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【写真家の凸凹雑記 #3】 ブタとおっちゃん 丨 Funny!!平井慶祐

「10年の幸福写真」の写真集ができあがるまでの間、写真家 平井慶祐の心がけていること、嬉しかった話、今悩んでいること、とりとめもない話、お知らせ、みんなへの相談、とにかく流れていく感情を繋ぎ止めておくために、けっこうマジメに写真のことを文章で記録して残しておこうと思います。みなさんお付き合いいただければ幸いです。

急に実家の母から2冊の写真集が送られて来たんです。

香川の実家から母が興奮して電話をかけて来て、知人の紹介で知った写真集が素晴らしくて、写真集づくりの参考になりそうだから送るね!というのが1週間ほど前のこと。

届いた写真集が素晴らしかった。

著者の山路としてるさんは香川県は丸亀市の元職員さんで農林水産課の元職員。在職中に出会った養豚家の故 上村宏 さんを退職後に10年間撮り続けた方。シンプルでごく一般的な装丁と白黒写真、文字は少な目。僕の生まれ故郷の先輩カメラマンの写真集だったんです。

少し感想を書いてみようと思います。

「ブタとおっちゃん」2010年12月15日 (FOIL) 
著者:山地としてる
こちらはあとがき以外は写真だけの構成。写真の順番、見開き左右の並び、めくるときに目に入る前ページと次のページとの繋がり、途中に入ってくる白紙のページなどシンプルなゆえに考えられている。同じような構図の写真が途中に何度か出てくるのも、年代が違ったりするのだろうか?それとも選び切れなかったのか?なんにしてもこの「撮ってやる!」という気概の無い距離感や視線のナチュラルさ、そのスタンスが心地よい。ウソの無い写真だ。

じっくりと見入ってしまったなぁ〜。あとがきを見ると、どうやら数々のコンテストで入賞歴のある本格派の方のようです。テクニックはもちろんですが、それよりなにより久々にこれほどの熱量を感じる写真集と出会えた!というのが本当のところ。

もう一冊の方は、

「ブタとともに」 2021年1月30日 (青幻舎) 
著者:山地としてる
上村さんの娘さんの父に対する実感のこもった短い文章と共に構成されていて写真は力強くも優しい。言葉と写真の合せ技。英題の「A Life with Pigs」のパワーワードっぷり。帯に「対象:小学校中学年〜大人まで」と書かれていることからも子どもたちに読んで欲しいという想いが伝わってくる。
豚舎に寝そべって子ブタと戯れるおっちゃん。
おっちゃんの腹の上に乗っかって木陰で昼寝する子ブタ。
子ブタを両手で持ち上げ嬉しそうなおっちゃんとそれを見る親ブタ。
その写真に添えられた「ブタは人に食べられるために生まれてきてくれよる。やからこそ、絶対に粗末に扱ったらいかん」という言葉にグッと来る。
(↑って、この文章だけだと全然伝わんないんだよなぁ。写真と一緒に読み進めてこそ)

こちらは1枚1枚の熱量もさることながら、ストーリーがあってよりメッセージ性の強い写真絵本のような一冊。こちらも素晴らしい。

自分も写真集の制作をしているから、ついそういうモードで見てしまいますが、このタイミングで手に取れたのは大きい!と思える出会いでした。

山路さん今どんな写真を撮ってるんだろうなぁ?

どうやらご本人は「10年の幸福写真」のことを伝え聞いていてくれるらしく、いつかお会いできたらなぁなんて思っています。言霊っていうけれど、言葉にし続けているといろんな出会いが舞い込んでくるもんですね。

※中身をパラパラっと覗き見どうぞ

なんだかお気に入りの写真集の紹介コーナーみたいになってますね(笑)

まぁそれもよし!

みなさんのお気に入りの良い本があったら参考にさせてもらいたいのでぜひ教えてください。


■クラファンあと6日!がんばるぞ〜〜!!


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