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『破』と『境』

昨年の暮れから今年の2月にかけて
2つの展示作品を作りました。

1つはgallery cafeBar冥さんの公募展『極まって此の世と鬼渡し』で展示した『破』。
こちらは「鬼」をテーマにした公募展に出品した作品です。

『破』 写真:青井崇

テーマは鬼ですが、
「鬼という形そのものを作らずとも、
鬼になりえる感情の逸脱を想起させる作品でもOK」と
募集要項にあったので
私は「感情の逸脱」にターゲットを定め表現しました。

 人があることを境に
 日常から非日常へ
 人から鬼へと
 変化する

 変化の原因は外からでも
 様変わりは内側から起こるもの

それを表現したのが『破』です。

立体感

今回の私の中のもう一つのテーマは「立体感」
ビーズ織りというと平面のイメージが多いと思います。

平らな織り地を使いつつ立体的に見えるように作る。

向かって右側の帯状の部分は
一部ワイヤーを入れて形が維持できるようにしました。

写真:青井崇

左側のお花たちにはワイヤーは使っていません。
織り方と成形で立体感を出しました。

写真:青井崇

もう一つの作品『境』はAJCクリエイターズコンテストに応募したものです。

『境』

ほぼ、同時期の締切だったので公募展のテーマで作ることに。
AJCはサイズの指定はありますがテーマの指定はないのです。

テーマがないのは結構、難儀。
昨年夏にはエントリーを済ませていたのに
何を作ろうか全然思い浮かばないという・・・

初めて参加することもあり
ほんとどうしようって焦りました。

お友達の作家さんにアドバイスをもらい
ようやく同じテーマでいこうと決まりました。

難航

実は『破』のイメージ図は早くから出来上がっていました。
それこそ10月か11月くらいに。
でも、色が決まらないという状態・・・

織り始めたのはお花から。
2,3個作っても全体の色をどうするか悩む日々。

応募要項のステイトメントを眺めつつ
何色にするかを悶々と考えていました。

やっと決まったのが12月。
『破』は赤

じゃあ『境』はどうする?
ここからまた数週間悩んで
青しかないじゃん!」となったのが
年が明けてからという(苦笑)

今から思うと鬼→赤鬼、青鬼
という図式が容易に思い浮かぶのに
何かに惑わされて
思考の迷路を延々と彷徨っていました。

決まってからは織るのみ。
まずは『破』を仕上げる。
続けて『境』を織るためのビーズも注文。

少しずつ進めていたものの
『境』が決まっていなかったせいで
『破』も完成には程遠い状態で鈍行。

1月後半からは仕事をセーブしながら制作の日々。
徐々にパーツは完成に近づくものの
土台への取付けにまたまた難航。
何度もトルソーにつけてはバランスを見て微調整。

仮置きと本付けで若干変わるものだから
そこでも調整を。
この辺りはモノヅクリ共通の手間だと思います。

『破』が完成。そして『境』へ…

『破』は予定通りの日程で完成。
無事にgallery cafeBar 冥さんへ送り出す事が出来ました。
この時点で『境』はほぼ手付かずの状態。
任務を一つ終えた安心感で一晩休憩しました。

『境』

これが大誤算。
『境』の制作に7日間あると思い込んでいたのが6日間になってる(汗)

三日目過ぎた頃から進捗状態と残りの日数を照らし合わせたら、どう考えても一日分足りない(冷汗)
計算間違いをしてるんだから当然なんですけどね。

デザインはあるし、一度織ったものの色違いだからイケる!と安直に考えていたのも良くなかった。

最終的には1晩徹夜してなんとか仕上がりました。

この期間は家族にも迷惑かけまくり。

次回はこんなことにならないようにと
心に誓いました。

だいぶん長くなったので
AJCクリエイターズコンテストの話は別の記事に書きます。

公募展でお世話になっているgallery cafeBar 冥さんのHP
https://www.gallerycafebar-mei.com/


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