2021-22 欧州リーグ考察 #7 〜UCLグループG編〜
みなさん、こんにちは
コチャTVです。
欧州リーグの考察を行なっていこうと思います。
今夏の移籍市場ではリオネルメッシやセルヒオラモスといった世界的にも有名な選手の移籍が相次ぎ、欧州サッカー市場のみならず世界的にも衝撃を与えました。
この移籍市場を経て、欧州サッカーの戦力図には大きな変化が加わりました。
今回は、UEFAチャンピオンズリーグに出場する全32チームの移籍市場を見ていこうと思います。
今回の記事では、グループGを見ていきたいと思います。
なお、市場価格などはtransfermarktを参考にしました。
UEFAチャンピオンズリーグ2021-22のグループ分け
(Goal.comより引用)
この画像はUCL2021-22のグループ分けです。
グループG
グループGは以下の4チームです。
リール(フランス/リーグ・アン1位)
セビージャ(スペイン/ラ・リーガ4位)
ザルツブルク(オーストリア/ブンデスリーガ1位)
ヴォルフスブルク(ドイツ/ブンデスリーガ4位)
①リール
リールです。
昨シーズンは、フランスのリーグアンでPSGやマルセイユ、リヨンなどの強豪を抑えて10年ぶりの優勝をしました。
純粋な戦力値では、PSGが頭一つ抜けているリーグでの優勝は価値があるものだと思います。
しかし、優勝するということは欧州のビッグクラブから注目を浴びるということでもあります。
実際に、今夏の移籍市場では守護神のメニャン選手がイタリアの強豪、ACミランへ移籍しました。他にも、中盤の軸であったブバカリ・スマレ選手やルイス・アラウホ選手が移籍をしてしまいました。
守護神メニャンの移籍により、リールに所属するGKは様変わりをしてしまいました。現時点では、アトレティコから期限付き移籍で加入しているイヴォ・グルビッチ選手が定位置を獲得していますが、メニャン選手と比較するとやはり若干力が落ちてしまいます。
また、2人が抜けた中盤に関しても新戦力が定位置を確保した状況とはいえず、パフォーマンスの低下が否めません。
しかし、チームにとって1番痛いのは監督交代だと思います。2017-18シーズン途中からチームを率いていたクリストフ・ガルディエ監督が、本人の意向により退任しました。彼は、現在、フランスのニースで監督をしています。
後任には、ジョスリン・クヴェベネック監督が就任しました。彼は、2019年5月までフランスのEAギャンガンを率いていましたが、2年間監督はしていませんでした。
彼が就任した今年のリールは1試合平均勝ち点が1.13となっています。これは、残留争いに巻き込まれる可能性もある低水準です。
今後、巻き返せるか注目です。
今年のリールが、フランスリーグでの連覇やUCLでの躍進を求めるのは難しいと思います。
ビッグクラブではない以上、国内ではある程度の成績を維持した上で、主力選手がステップアップしていくという構造は維持していきそうです。今季は、抜けてしまった主力の穴を埋めることや新たなチームの基盤を作ることを重視した方がいいでしょう。
②セビージャ
セビージャです。
セビージャは主力の放出がない移籍市場を過ごすことができました。トッテナムに2500万€で移籍したU24スペイン代表のブライアン・ヒル選手は昨シーズンエイバルに期限付き移籍していたので主力の放出とはいえないと思います。
主力の移籍という面では、守備の要のクンデ選手には移籍の噂が多くありました。多くのビッグクラブが獲得を目指した中、イングランドのチェルシーが具体的なオファーを提示したそうですが、セビージャと金銭面で合意できなかったようです。
クンデ選手自身はステップアップ移籍したかったようですが、残留が決まった以上セビージャに貢献して、来夏こそは移籍して欲しいと思います。
