ラグビーにパスは必要なのか

ラグビーにおいてパスは一番多く練習されるものだと思います。
しかし、パススキルは本当に必要なのでしょうか?

ゲームで必要なスキルとは

ラグビーのゲームをシンプルにして考えてみると結論としてパスは必要ないと言うことがわかります。

ゲームの流れを追いながら必要なスキルを精査しましょう。
キックオフ→ドロップキックは必要
それをとった選手がそのままキャリーしてトライ
コンバージョン
キックオフでリスタート
以下繰り返し。

究極の話をすると100mキャリーできる選手がいるならばパスは必要ありません。むしろ、パスをすることでミスが発生するリスクが上がるのでパスしないべきです。

スクラムやラインアウトも一度も起こらない可能性はあるので必要とは言えません。

上述のゲームの中で絶対に行わなければならない行為はキックオフだけです。
そして、点を取るためにキャリーすることは必要になるのでこのスキルも必要になります。

しかし、パスをせずともゲームは成立します。
つまり、本質的にパスは不要なのです。

なぜパスをするのか

本質的にパスが不要であるのに、なぜ試合中、練習中にパスをするのでしょうか?
それを理解するにあたってパスをすることによるメリットはなんなのかと言うことを考える必要があります。

パスをすることによるメリットは、自分よりもいい状況にいる選手にボールを渡すことができる。この一点に尽きると思います。

自分よりもいい状況にいる選手とは何をさすのか。
これを理解していないのであればパスはアタックの選択肢から除外されるべきです。

いい状況にいる選手とは:
1.誰にもDFされていない
2.目の前に大きなスペースがある
3.目の前のDFよりも圧倒的に優れている

です。

もちろん現代ラグビーにおいては次のフェイズでの優位性を生み出すためにパスをすることもよくあります。
ボールをBDを作りたい位置に運ぶため、SOがBDに巻き込まれないためなど理由は様々あります。
しかし、それらの行為も最終的には、いい状況にいる選手を作り出し、ボールをその選手に渡すために行われているものです。

結局のところパスをするのは必要だからではなく、その方が効率的だからなのです。
そう考えると、パススキルとは距離を投げることや、いい球筋で投げることではなく、いい選手にいいタイミングでボールを渡すことと定義づけられます。

このように、パスを練習するよりも、パスをする意味を理解することの方が先に来るべきであり、指導者はこれを選手に理解させることが何よりも重要であると感じます。

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