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2022年を振り返ってみて【Memoriaができるまで】

こんにちは!みなさま年末はいかがお過ごしでしょうか?
株式会社Flamers代表の佐藤航智です。

現在2022年大みそか。自宅でnoteを書いています。
せっかくの機会だし、2022年は本当にいろんなことがあったのでGoogleカレンダーを見ながら振り返ってみました。


ちなみに、さかのぼってみたら創業〜2021年5月までのnoteは以前書いていました!
よければこちらもぜひ!




2021年までのFlamersのあらすじ


2021年5月に「VRの新規事業でやっていこう!」と決まってからは、VR領域でいろんな事業を検討しました。

まずは6月〜7月で1つVRゲームを作ってみました。

8月以降は、このゲームの経験を活かしてもう一本VRゲームを作ろうとしましたが、うまくいかず。
11月ごろから、ゲームではなく、非ゲームのソーシャル領域で何かできないかと模索し始め、僕とだーらでVRChatにがっつり入り浸りました。


という背景があり、2022年が始まりました!では、1月から見ていきましょう!




1月:VRワールド開発サービス、スタート


VRChatをやっていく中で、「VR空間で自分のワールドを作ってみたい」というニーズを見つけ、「VR空間でのワールド作成サービス」の線を考え始めました。

今もですが、VRChatでワールドを作成するにはUnityでがっつり開発をする必要があります。
今のコアなユーザーはエンジニアだったり自分でUnityを勉強している方も多いですが、今後はそれができない方も増えてくるはず。


そのタイミングで、誰でもワールド作成ができるツールを作ろう、と考えていました

実際にTwitterでワールド作成をしてみたい方を募集し、何名かのワールド作成をお手伝いしました。

結果的にピボットしてしまいましたが、この時にVRChatでのワールドをチームで10個くらい作成したことはめちゃめちゃ良かったと思っています。

この後のお見合い会の会場や独自アプリのワールド開発がサクサク進んだのも、この時の経験のおかげですね。

まさにConneting the Dots. 





2月:VRChatの文化にもっと触れていく


ワールド作成サービスのユーザーさんを集めるべく、初めてちゃんとしたイベントを主催しました。
これもお見合い会のイベントを開催するときにめちゃめちゃ役立っていますね。

あとは、もっとVRChatの文化を知りたいなと思い、僕がVRC学園という学園型コミュニティに入りました。

VRの中でほぼ毎日先生が講義をしてくれるんですが、マジですごい体験だった。

チーム的には、既存事業である長期インターンの求人サイト「Voil」の学生面談を担当していたメンバーが卒業しました。
当時は創業メンバー3人、Voilの長期インターン2人、の規模でした。




3月:Flamers、「ユニコーンになる」宣言


2月に卒業してしまったメンバーの後任として、3月から新しいVoilのメンバーがJoinしました!
今でも頑張ってくれているメンバーです。

新しいメンバーも増えたし、Voilのメンバーに対しても「どうしてFlamersは今VRの事業を始めようとしているのか」をちゃんと伝えていなかったので、新メンバーを含めた6人で浅草に一泊の合宿に行きました。


その中で「FlamersはAppleを超える世界一の企業になる。その通過点として、まずはユニコーンになろう」という話をしました。

聞いてくれたみんなも「頑張ろう!」という雰囲気だったし、それから会話の中で「この事業でユニコーンになるには〜」みたいな言い方が増えてきて、チームの中で一つ共通言語を持つと進めやすくなってよかったなと思います。

合宿中に停電が起きて、僕のプレゼン中に真っ暗になったのはいい思い出ですw


事業の方はちょっと苦戦していて、ワールド作成を1人ずつ受託のような形で作るのはできるんですが、どうしても自動化するのが大変だな、と感じ始めていました。

こんな感じでテンプレから選ぶ感じにしたら自動化できる見込みがありそうでしたが、クオリティは下がってしまうよね…というところです。

そして、個人的な話になってしまいますが、VRChatのいろんなイベントに参加していき、どんどんVRでのフレンドが増えていきました。
その中で、VRChat内で彼女ができました笑

当時は事業に繋がるとかは全く考えていなかったんですが、この自分自身の体験が恋愛メタバースへの原体験になります。




4月:Flamersで「聞けよカス」が標語化


ワールド作成サービスがちょっとうまくいかないかもしれない、という雰囲気が漂い始めてた頃、THE SEEDの廣澤さんにお誘いいただき「THE FUTURE」という一泊の合宿に参加しました!

