【ジョジョnote】ジョジョ第6部・14の言葉の完全解釈.ver.2.0
2-0. はじめに
前回、14の言葉考察を書いたのが2018.10.25
およそ1年間、思考を巡らせた結果、少しだけ考察が深まりました。
ってか、前回のやつはさすがに読みにくいし、すごく理解しづらい笑
今回は、14の言葉の構造と、「この言葉全体が何を意味するのか?」を解説した後、それぞれの言葉の意味の各論に入ります。
14の言葉の完全解釈.ver.2.0、いきます。
2-1. 14の言葉を並べてみる
・らせん階段
・カブト虫
・廃墟の街
・イチジクのタルト
・カブト虫
・ドロローサへの道
・カブト虫
・特異点
・ジョット
・天使 (エンジェル)
・紫陽花
・カブト虫
・特異点
・秘密の皇帝
14の言葉は、「ただ14個の別個の言葉」があるわけではない。
この「並び方」がめちゃくちゃ重要。
単語カードみたいにしてみましょう。
(同じ言葉には色をつけている)
並べ方が重要と書きましたが…
実は、14個の言葉が「直列」に並んでいるわけではないのです。
ちょっといじると…?
実は、「2箇所」は並列になっていて、
言葉のかたまりとしては「12の言葉」になります。
(ほとんどの言葉の間に、カブト虫が入り込んでいますね…)
言葉が12個になることで…
「きれいな円環構造」に配置できるようになります。
さらに、「特異点」で区切られた部分の色を変えると…?
こうなる。
2-2. 「14の言葉」の全体の意味と「14」について
まず、円環構造に配置することで、
「らせん階段」に始まった14の言葉は一周して「秘密の皇帝」に到達する。
そして、「秘密の皇帝」の先で、再び「らせん階段」に到達する…。
そう、「秘密の皇帝」とは「らせん階段」のことなんです。
そして、「14の言葉」とは、
「2回の特異点を通過することでらせん構造を形成するメカニズム」
を表しているわけです。
すると…面白いことが見えてきます。
「閉じた円環構造」かと思って一周した先に、「らせん階段」がある。
つまり、
「最初の『らせん階段』」と、「一周した先の『らせん階段』」は
一段分違う。
これによって、
「14の言葉そのものがらせん構造を内包している」
ということが見えてきます。
そうすると…(ざわざわ)
プッチが考える「天国」と、DIOが考える「天国」が、
構造的に全く異なるものだったことが、判明してしまう…!?
(これは、後ほど書きます)
話を戻して…
では、2個の特異点で区切られた「白い部分」と「黒い部分」は何なのか?
白い部分:時間の流れが存在する「生の世界」
黒い部分:時間の流れが存在しない「死の世界=停止の世界」
前回の完全解釈.ver.1.0で、「カブト虫=不可逆的変容」と書きました。
変化するということは、必然的に「時間の流れの存在」が前提となります。
だから、白い部分=生の世界では、
言葉の間に「カブト虫=不可逆的変容」が挟まる。
一方、黒い部分=死の世界では、
時間の流れが存在しないから、言葉の間に「カブト虫」が挟まらない。
そして特異点とは、
「生の世界」と「死の世界」の世界をまたぐ、決定的な変化、となります。
(特異点とカブト虫はセットですよね)
しかも…
特異点とカブト虫がセットである(同時に起きる)ことを踏まえると…
「10の言葉」となる。
10の言葉が一周=360度回るには…1行程あたり36度移る必要がある。
「36」にまつわる、何かしらが必要というところでしょうか?
36人以上の罪人の魂とは、円環構造を暗示するための言葉だと考えられます。
以上が、「14の言葉の構造」の解説です。
では、「14」という数字は何なのか?
