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【保育フォト】あかないねぇ


園庭であそぶ 2歳児クラスの 23人の子どもたち。5人の担任で見守ります。
5月も中旬。花壇が乾燥していたので、水やりを始めた 一人の担任。
すると めざとい子どもたちが数人、「やりたい」とやってきたので、大人のジョーロから 子ども用のジョーロに水を入れ、手伝ってもらうことに。
 
そんななか 水道から直接、自分で水を入れたくなった子が一人。
硬く閉まっている蛇口を なんとか あけようとするものの 上手くいかず。
両手で蛇口をひねったり、蛇口にジョーロを被せてみたり。
自分でなんとかしようと 試行錯誤するものの、結局あけられず。
 
でも水やりは、どの子も楽しかったよう。
自らジョーロを手放す子はおらず、50分ほど続くことに。

数日後、子どもたちから再び「水やり したい」と。
ジョーロを渡して「水は自分で入れてね」と さり気なく突き放す担任。
蛇口は硬くしまっており、なかなか あきません。
すると「やって」「センセー 手伝って」と。
それでもなお「できないねぇ」「あかないねぇ」と とぼける担任。
そんななか 粘り強くトライしていた子が、ついに水を出すことに成功
「すごい どうするの」と尋ねる友だちの声も耳に入らず。
嬉しそうに 蛇口から流れ出る水を眺めます。
 
それならばと、その友だちのジョーロの上に 自分のジョーロをかざし、水を汲む ちゃっかりさんも。
そんな無礼な振る舞いは できない子たちも、
「あの蛇口は あけやすいらしい」と目星をつけ、ジョーロに水をたたえた友だちが 花壇に向かうと、そそと群がります。
 
誰よりも嬉しそうに微笑むのは、とぼけてみせた担任。
“やりたいことは 自分の力で”と願うから。
悪戦苦闘した末の “できた”の喜びを 味わってほしいから。
いっぱい考え、自分の身体を使いこなせるようになってほしいから。
自分を好きになってほしいから。

あそびの手伝いは、少しずつ減らすことが大事みたいだね。

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