自分はそもそも大人数のイベントとか苦手で、申し込んだものの「明日から合宿だ〜〜〜嫌だ〜〜〜」とか騒いでたんですが、結果としてめちゃめちゃ学びを得ることができました。


一番は、講演者としてclusterの加藤さんがいらっしゃってて、その方とお話しして学んだ「とりあえず当事者に聞きに行け」ということです。

Flamersに帰ってから、言葉を「(まずは外部のイケてる人に)聞けよカス」という標語にして、それを実行することにしました。
これは今でも活かされてる文化で、Flamersが会社として一つ上のギアになったな、と感じる瞬間でした。


実はこの時、ワールド作成サービスから一瞬ピボットして、「海外向けのアバターECサイト」を検討してたんです。

結果として、数週間でまたピボットして恋愛メタバースになるんですが、この短期間でピボットの意思決定ができたのは「聞けよカス」のおかげでした。



社内で仮説を立てて議論をする前に、まず日本人の方で、VRChatで海外の方と多く活動している方2名にDMを飛ばし、「実際海外のアバター事情はどうなのか?」をヒアリングしました。
また、VRChatの海外のワールドに行って、頑張って英語でヒアリングする、といったこともやりました。

その結果、明らかに事業が難しい理由がいくつかあり(海外だと違法クローンが横行している、日本のアバターが受け入れられてない、など)事業を断念しました。




5月:VRCお見合い会スタート!


ワールド作成も今ひとつ、海外向けECも無理っぽい…という中で、本当にノリで「VRCお見合い会」というイベントを始めました。

ここら辺については↓にしっかりまとめているのでこちらでは割愛します。

ノリで始めた恋愛イベントでしたが、ユーザーからのニーズを感じ、これからほぼ毎週お見合い会を開催することになります。

参加してくれた方(特に女性)にはほぼ毎日のようにヒアリングを実施しました。
仕事が終わってから、家に帰ってVRでユーザーさんと話す、というのは結構大変でしたが、ここでユーザーさんの属性だったり、ニーズを具体的に掴むことができたと思います。

今でもヒアリングは続けていますが、やっぱり生の声を聞くっていうのが大切ですね。





6月:VR恋愛サービスを事業へ


5月は半分ノリで開催していたお見合い会でしたが、数回やってみてだいぶ感覚が掴めてきました。

このタイミングでVRChatの公式から「商用利用許可」を一回だけいただき、男性からの課金も検証することができました。


ユーザーのニーズがあることはわかって、それをどうやってビジネスとして成立させるか、という段階になり、ここでも「聞けよカス」の文化が発動します。

日本の名だたるマッチングアプリ(Pairs、Omiai、Tapple…)や、VRの企業の代表や経営者の方にDMで連絡をして、事業相談をさせていただきました。
(本当にいろんな方がお時間を作ってくださり、本当に感謝です。)


毎回毎回のMTGで目から鱗で、やっぱり僕たちがオフィスで自分たちで議論しているのって、(少なくても初期は)あんまり意味がないんだなと感じました。

マッチングアプリにおいて、初期の女性ユーザーはどう獲得したか、VRのベンチャーとして、最初の資金調達とかエンジニアの採用はどうやったのか、など。


自分たちでホワイトボードの前で考えるよりも、今のトップの方々がいろんな知見を持っているわけで、そこにまずアクセスする、というのが一番事業の困難をショートカットできると思っています。