先程、「12」項目にまとめることで、「円環構造」に並べることができました。
さらに「10」項目にまとめることで。「36」を内包する円環構造の完成形が見えるようになりました。
(「12」は中間的な構造で、「10」が完成形だと思います)
この円環構造では、
「生の世界」から特異点を通過して「死の世界」に突入する。
そして再び特異点を通過して「死の世界」を脱出することで、
「秘密の皇帝=らせん階段」に到達する。
酵母マンとしては、
「死(13)を乗り越える」言葉=14の言葉
ではないか?と考えています。
それでは、各論に入りましょう。
2-2. 「14の言葉」の各論的意味
① 「らせん階段」
酵母マンとしては、真理=あらゆる物事に通底するルールは、
「らせん構造」であると考えています。
そんな話はこちらにまとめてるので、興味があれば
「無条件の愛とは?」
らせん構造は「永続的継承」という概念を内包しています。
14の言葉は、「永続的継承」が「崩壊に向かうところ」から始まります。
ー ー ー ー ー ー ー
「カブト虫=不可逆的変容」
・幼虫→さなぎ→成虫、という不可逆的な変容
(中身が変わる、という意味で「変化」ではなく「変容」という言葉を使っています)
・また、ジョジョはエジプトとの関連が強い物語です(特に第3部)。
カブト虫には、「再生に向かうための不可逆的変容」という意味も読み取れます。
ー ー ー ー ー ー ー
② 「廃墟の街」と「イチジクのタルト」
前回の完全解釈.ver.1.0で書きましたが、
「廃墟の街」=荒廃・暴力・(死を暗示)
「イチジクのタルト」=繁栄・知性・(生命を暗示)
という真逆の概念を表している、と考えられます。
荒木先生が、キリスト教的バックグラウンドを持っていることを考えれば、
・廃墟の街=ソドムとゴモラ(自業自得的に荒廃して神に滅ぼされた)
・イチジク=エデンの園の知恵の樹になる果実
と解釈することは、無理がないかと思います。
しかし、イチジクの「タルト」なわけですから…
禁断の果実、食べちゃってるやんけ笑
ってこと。
なので、
「イチジクのタルト」=繁栄・知性・(生命を暗示)からの『追放』
となり、
永続性を持っていた「らせん階段」が、
「廃墟の街(死)」と「イチジクのタルト(生)」という2つに分裂しはじめ、
しかもその両方が死の方向に向かっている、
と読み取れます。
ジョジョ的に考えれば…
「廃墟の街」=人間のディオ・ブランドー
「イチジクのタルト」=お坊ちゃまのジョナサン・ジョージ・ジョースター
を象徴してます。
この2人が出会ってしまったことで…
両方が滅ぶ方向に進んでしまう。
それが「ジョジョの奇妙な冒険」という物語の裏にある構造です。
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「カブト虫=不可逆的変容」
ー ー ー ー ー ー ー
③ 「ドロローサへの道」
キリスト教においては、極めて重要な事柄ですよね。
ドロローサへの道は、「イエスが十字架を背負って、処刑されるゴルゴダの丘へと向かう道」です。
また、via Dolorosa (ドロローサへの道)は「苦難の道」です。
先程、「廃墟の街(死)」と「イチジクのタルト(生)」が分裂を始め、その両方が滅亡に向かっている、と表現しました。
別の解釈としては、
「らせん階段(永続的継承)」の中には、生の概念しか存在しなかった。
しかし、「カブトムシ(不可逆的変容)」を経て、
「廃墟の街(死)」と「イチジクのタルト(生)」が混在するようになる。
とも、捉えられます。
いずれにせよ、「死」と「生」が並立する状態から、
「カブトムシ(不可逆的変容)」を迎え、
「ドロローサへの道」にたどり着く。
ドロローサの丘では、何が起こるのか?
それは、「イエスが処刑される」わけです。
創造主たる神の子、さまざまな愛を説く存在が「処刑される」。
これは、「生の象徴」が滅び、「死」と「生」が完全に分断し、
「死の世界」に足を踏み入れる、と解釈できます。
ジョジョ的に捉えると…?
