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教員実習で出会った、忘れられない生徒

教員免許を取得するには、教育実習が必要になる。
私は高等教諭I種状免許を有しているが、基本的に実習地は自分の母校である高校で行う人が多い。しかし私は高校にあまり良い思い入れがなかった為、中学校を希望した。そこで割り振られた実習先のクラスが、見事に学級崩壊していたクラスであった。
一人の荒れた中学二年生の男子によって、担任教諭は精神をやられてしまい、通院しながら何とか担任を継続している状態だった。そんな担任から開口一番聞かされた言葉は、「教員なんてなるもんじゃないわよ」であり、希望を持って実習に来た私に現実を突きつける毎日であった。
私に課された毎日のクラスでの任務は、校門での挨拶活動、毎朝の出席確認点呼、帰りの会、日誌、テストの採点、宿題チェック、部活参加、生徒たちが毎日提出する毎日ノートに書かれている日記へのコメントを書き込むこと、であった。そして道徳の授業や担当科目はは公開授業として行う必要があった。それだけでもかなりの時間を要し、毎日が慌ただしく過ぎていった。
そしてこの間、私は前述した少年とのコミュニケーションをその日記の中で展開することとなった。

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