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4日間で自由研究を完成させるための手順書

夏休みの終わりが見えてきたのに、宿題は一向に終わらない。今日から毎日、朝から晩までやったら終わりそうだけど、つらすぎる。なお、自由研究にかけられる時間は4日しかない模様……。
これが、わたしの仕事場の子ども(中学生)の現状である。

わたしは7月中にドリル系はぜんぶ終わらせて、8月にゆったりと大物(絵画とか自由研究とか読書感想文とか)に取り組むタイプだったから、夏休み残り1週間ちょっとで何一つ完了していないという状況がにわかには信じられない。が、ワタシはワタシ、人は人。この現実を受け入れなくてはいけない。

とりあえず明日の夜にみっちり2時間作文をやる約束をしたので、一つは片づきそうだ。だがしかし、その先にはノープランの自由研究が待ち受けている。
つきっきりで全部見てあげられるなら喜んでそうするのだけれど、子どもはこの子一人だけじゃないし、勤務の都合もある。

さあどうしようかと考えて、思いついたのだ。
4日間で自由研究を完成させるための手順書を作ろうと。

少し前の記事で、わたしはどうやら進捗管理が得意らしいことに気がついた。

じゃあそれを、使ってみようというわけだ。
得意なことで仕事に貢献できるなら、ワタシもアナタもみんなハッピーじゃないか。

進捗管理のカナメは計画である。それはつまり、何をどのように進めるのか、一つひとつのタスクを一度にやり切れる量で区切って、ペース配分をして、あとはやるだけ。計画の修正とかモチベーション管理とかももちろんあるけれど、その辺りは当日対応する同僚に任せるとして、その場にいなくてもできることをしておこう。

自由研究を完成させるために必要なことは?

ゴールは自由研究という宿題を仕上げること(ここではあくまでも宿題を終わらせることを主眼とするので、探究的な面白さは問わない。楽しむ余裕がないから今日まで着手できなかったのだ)。だから、大事なのは逆算だ。

〈自由研究のまとめ方の基本〉
きっかけ
   ↓
実験や調査の方法
   ↓
結果の予想
   ↓
実験でわかったこと
   ↓
実験の感想・まとめ

【保護者の皆さまへ】自由研究って何をすればいいの?

自由研究の完成に必要なのはそのまま、
 ①きっかけ
 ②実験や調査の方法
 ③結果の予想
 ④実験でわかったこと
 ⑤実験の感想、まとめ
ということになる。

①きっかけ:何を、なぜ知りたいのか?

ノープランと言えども超絶漠然ととしたテーマはあるらしく、曰く「動物について調べたい」だそうだ。……デカすぎる。
しかし、まあいい。
動物の何をどう調べたいのよ??と聞いても「うーん???」という感じなので、ここは切り口を変えてみよう。

「なんで?」を掘り下げる。
なんで動物なの? 元素じゃだめなの?
だって動物が好きなんだもん、元素ってよくわからないもん、という答えが返ってくるかもしれない。
じゃあさらに、なんで動物が好きなの? どの動物が好きなの?
動物のことはどんなことを知ってるの?
逆に知らないことってなんだろう?
特定の動物の名前が挙がったならば、また「なんで?」の出番だ。
個人的なエピソードとか、その動物への思い入れとかが出てきたらしめたもの。それを「きっかけ」に書けばいいのだ。

なぜ、を突き詰めていくうちに、なに、も姿を現してくる。
なぜ、に合致しない内容は排除して、なに、を磨いていく。

②実験や調査の方法:どのように調べるのか

なにを調べたいのかが明らかになったら、その方法を考える。
「ネットでちょちょっと調べる」のような回答が予想されるので、それをもう少し掘り下げてみよう。
どんなキーワードで調べてみる?

ネット以外にはどんな方法がある?
たとえば図書館の本を借りるとしたら。あなたが持っているたくさんの動物に関する本の中にもヒントがあるかもしれない。
生息地を調べるなら地図があったほうがいいし、基本データを比較するということなら図鑑に当たったほうがいい。食肉としての動物を調べるならレシピ本を見てもいいかもしれないし、写真の資料がほしいなら写真集という手もある。

③結果の予想:仮説を立てる

自由研究をただの調べ学習ではなく「研究」たらしめるのは、仮説だろう。ここがしっかり書けていれば、それだけでグッとそれっぽくなる(今大事なのは、仕上がりがそれっぽいかどうかなのだ)。

これから実際に調べてみるのは、いわば答え合わせである。
答えを見る前に、まずは自力で解いてみなくちゃいけない。答えは何になると思う?
なぜそう思うの?
ここが頭の使いどころだ。

④実験でわかったこと

②で考えた方法で、実際に調べてみよう。調べてわかったことを、まずは箇条書きで書いてみよう。
調べながら、もっと違う方法が思いついたならそれをやってもいい。
②で予定していた方法ができなかったなら、それでもいい。
なんせ4日しかないのだ。4日でできるだけのことをやればいい。できなかったら、できなかった理由をきちんと書いておけばいい(時間が足りなかった、も立派な理由だ)。

箇条書きができたら、③で立てた仮説と照らし合わせてわかりやすくまとめよう。仮説は当たっていたか。仮説が間違っていたとしても問題はない。なぜ外れたのかが明らかにできればよいのだ。

⑤実験の感想、まとめ

4日間で自由研究を片づけた感想、あるいは反省を書きましょう。一つ言えるのは、夏休みの宿題は計画的に……。


▼こちらが、以上をもとにワークシート形式にまとめたものです。
日本中の自由研究が終わっていない小中学生とその保護者のみなさま、お役立てください。


追記:
書くのをすっかり失念していたけれど、参考文献の記載もお忘れなく。

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