ジョジョの世界観では
「生」=波紋・太陽・継承
「死」=石・停止・断絶
ですよね。
つまり、「ドロローサへの道」は、
・ディオ(死)とジョナサン(生)の決別
・ディオが死の世界に足を踏み入れる=石仮面でゾンビ化する
・ジョナサンは波紋法を獲得して、(生)の性質を強めていく
・ディオもジョナサンも、苦難の道へと進んでいく…
という、第1部のダイジェストのような意味を含んでいるわけです。
(14の言葉は、DIO視点の言葉なわけですから、DIOからは(生)の性質が失われているわけですよ)
ー ー ー ー ー ー ー
「カブト虫=不可逆的変容」
ー ー ー ー ー ー ー
「特異点=世界をまたぐ」
特異点というものは、いろんな分野で用いられる言葉ですが、
「その世界のルールでは、本来到達できない領域」
と考えると、特異点という言葉の本質が理解できるように思われます。
つまり、「特異点」とは、
「世界と世界の境界線をまたぐ」=「ルールが異なる世界に入る」
ことなんです。
・「14の言葉」としては、「生の世界」と「死の世界」の境界線
・ジョジョ第6部では、「一巡前」と「一巡後」の世界の境界線
ー ー ー ー ー ー ー
④ 「ジョット」と「天使(エンジェル)」
ここからは、「死の世界=停止の世界」ですから…
ちょうど、「ザ・ワールド」が永久に発動している世界、
といえます。
(時間が停止しているのに「永久」というのも奇妙な話だが…)
ここから先の、「ジョット」「天使(エンジェル)」「紫陽花」
この3つの言葉は、「死の世界=停止の世界」からの脱出法
を表しています。
「ジョット」
こちらは、中世のイタリア人画家ジョット・ディ・ボンドーネでしょう。
僕は美術には詳しくないですが、
「それまでの様式的な絵画表現を打ち壊し、写実的な芸術を再興させた『西洋美術の父』」と呼ばれているそうです。
「天使(エンジェル)」
一方、こちらが何を意味するのか…?
「天使」単独で考えると、どうしても宗教的な意味だったり、言葉に込められた暗喩、何かの象徴、etc...と脱線してしまいます。
しかし、「ジョット」ー「天使(エンジェル)」の組み合わせで考えると…
「ジョット」:芸術家=創造主
「天使(エンジェル)」:芸術作品=被造物
という関係性が見えてきます。
そして、芸術家=創造主と、芸術作品=被造物は、「ニワトリと卵」のような「どちらかが先に存在していた」という関係性ではなく
作用反作用の法則のように、「寸分違わず同時に出現する」
わけです。
しかし、だ!
だが、しかし、なのだぁ!
ここは「死の世界=停止の世界」ですから…
絵、描けませんんんんッッッッッッ!
唯一可能なことは、…
「天使を描こう」という『意志』を持つこと。
しかも、ジョット=創造主側だけが『意志』を持つのでは不十分で…
天使=被造物側にも「天使として描かれよう」という『意志』が必要。
このように、「死の世界=停止の世界」においても
「2つの意志が同時発生」し、互いを認識する瞬間が生じることが重要!
(時間が停止しているのに「瞬間」というのも奇妙な話だが…)
ジョジョ的に捉えると…?
これは…わかりやすいんじゃない?
第3部のクライマックス、「DIO vs 承太郎」の
「停止した世界に『入り込む』闘い」です。
DIOの「世界(ザ・ワールド)」によって停止した世界に、
光速のスタンド「スター・プラチナ」を持つ承太郎が、
「時を止める能力」を獲得して入り込んでいく…
「時を止める能力」を持つ者同士は、
「停止した世界」でも動くことが可能になる。
そして、DIOは承太郎に敗北する…
ー ー ー ー ー ー ー
ここは「死の世界=停止の世界」なので、
「時間の流れが存在しない」=「変化・変容が起きない」
そのため、
「カブト虫=不可逆的変容」が挟まらない
ー ー ー ー ー ー ー
⑤ 紫陽花(あじさい)
ここまで来ると、かなり構造が見てきますよね…
紫陽花(あじさい)の花言葉。
たくさん意味があるようですが、
この文脈では「移り気・心変わり」と解釈できます。
「死の世界=停止の世界」で、
2つの意志が同時に発生して「互いに認識し始める」
これまで断絶されていた2つの何かしらの間で、
「内的な変化=心変わり」が起き始める…
これが、「紫陽花」のステップの解釈です。
あくまでも、起き「始めよう」としている段階なので、
「紫陽花」の段階でも時間は停止しています。
ー ー ー ー ー ー ー
「カブト虫=不可逆的変容」
ー ー ー ー ー ー ー
「特異点=世界をまたぐ」
ー ー ー ー ー ー ー
さて…この、「紫陽花」「カブト虫」「特異点」の流れ。
ジョジョ的に解釈するとどうなるのか…?