今でも、特にVR系の企業の方にはいろんなことを相談させてもらっています。いつもいつもありがとうございます。(特にHIKKY舟越さん、VARK 加藤さん、MyDearest岸上さん)





7月:資金調達のはじめの一歩


チームとしても覚悟を決めて「恋愛メタバース事業でやっていこう」ということを決めました。
そこで、VRChatでの検証イベントではなく、自社アプリとしてサービスを作ろう、という段階に入り、ついにエンジニアが必要なフェーズになりました。

そこで資金調達に動き始め、まずは既存投資家のHeart Driven Fundの熊谷さんにプレゼンをしたんですが、「まずはデザインが汚くて見る気がしない。内容もボロボロ」と言われてしまいましたw

チームで内容を練りまくって、スライドもデザイナーさんにデザインを依頼し、ほぼ日中は調達のためのスライド作りをしていました。


スライドの表示見ると当時の記憶がよみがえる

そして、7月の終わり頃には一定のスライドができ始めて、熊谷さんに「これなら他の投資家にも紹介できる」ということで、投資家の方を紹介してもらい始めました。

この頃からだーらは調達から抜けて、Unityで自社アプリを作り始めます。




8月:資金調達パラダイス


そして、本格的に投資家の方向けのプレゼンが始まります!!!

8月は僕はほぼ事業側にはタッチしていなくて、ほぼ毎日スライドの修正と投資家へのプレゼンをやっていました。
会社きて、投資家の方とのMTGを3つやって、空き時間にプレゼン内容の修正して、みたいな生活でした。


この頃の投資家面談は、楽しかった部分もありますが、毎回緊張するし気を張ってたな、と今だと思いますw

シードラウンドの時は本当に創業すぐて、プレゼントか特にしてなかったので、ちゃんとした投資家向けプレゼンは初めてだったんですよね。

疲れてたのか、人生で初めて一人で温泉に行きました笑


最初の20人とかはひたすら断られ続けて、「俺ら資金調達できんのか?大丈夫かな?w」みたいな雰囲気もありました。

ただ、あきらめずにいろんな方にアタックしつづけると、中にはちょっと興味を持ってくれる投資家の方も出てきました。

2回目3回目のMTGも入り始めると「俺らいけるんじゃね!?」感も漂ってきました。





9月:資金調達確定〜!アプリα版リリース


そして、9月、ついにANRIさんというVCが、僕たちに可能性を見出してくれて、正式にリード投資家が決まりました!
嬉しくて、その日の夜にみんなで焼肉打ち上げいきました~!!

最初は苦戦した資金調達でしたが、後半からありがたいことに多くの方からオファーをいただき、1億円よりもかなりのオファーをいただきました。

その中から、basepartnersさん、エンジェルとしてmixi笠原さん、HIKKY舟越さんに出資していただくことを決めて、1億円の資金調達が幕を閉じました。

7月から3ヶ月くらいの資金調達で頭いっぱいだったので、ひとまずはめちゃめちゃ安心しました。お疲れ様~~~~~


そして、プロダクトの方も、自社アプリのアルファ版が9/15にリリースし、テストとして何人かの方に使っていただきました。
最初はアンケートでも足りない機能の指摘をたくさんいただいて、エンジニアチーム含め社内はみんなでバタバタしていましたw


また、個人的なニュースとしては、東大の中退が決まりました〜〜!

資金調達が1億円できたことで、親も納得してくれて気持ちよく大学を辞めることができました。4年間も休学してたんですよね。
毎朝起きて「俺もう大学行かなくていいんだ~!」って思うくらいうれしかったですw

9月が一番いろんな出来事があったかも。





10月:資金調達が完全完了して、リリース!


無事調達した資金が着金し、登記簿謄本などの変更も終わり、正式に資金調達が完了しました!おめでとう~~~~

いろんな方からメッセージをいただきましたが、「これだけ応援されてる分もっと頑張ろう」と素直に感じた時期でした。

そして、資金調達も終わったことで、Unityエンジニアの採用に力を入れ始めました!

