青ざめていたが、それは僕も同じだった。  僕は本気で美佐子さんが怖いと感じていた。嘘もはったりも美佐子さんのお家

22 さよなら、僕の平和な日々よ

 金髪美女と、どう見ても高校生の僕。組み合わせの妙な雰囲気もあるだろうが、そもそも警察でもない人間に襲撃されることは予想外だっただろう。 「なんだ、おまえらは……」  セットフリーターですと答えたところで、「はぁ?」と思うだろうな。だから僕は黙っていた。美佐子さんは薄く微笑んだ。 「さぁ、何でしょう?」  美佐子さんはテグスを手繰り寄せながら近づく。男が体勢を変えた! ちょっと待ってと僕が声をかける間もなく、男は美佐子さんに飛びかかった。 「美佐っ……子さん……」  危ないっ