自分や家族の笑顔のためにも、働きすぎはほどほどに（『菜根譚』前集二十九）
今回取り上げるのは『菜根譚』前集二十九からの言葉。
憂勤は是れ美徳なるも、太だ苦しまば、則ち以て性に適い、情を怡ばしむる無し
（読み：ユウキンはコれビトクなるも、ハナハだクルしまば、スナワちモッてセイにカナい、ジョウをヨロコばしむるナし）
あれこれと検討して熱心に仕事に励むのは良いことであるが、自身の限度を超えて苦労しすぎると、本心から楽しんで喜ぶことができなくなる、という意味。
働くことは大事なことですが、何事にも限度があり、働き過ぎは良くない、ということですね。
働くこと自体はとても良いことです。
生きるためのお金を稼ぐことができますし、同僚や仕事先の人々と交流して知見を深めることもできます。
その仕事でしか経験できないことも数多くあることでしょう。
会社にいる先輩や同僚に刺激を受け、毎日夜遅くまで、ご自身やご家族のために一生懸命仕事に励んでいる方も多いかもしれません。
これは、家事や育児に専念されている方も同様です。
その証として、最近は「育休」ではなく、「育業」という呼び方に切り替わりつつあります。
これは、家事や育児が、会社で働くのと同じくらい大変で尊いお仕事であるという認識が広がってきたからです。
朝早くからご家族の食事を用意したり、お子さんの面倒をみながら家のあれこれを片付けたり。
パートナーの方が帰ってきたらお話を聞いてあげつつ、マルチタスクをこなしながら明日の準備などをされているかもしれません。
まさに家庭の精神的な大黒柱として、ご家族の笑顔のために人一倍活躍されているのだと思います。
会社でのお仕事も、ご家庭での家事や育児も、どちらもとても尊いお仕事ですが、それゆえに、ときには自分の体に鞭打って、ヘトヘトになりながら頑張っている方も多いのではないでしょうか。
ですが、ご自身の健康を損なってしまっては大変です。
私の場合もそうですが、一度心身を悪くすると、例えそのあと治ったとしても、ちょっとしたことでまた悪化しやすくなります。
ときどき自分の限界を超えて働くのは仕方のないことだと思いますが、その状態が長く続かないようにする工夫と周囲のサポートが重要です。
「なんだか最近疲れが取れないな……」という場合は、心身が限界を迎える前に、なんとかリフレッシュする時間を取っていただけたらと思います。
ご自身の人生やご家族の成長を心から楽しみ、喜ぶためにも、心身の健康を大事にしていきましょう。
憂勤は是れ美徳なるも、太だ苦しまば、則ち以て性に適い、情を怡ばしむる無し
（読み：ユウキンはコれビトクなるも、ハナハだクルしまば、スナワちモッてセイにカナい、ジョウをヨロコばしむるナし）
あれこれと検討して熱心に仕事に励むのは良いことであるが、自身の限度を超えて苦労しすぎると、本心から楽しんで喜ぶことができなくなる、という言葉をご紹介しました。
一生懸命に働くことで、ご自身やご家族を笑顔にし、さまざまな思い出や経験を得ることができますが、何事にも限度というものがあります。
一度健康を損なうと、そのあとの人生にも大きな影響が出てしまうものです。
心身の健康を大切にしつつ、前向きに働いていきたいですね。
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