#5 古藤田博澄の【伊豆むあん】|幸せな人間関係を築くために(5話 俺は所長様だぞ!!)
A氏は、上司である所長をいつも苦々しく思っていた。社員に対して甘すぎる、優しすぎる・・・この所はゆるゆるだ。
自分がやったらもっとしっかりした組織を作れるはず。間違いなく自分は、彼より能力は上だと。
春先の人事移動で所長が本店に栄転!?
彼が、出世するのは気に入らないが、そのおかげで自分も営業所長に!
よしこれからは俺の時代だ。
「みんなこれからは、びしびし厳しくいくから、覚悟してくれ」
初のあいさつ。気合十分!
Bは、どうも気に入らない。営業成績は、そこそこなんだけど、ちゃんと報告しないし、自分の言うことを聞かない。直行・直帰も多い。こういう者を許しては、他にしめしがつかん、がつんとやらなければ。
ある日の朝、10時に出社してきたBに、
「B君、今日はどうした。遅刻か、それても直行か?」
「・・・」
「なぜ、事前に連絡をしないんだ」
所員の面前で怒鳴った。
「これから気をつけま~す」
Bの態度にむかついた・・・
顧客との決済の件で、自分を越えて、本部と話をして決めたB。
また、所員の面前で怒鳴った。
他の職員は、怒鳴り散らす声に恐怖感を抱くようになっていった。
今度は、自分がターゲットになるんじゃないか・・・所長の目をみんなが気にするようになった。
相変わらず、所長は、自分が何もかも知らないと気がすまない。自分の言うことを聞かないと、怒鳴り、なじり罵倒する。を繰り返していた。
「仕事中は、歯を見せるな」」「仕事中は、お菓子を食べるな」
所内の雰囲気は、一見整然として、全員が仕事に集中しているように映るけど・・・
所の営業成績が落ちた。ミスが連発した。
前の所長のときより厳しくきっちりやっているのどうして?
所長は、みんな意見を聞いた。
誰も、下を向いてまともな意見が出ない。
「今まで以上にアポ電話をかけろ、訪問数を増やせ!」
まったく、どうしようもない部下たちだ。デフレも悪い。国は何をしているんだ。
自分以外は、みんな敵じゃ~信用できるのは、己のみ!
ダメな奴は、みんなやめてしまえ!
自分の言うことを聞かないと、怒鳴り、なじり罵倒する。がさらにひどくなる。
突然、本店から、人事部長が来て、面談となる。どうやら自分は、左遷されるらしい・・・
前の、所長のときの営業成績は、そこそこだった。あんなゆるゆるの組織だったのに。
今でもわからない。自分の何が悪かったのか。
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