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理解不能な我が子だから、見えていない世界を与えてもらえる幸せ

新緑山々美しく
桜もたわわに
桜に群がる大中小の蜂たちは
蜜を求めて飛び交って
人たちは密になりようがない
山集落

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満開の桜の木の下で


若手が60代と聞いたのは10年前になる超高齢化の山集落へ。

馴染みの知人の家の前に
大木には程遠い、樹齢若い桜の木。

もう帰ろうと、車に乗るタイミングに、
ふらりと長男が桜の木に近寄り、
じっーと、じっーーーーーと、
見つめている。

「好きな枝、持っていけー」と、
知人に勧められたので
私は私で、桜の木に近づいて
簡単に手が届き、
花ぶりのいい枝を1本、2本と
折って切る。

その間も、
じっーと、じっーーーと何かを見ている?
長男の目線に合わせて
じっーーーと桜を見てみると、

視える視える!

ずっと大きな羽音は聞こえていた
黒くて大きな熊蜂。
他にも名前の知らない
中位の大きさの蜂と小さな蜂。

桜の花に頭を突っ込み、
あっちにこっちに花々を行き交っている。

蜂は蜜に夢中だから、
すぐそばで観ている私達に近ずくことなく、
よくまぁ、お互いぶつからないのが不思議なくらいの数の多さと動きの速さ。

長男の見える世界

彼が幼い時から、
彼の寡黙な行動によって、
私には見えていない世界があることを知らされ、見ることができてきた。

最近は、一緒に行動すること、出かけること、
なかなか無いから、
忘れていたけれども、

そうだった。彼の持っているこれ。
これも、彼のよいところで、
才能なんだよね。

思い出して、気がついた。

2歳の時、
ブロック塀の上にいたカマキリに優しく触れていたこと。

水の溜まった石甕にあるカエルをみつけ、
小枝で救い出そうとしたこと。

舗装道路をあるきたがらず、
土や草の上を求めて歩き
葉っぱに土に虫にゴミに、
関心とめどなく、
終わりが見えないお散歩してたこと。

子どもの目線、子どもの視点は、
私に見えない世界を
これでもかって、
伝えてくれる。

私が彼が見ているそこに気づけた時、
一緒に見ることができた時、
きっと、私にわかってもらえた喜びは
幸せの感性となって
積み重なっていくんだろうな。 

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長男らしさの光と影


感情や気持ちを言葉にすることが難しい。
 広範性発達障害
 自閉症スペクトラム
の診断をもらっている。

人と比べたら、
できないこと、困りごと、
難しいこと、考えられないこと、
軽く沢山列記できる。

一方で、彼らしさ輝くところも沢山!

その輝く彼らしさのおかげで、
私は私の体験しない、
私には有り得ない沢山の世界を
知ることができている。

私が子育てしてあげているのではなく、
私が子どもに育ててもらっている

5年前までは、頭で理解していても行動伴わず。
彼の『らしさ』を影にして
随分とひどい対応してきた私だけど、
今は、素直にそう感じられる。

顔はそっくりだけど、
私とは違うことだらけの長男。


いつもありがとう。
これからもありがとう。





サポートいただけたら嬉しいです。今は自立が難しい長男のアート作品を使ったグッズ制作販売やそのためのスキル取得など、彼と共に生きる術に活用します。