【メモ】「スライバー (thriver)」と「自分の育て直し」

2021.03.03

僕だって人間だ。
「酵母マン」でたまにエゴサするし。
ジョジョの「14の言葉」も、どんなリアクションがあるかな?って気になる。
ただリアクションするのはなるべく避けるようにはしている。

そんな中、つい昨日くらいに、「スライバー」という言葉を知った。

「愛着障害・AC」の克服法において、当時と今現在の考えの違いは触れておいたほうがいいかと思い、書きとめることにした。

1. サバイバーとスライバー (thriver)

恥ずかしながら…

AC克服法と銘打ちながら、僕はつい昨日までスライバーという言葉を知らなかった。

thriveとは、「繁栄する」「成長する」という意味で、
ACを克服した人をスライバーと呼ぶらしい。

ACサバイバー、虐待サバイバーという言葉はちょくちょく聞く。
何がちがうのだろう?


先に断っておくと…
この記事における「サバイバー」「スライバー」の定義は、
ネットでちょちょいと調べた断片的なものです。
斎藤先生の本を読んでみた、とかではないのであしからず。 

サバイバーとは、
「過去に虐待や心的外傷などを受けて、今現在も生きている人」
のことのようです。
さまざまな性質とか、説明がなされるとは思いますが。
端的にいえば、「自分は過去の体験によってとても傷ついた状態にあるのだ」と『本人が認識した人』と言い換えていいと思います。

一方スライバーとは、
「サバイバーであることを主張する必要がなくなった人」

のことのようです。


この、「スライバー(成長した人)」という概念をどう捉えるか?

もし、愛着障害の克服に取り組んでいた2年前の僕が、
この「スライバー」という概念に触れてしまっていたら…
僕は「愛着障害・AC」克服noteを書いていなかったでしょう。

酵母マンTwitterは開設していたかもしれないけど、
確実にこのnoteは存在していない。

なぜなら、
「スライバー=AC克服者と定義するならば、僕はスライバーではない」
から。


いやー…困ったものですね。
昨日、「スライバーってなんだ??」と思って調べた僕は、
「あ、これ当時触れなくてほんとによかったわ」と思いましたもん。

だってさー。
「AC克服した人は、スライバーになります(キリッ)」
なんて定義されちゃったらさ、
一生克服できないよ笑。

2. 一応、スライバーの特徴を書き並べてみる(当社・ネット調べ)

さて、ここで一応、スライバーという状態の特徴を並べてみます。
(当社・ネット調べ)


1. ひとりで居られる、ひとりを楽しめる
2. さびしさに耐えられる
3. 親のことで過剰なエネルギーを使わない 
4. 自分にやさしい
5. 他人(世間)の期待に操られない。
6. 自分で選択し、決定する 
7. 自分の選択したことに責任を取れる 
8.自分は世の中に受け入れられてあたりまえという確信を抱いている 

なんだよコレ?

これをAC克服した状態だとしたら、一生無理だからね。

その理由を、ここから説明していきます。


まず、大前提として。
さっきの8項目に、「立派に成長して、社会で存分に活躍している大人」
というタイトルをつけてみよう。

そうすると…

彼らにとってこれらの項目は、
「え、何?新卒で就職した人の研修か何か?」
と、かなり小馬鹿にされるかもしれない。
彼らにとっては、「当然」のことなのかもしれない。

しかし、それを「当然」と感じられるのは、
彼らが20数年以上を「健全」に成長した賜物であって、
人生のどこか(特に小さい頃から)致命的なつまずきをした人(AC)にとって、
それは「手の届かない理想の状態」なわけだ。

ここに、「決定的な格差」があること。
これは、特にAC当事者は意識的に認めよう。
認めて受容することで、初めて克服が始まる。


問題は、先程の「サバイバー」と「スライバー」の定義だ。

「サバイバー」って、要は克服作業に取り組む前の人で、
「自分が辛いのって、幼少期の体験・環境に原因があるんだ」って自覚した状態。

(そもそも、そこに原因があることに気づかなかったら、「サバイバー」という概念にすらたどり着かない)

で。

「スライバー」は「普通の大人にしてみれば『当然』の状態」

え…?ってなりません?
小学校を卒業したら、即座に新卒社員研修ですか??