また、クンデ選手はフランス代表にも定着していますが、バラン選手やラングレ選手の他にもキンペンペ選手、ウパメカノ選手、コナテ選手という超強力なタレントがいるフランス代表のCBでも主力に定着して欲しいと思います。
獲得に目を向けると、ラファミル選手を獲得できたのは大きいと思います。去年は、ウルブスからSDウエスカに期限付き移籍をして岡崎慎司選手とチームメイトとしてプレーしました。
ウエスカに移籍した際は、「超有名選手」ではなかった彼ですが、昇格組のウルブスで38試合出場13ゴールという孤軍奮闘の活躍をして、一躍有名になりました。
そんな彼も、U24スペイン代表として東京オリンピックにも参戦していました。
モロッコ代表のユセフ・エン=ネシリという得点源がありますが、ラファミルという強力なバックアップを確保できたことで明らかに層は厚くなりました。
セビージャにはかつて清武弘嗣選手が所属していました。
なかなか起用されず、半年間での退団となってしまいましたが、ハノーファーで圧倒的なパフォーマンスを魅せていた選手でも活躍できないというところに、セビージャのレベルの高さが伺えます。
そんなセビージャを率いるのはロペテギ監督です。
ロペテギ監督はスペイン代表を率いていた経験がありますが、在任期間中にレアル・マドリードの監督就任が発表され、解任されてしまった経験があります。
そのような中、就任したレアル・マドリードでは14試合で指揮をとって1試合平均1.41の勝ち点ということで3ヶ月で解任されてしまいました。
その後、約1年間のブランクを経て、2019-20シーズンからセビージャの監督に就任し、安定した成績を残しています。
セビージャにとっての目標はリーガでのUCL出場権獲得、UCLでの上位進出になるでしょう。
バルセロナが弱体化しているリーガでは、昨シーズンの4位を超える順位が期待されますし、実現可能だと思います。
一方、UCLでは「超強豪」がいないグループに入ったので、セビージャのサッカーをみせることができれば、ノックアウトステージ進出は可能でしょう。その上で、組み合わせにもよりますがどこまで上位に進めるかということがポイントになると思います。
③ザルツブルク
ザルツブルクです。
ザルツブルクはオーストリア・ブンデスリーガで4連覇中、ここ10年で8回の優勝を誇るオーストリアの名門クラブです。名門クラブがゆえ、欧州のコンペティションにも継続的に参戦しています。
欧州のコンペティションでビッグクラブと対戦した際に印象的なパフォーマンスを魅せた主力選手が引き抜かれる傾向が強いチームです。
実際に、今夏の移籍市場でもダカ選手がレスターへ、ムウェプ選手がブライトンへとステップアップ移籍しました。
過去には、ノルウェー代表のハーランド選手がドルトムントへ、韓国代表のファン・ヒチャン選手がライプツィヒに移籍しました。
他にも、リヴァプールのナビ・ケイタ選手やサディオ・マネ選手もザルツブルクの出身選手です。(マネ選手は一度サウサンプトンへ移籍)
日本人に目を向けると南野拓実選手がリヴァプールへ、奥川雅也選手がビーレフェルトへと移籍しています。
このように、欧州4大リーグへのステップアップ移籍が多いのが特徴です。また、「育成型クラブ」として選手は安く獲得し高く売るのが好循環につながるため、比較的移籍金や評価の低いアジアやアフリカの選手が多い傾向になっています。
実際に、ダカ選手はハーランド選手の後釜と目されていた選手ですが、ハーランド選手から遅れること半年でステップアップしました。
このように、選手の循環が激しいため、選手の成長スピードが速いことも特徴の一つです。
つまり、ザルツブルクにとってUCLでの上位進出はもちろん大事ではあるのですが、選手にとってUCLなどのヨーロッパの舞台は「展示会」とも言える意味を持っています。
では、次にブレイクする選手は誰でしょうか?
