01 ナイト・サーカス
軍用ヘリコプターから降り立ったオリアーナ・オトウェイ大尉は、ヘリコプターのローターの回転が巻き起こす風に弄られた茶色の髪を抑えながら、晴れ渡る空を見上げた。
今日から新天地。必要な荷物はもう送ってある。最後の生活必需品だったものや書類などの荷物を詰め込んだショルダーを抱え、近くに止めてある軍用車両へ向けて歩き出した。そこには長身の男が一人だけ立っている。それまで眩しさからかけていたサングラスを畳んで胸のポケットにしまい、こちらに向けて歩いてきた。
「なぁんだ、出迎えは一人