DIOは既に承太郎に敗北しています…
しかし、結果としてDIOは「スタンド」を捨てることに成功している。
さらに、敗北することで、ジョースター家との宿命から解放されています。
つまり、「紫陽花」「カブト虫」「特異点」は、
DIO自身ではなく、DIOのその先の存在の話です。
それは…「ジョルノ・ジョバァーナ」と「緑色の赤ん坊」です。
①ジョルノ・ジョバァーナ
ジョルノの父親、DIOは…
それに対し、ジョルノは…
②緑色の赤ん坊
いずれにしても、
ジョルノも、緑色の赤ん坊も
「死の世界」から脱却してきたものであることがわかります。
ー ー ー ー ー ー ー
⑥ 秘密の皇帝
到達しましたね…「秘密の皇帝」に。
ここは、「死の世界」から脱却して初めて見ることができる、
「新しい生の世界」です。
まずは、言葉の意味を考えてみます。
(ここには、宗教的意味合いは弱いように思います)
秘密とは?
秘:かくす(秘宝・隠秘など)
密:みえない(密猟・密度など)
→「見えない」と解釈できる。
皇帝とは?
文字通り、支配者です。
しかし…支配者とは
「みんなから存在が認識できるから、影響力を行使できる」
そうすると…?
秘密の皇帝=見えない支配者
という状態は、極めて奇妙です。
でもさ…そうゆう人、いたじゃない?
第5部のパッショーネのボス、ディアボロです。
(ちなみに、パッショーネ=passion=受難という意味)
ジョルノは、
「死の世界」から脱却し、成長を続けたその先で、
「秘密の皇帝=見えない支配者=ディアボロ」に到達。
まぁ、その先で獲得する、
「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム(GER)」
=ジョルノが形成する「らせん階段(らせん構造)」なんですけど…
ここでは詳細は触れない。
ここでは、ディアボロ=GERってわけではないです。
あくまで結果としてそう解釈できる、ってだけの話。
本題は、第6部。
この世界の、「秘密の皇帝=見えない支配者」とはなんだろう?
世界の全てを支配しているならば、
それは「全てに通底しているルール」
といえます。
それが、「本来は明らか(顕)であるはずなのに」「秘密=見えない…」
そうゆうものを、「真理」と呼びます。
その先に、「らせん階段」が待っている…
つまり、14の言葉を一巡して、秘密の皇帝=らせん階段に到達する。
その結果として、世界が一巡して、「閉じた円環構造」にならずに、
少しズレた「無限の並行世界」が誕生することになった。
ここは、僕が書いてる記事の話になってしまうんですが、
14の言葉と同じ方法で自分の人生を振り返ることで、
自分の「生」→「死」を貫く「時間軸」が形成できます。
この「時間軸」自体が、らせん構造を内包しているのですが…
第6部で時を加速させて、
「時間軸」の「始まり」と「終わり」をズラしてつなげると…
さまざまな時間軸を持ったらせん構造=無限の並行世界
が形成されます。
さらに、らせんの中心には、「新たな軸=世界軸」が形成されます。
DIOは、この「世界軸」の獲得を狙っていたのではないか?
無限の並行世界を制御する力を手に入れることで、
「自分が望む並行世界の、望む人物として生きる道」を選択した…
以上で、酵母マンが考える、
「14の言葉 完全解釈.ver.2.0」
終了でございます。
酵母マン的ジョジョ論は、また次回。
2-3. この話は第7部に続いている…?
2021.10.09
第7部スティール・ボール・ランは、アメリカ西海岸の「サン・ディエゴ (San Diego)」から始まります。
San Diegoとは、スペイン語で「聖ヤコブ」を意味する。
ディエゴ・デ・アルカラという宣教師に由来するようです。
重要なことは。
第7部でジョニーたちの宿敵となる人物の名が、ディエゴ・ブランドーである、ということ。
僕の仮説は、「第1部〜第6部のDIOは、プッチの力を利用して転生して、複数の並列世界を生み出し、その中で第7部の世界における『聖なる遺体』の人物になったのでは?」
というものであった。
そして第7部の蓋を開けてみれば、
DIOに相当する人物の名はディエゴに変わり、
物語はサンディエゴ = 聖ディエゴという土地から始まる。
これは…やばいんじゃね?
仮説当たってない??
いつか第7部考察を書く日がきたら、
そのときに改めて考えてみたいと思います。
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