2人の選手をあげたいと思います。
ドイツ代表のアデイェミ選手とアメリカ代表のアーロンソン選手です。
まず、初めにアデイェミ選手です。
EURO後のカタールW杯予選を戦うハンジフリック政権下のドイツ代表に初招集されました。
幼い頃はバイエルンミュンヘンの育成組織に所属していましたが、私生活などでの態度の悪さから退団したそうです。その後、ザルツブルクでブレイクし、代表にも初招集されるまでになりました。
実際に、リヴァプールやバルセロナが関心を寄せているという報道もありました。個人的には、フィルミーノ選手の後釜になりうる存在だと思うので注目しています。
次に、アーロンソン選手です。
アーロンソン選手は2021年の1月にアメリカのフィラデルフィアからザルツブルクへ移籍しました。彼は、2020年の2月2日のコスタリカ戦で弱冠19歳でありながら代表デビューをしている逸材です。
そんな彼ですが、MLS時代にドイツ1部のボルシアMGが獲得を考えたことがある選手で、ザルツブルクに長く留まることはないと思います。
早ければ半年後、遅くても数年後には欧州トップレベルのリーグに移籍していると思いますし、移籍金もかなり高騰すると思います。
このような若手選手を早くから注目していると古参アピールできますよ笑
今シーズンのザルツブルクにとって、UCLの優先順位はそこまで高くないでしょう。レッドブルグループの中でもっとも上位進出が期待できるのはドイツのライプツィヒです。
しかし、33歳の若手監督マティアス・ヤイスレ監督が就任したまさに「若いチーム」がどれだけ躍進できるかは注目ですね!
④ヴォルフスブルク
ヴォルフスブルクです。
ヴォルフスブルクは2008-09シーズンにブンデスリーガを制していますが、ブンデスリーガのタイトルというふうに考えるとこの1回のみです。
優勝翌年の2009-10シーズンには8位となり、欧州のコンペティションにすら出場できない状況でした。
その後、2010-11シーズンには15位となり、ぎりぎり残留となります。その後、チームは上昇傾向を見せますが、2016-17、2017-18シーズンには2年連続16位となってしまい、プレーオフを制してなんとか1部の舞台に留まっているような状況です。
その後、グラスナー監督が就任するとチームは改善の傾向を見せ、2019-20シーズンには7位、2020-21シーズンには4位となり、チームに2014-15シーズン以来のUCL出場権をもたらします。
しかし、ブンデスリーガの監督玉突き人事によってグラスナー監督は2021-22シーズンからフランクフルトの指揮官に就任してしまいました。
グラスナー監督は「ラングニック派」とも言われ、レッドブルグループの指揮官でもありますが、ザルツブルクのコーチやFCリーフェリングの監督をした後は、オーストリアのLASKリンツ(現在、中村敬人所属)などで指揮官としての経験を積んだのち、ヴォルフスブルクの監督に就任しました。
そんな、グラスナー監督の後任として就任したのがファン・ボメル監督です。2017-18シーズンから2019-20シーズンの途中までオランダのアイントホーフェンを率いていたオランダ人監督です。
シーズン開幕前は、グラスナー監督より力が劣るということで厳しい声も目立ちましたが、蓋を開けてみるとブンデスリーガ唯一の開幕3連勝など絶好調を維持しています。
主力の放出がなく選手は継続路線ということがいい結果にもつながっているのかもしれませんね。
そんなヴォルフスブルクですが、一番の目標はブンデスリーガでの上位進出でしょう。以前優勝した後のように、暗黒期を過ごすのは嫌なはずで、そのためにもドイツ国内での上位のポジションを安定して確保することが大事なっていきます。
UCLではポッド4からの参戦となりますが、超強豪がいないグループ故、突破の可能性も大いにあるので期待したいところです。
まとめ
今回は、UCL2021-22のうち、グループGに関してみていきました。
グループGは確実に突破するという超強豪がいないグループであることが特徴です。しかも、若手主体のチームが多いので、このグループで活躍したニューヒーローは今後ビッグクラブへのステップアップ筆頭候補であると言えるでしょう。
若手発掘の意味も込めて観戦してみてはいかがでしょうか。
最後に
今回は、記事を見つけていただきありがとうございます。
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