これは、あくまで僕の私見ですがね。

この、「サバイバー」と「スライバー」という、二項対立のような定義が、
最もAC克服を妨げている害悪のように思います。

もっと正確に表現すれば…

第一段階:サバイバー認識

最終段階:スライバー到達

この、「階段が2ステップしかない」という状態だから、克服できないんです。


3. 酵母マンは、無自覚に「愛着障害克服」というステップを作った


では、僕の場合は何が違っていて、僕は何を克服したのだろう?

僕は、そもそものスタートが岡田尊司先生の本を読んで、
「愛着障害」という概念を知るところから始まっている。

ACの概念については、結果的には愛着障害克服法(愛情・感謝サイクル)にたどり着く直前1ヶ月前に瞬間的に触れただけだった。

結果的には、愛着障害とACの概念をうまく組み合わせて克服メソッドにたどり着いたわけだ。

だけど、僕がもし「AC」を入り口としていたり、「AC克服」という沼に半年以上はまっていたら…

絶対克服できなかった。
「克服した!」という認識にたどり着かなかった。


こういう風に考察できるのも、2年以上たって考えがさらに進化・深化しているからなわけだが。


どういうことかというと、
「サバイバーの認識」から「スライバーへの到達」は、
かなり多段階な発達を経る必要があるから。

ここを、「2ステップの段階ですよ」と教えられると、
「全部クリアしないと克服できていないんだ…」となって、
結局挫折しちゃうよ。

僕の場合は、スライバーという概念を知らなかったんで、
いい意味で「愛着障害克服」という途中段階を創り出すことに成功したわけです。

先程の、「スライバーの定義」は、改める必要がある。

1. ひとりで居られる、ひとりを楽しめる
2. さびしさに耐えられる
----(愛着障害の克服(自分軸第一段階 = 過去〜現在の時間軸)---
3. 親のことで過剰なエネルギーを使わない 
---(サバイバーからの脱却)---
4. 自分にやさしい
---(自己受容:自分はこの世に『当たり前に』存在して良い)---
5. 他人(世間)の期待に操られない。
---(当然からの脱却・自分軸第二段階の形成開始 = 価値判断のための評価軸)---

5〜6: 自分が何を好きなのか(欲求)を理解する

6. 自分で選択し、決定する 
---(自己決定感の確立)---
---(尊敬・価値の感覚を培う)---

7. 自分の選択したことに責任を取れる 
---(自分軸第二段階の成熟: 自分独自の価値観ができる)---

8.自分は世の中に受け入れられてあたりまえという確信を抱いている 
---(自分軸第三段階: 他者との関係性や価値が渦巻く世界で、自分の支えとなる体軸)---

AC克服のゴールを「サバイバーへの到達」と考えるならば、
僕の「愛着障害・AC克服法」ですら、かなりの初期段階である。

だから、「サバイバーとスライバーの2ステップ式」では、一生克服できません笑


4. 酵母マン的な「自分の育て直し」の新定義


「自分を育て直す」

この言葉については、僕自身、愛着障害の途中で書いている。

【愛着・AC 克服記録】Part 7 ノートを使ってインナーチャイルドと対峙

正直に書こう。
この段階で「自分の育て直し」と表現することは「完全なミスリード」だった。


この段階では、ノート療法そのものが自分の育て直しだと思っていた。

今現在の考えは全く違う。

「自分の育て直し」は、年単位のスケールを要する壮大なプロジェクトだ。

先程の改訂版スライバー到達工程表は、
あくまで今現在の僕が解釈するステップだ。
これが完全な正解かどうかは、僕自身が完全なるスライバーに到達したときに、
はじめてわかるのだろう。

ちなみに、今現在(2021年3月)の僕はステップ5〜7あたりをさまよっている。
逆に言えば、確実にステップ1〜5まではクリアできている。


いやー、時間かかるね。

僕の勝手な肌感覚としては、
3倍のスピードで僕の感情さん(子ども)は成長している。

僕は、28歳で愛着障害を克服して、心の中に0歳の赤ちゃんが生まれた。
今は2年たって、外身のおじさんは晴れて30歳になりました。
だけど、心の中の感情さんはやっと6歳で小学校に入る感覚。

まぁ、ちょうど先程の改訂版スライバー到達工程表にあてはまるんじゃない?
(小学校に入る頃って、欲求とか尊敬とかが培われはじめるころでしょ)


まとめよう。

完全なミスリードである「自分の育て直し」という概念を全く改善していなくて申し訳ない。
あと、スライバーという言葉に触れるチャンスをいただけて本当に感謝。

あと、愛着障害克服当時に「やっかいな『スライバー』」という概念に触れなくて、本当によかった。

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