Wantedly始めたり、学生コミュニティにアプローチしたり、TwitterDM飛ばしたり。

その中で、初めてのVRチームのメンバーであるUnityエンジニアのインターンの子が入ってくれました!今でも活躍してる期待の新星です。





11月:Memoriaベータ版リリース!


11/15に、Memoriaのベータ版をリリースしました!

アルファ版は無料でテストとして使ってもらっていましたが、ベータ版は有料で(男性)、プロダクトとしてもだいぶイケてきた感覚があります。


そして、VRCお見合い会を一緒に運営していたなみしろさん、そしてもう一名のエンジニアの方がFlamersにJoinしてくれました!

今までのFlamersはインターン生とか友人の採用はあったものの、年上の社会人経験豊富な方を採用するのは初めてだったので、「大人の方が入ってくれるなんてすごいな」と思いましたね。

エンジニアチームも一気に増えて、一気にプロダクト開発が加速しました。


これは今でもそうなんですが、「もっと会社として大人っぽく、ちゃんとそていく」と「とはいえFlamersっぽいわいわいした雰囲気をちゃんと残す」というバランスが難しいですね。

今年は、資金調達だったり、プロダクトリリースだったりで結構視野が狭くなっていて、来年はチーム作りとかカルチャーの浸透、みたいなことも改めてちゃんと向き合いたい!と思っています。





12月:Memoria内ワールドアップデート and 広報スタート


Memoriaのユーザーヒアリングから「やっぱり話す前に緊張する…」という意見が多くあり、話す前にアイスブレイクするスペースを作りました。

利用後のアンケートで「このアプリが使えなくなったらどう感じますか?」という質問をしているんですが、その回答として「とても残念」が40%を超える、というのを目標にしていました。

そして、12月には全体で46%となり、無事目標を達成しました!!!!



今はとりあえずユーザー体験は整ってきたので、マーケティングや広報側にリソースを割いています。

来年にはヘッドセット公式のストアにも掲載される予定です。

また、広報にも力を入れていて、日経新聞さんに取材していただいたり、

VRを取り上げているミライスさんというYoutuberさんに取り上げていただきました!(もともと視聴者だったので、声かけてもらった時嬉しかった!)

そして、Unityのエンジニアインターン生が1名またJoinし、今の体制になりました。(Flamers全体で10名!)

年末には忘年会焼肉をしました。
どんなに忙しくなっても、会社の規模が大きくなっても、友達みたいにわいわいできる、そんな会社にしたいですね!

オフィスが手狭になってきたので、どっかのタイミングで移転とかも考えていきたいですね。






まとめ

2022年は、
・新規事業がようやくスタート!
・シードラウンド資金調達が無事完了!
・エンジニアチーム拡大!(4名採用)

ということで、Flamersが加速していく、飛躍の最初の一歩!という感じでした。


2021年は結構暗黒期で、暗闇の中で新規事業を探し続けていたけど、結局「これだ!」って思えるものが見つからないまま一年が終わってしまいました。

もちろん、その大変だった時期があるからこうしてしっくりくる事業に出会えたと思うんですが、Memoriaにいきつくまで、2年くらい新規事業を模索していたので「やっと次に進める~!」って気分ですね。


そして、スタートアップにも関わらず新規事業を考える時間がちゃんと確保できたのは、既存事業のVoilがしっかりと売り上げを出してくれていたからです。

僕は去年からほぼVoilから離れてしまっていますが、Voilチームのみんな、いつもありがとう。





会社としての来年の目標は「VRで恋愛といったらMemoriaだよね!」って世の中に知らしめることだと思っています。

個人的には、もっとカルチャーとかを大事にする「エモい」部分を取り戻していきたい!

このnoteを書き終えたら、今日は一人で自転車にのって目的地もなく気ままにチャリ旅をして、今年最後の日を終えようと思います。


ここまで読んでくれてありがとうございました!

では、よいお年を!!!!

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