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晴る

冷たくてやわらかい肌触り

昨日の色も足音も消えて

白く白く淡い景色が

静かに街に忍び込んでいた

鼻からにおいもない

眼から厚みも見えない

これから凛としたものに

出会う前のひとときのように


揺れることを

忘れずにいた木の枝が

小さな呼吸をしていた白みし頃

水の中にからだを預けたように

じわじわと湿る髪や手が

行くも戻るも漂うように

流れては開いてゆく

だからきょうはきっと冬日和



*****



真白に包まれた街並み、家並み、木々。
今朝はこちら、濃霧に覆われました。
墨絵のような景色にほおぉとなりました。
霧が晴れると冴えゝとした晴天が広がりました。

少しそわそわし始めたこゝろ。
わたしにできる小さなことは
一番大きなことになるかもしれないな、
晴るるこゝろが見えた気がしました。
濃ゆく深い霧の朝に。


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