工房ひろ

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オハ70 5~11(スニ75)日立製作所製についての考察

 戦後の急激な輸送量増加に伴い急造されたオハ70形を始めとするオハ71形の一族は、戦災によって疲弊した輸送力の早期回復を目的として緊急的な車輌復旧工事だった為、後年詳細を把握するのが困難な形式となっている。  その中でも仕様が定まらない時期に復旧され、全車が荷物車改造によって早い時期に原型が失われたオハ70(スニ75)形において、唯一の鋼板屋根車である日立製作所製について考察する。  なお、本資料は個人での使用は自由に研究材料としてもらいたいが、模型化や転載する場合は個人であ

    • 戦前優等車の漆塗装について

      以前、ブログにて掲示していた文章をそのまま掲載しました。 稲葉様より頂いた補足も掲載しています。 戦前優等車の塗色のお話 2016-12-30 23:10:00 当時は色名の制定はまだ無く、文献では単に客車の外部塗色は暗褐色とされています。 そして注目なのは当時はいくつかの塗り方法があったようです。 車体が木製の場合 1.漆塗り 2.ペイント塗り 車体が鋼製の場合 1.漆塗り 2.ペイント塗り 3.ラッカー塗り この中で鋼製車の場合でも漆塗りが有る事に驚きます。 漆は

      • スハフ44(スハフ42の北海道形)蒸気トラップ配置

         スハフ44(スハフ42の北海道形)の蒸気トラップ配置について説明をいたします。  スハフ44は真岡鐵道真岡駅のSLキューロク館にて展示されておりますので、気になった方はぜひお越し下さい。  この車輌、真岡へ来る前は船の科学館に保存されていた青函連絡船羊蹄丸船内で展示されており、船の科学館時代にも見学した事が有ります。  それでは本題に入ります。 ※見にくくて申し訳ございませんが画像には透かしを入れさせて頂きました。  スハ43形緩急車はデッキの外に車掌室が有る為、車掌室の

        • マニ36(スハ32改)蒸気トラップ配置例

           蒸気トラップは客車の蒸気暖房管末端に有る機器です。  在来型一般客車等の客室が存在する場合、圧力加減器を中央に配置して客室全体へ蒸気暖房管を引き回しています。  ■暖房主管→圧力加減器→客室蒸気暖房管→圧力加減器→外部へ排出  一方、車掌室、特別室の個室など小さく区分けされている部屋には暖房主管から分岐した暖房管が小部屋を経由して蒸気トラップへと流れます。  ■暖房主管→小部屋暖房管→蒸気トラップ→外部へ排出  小部屋の多い32600形(スハ32 二重屋根)の優等車は各部屋

        オハ70 5~11(スニ75)日立製作所製についての考察