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コロナと祭(2) ~ アフター・コロナの日本の祭

有斐斎弘道館の講座「日本の祭と神賑(かみにぎわい)」でお話した中からテーマを選んでダイジェストでお届けします。今回は、新型コロナウィルスの流行を受けて企画したオンライン講座「日本の祭と神賑-コロナ禍に立ち現れる祭の力」(全4回)の中から第4回「祭は誰のものか?-祭の歴史、今、未来を見つめて」(2021年2月14日)からの抜粋です。

令和二年は「神事の年」、令和三年は「神賑の年」

前回の記事「コロナと祭(1)~ 今年の祭は斎籠祭」では、令和二年は多くの祭で娯楽的要素の強い神賑行事が中止・縮小となったことをお知らせいたしました。まさかの「神賑(かみにぎわい)行事」の中止を受けて、祭の核となる「神事」の存在が大きく浮き上がりました。令和二年は「神事と年」と言えるでしょう。

なお、祭の季節は地域によって異なるので、全国一律に「令和二年の祭」と「令和三年の祭」に分けることはできませんが、便宜的に区切っていることをご了解ください。この原稿の執筆時点(令和3年3月)で、昨年に引き続き二年連続で祭の規模の大幅な縮小を余儀なくされた祭もあります。

今年は、新型コロナウイルスの影響はあるものの、多くの祭で神賑行事が決行されると思われますが、ここで疫病そのものとは異なる問題が起こると予想されます。氏子崇敬者の中では神賑行事の開催派と中止派で議論が巻き起こると考えられます。様々な歌舞音曲など神賑の楽しみは祭全体の原動力であり、なくてはならない存在です。話し合いの行方が注目されます。令和三年は「神賑の年」と言えるでしょう。

アフターコロナの祭

思いがけない疫病の流行で、大きなダメージを受けた各地の祭ですが、これまでの歴史の中でも、凶作や不漁、コレラ流行、自然災害、戦争など日常生活がままならない時には「神賑行事を自粛しつつ神事は行なう」という柔軟性を発揮して祭は継続されてきました。

アフターコロナ02


「神事の年」「神賑の年」を経験し、双方に理解を深めて迎える令和4年の祭こそ、アフター・コロナの祭の真の姿が立ち現れてくるはずです。


<講座・講師について、もっと知りたい方はこちら>
・篠笛 玲月流 ウェブサイト → https://reigetsu-shinobue.jp/
・有斐斎弘道館講座「心で読み解く日本の祭と神賑」について
 → https://kodo-kan.com/
・次回講座、4月18日(日)11:00〜 日本の祭と神賑「祭」VS「疫病(新型コロナ)」
 申込→ https://kaminigiwai0418.peatix.com/

 6月20日(日)11:00〜
 日本の祭りと神賑 「神賑(かみにぎわい)とは何か?」
 申込→https://kaminigiwai-0620.peatix.com

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