インターンはるき 2022.09.11
国立のみんなへ
こんにちは
インターン卒業生はるきです。
みなさまお元気ですか?
私は元気じゃありません。
国立を離れてはや二日、国立ロスという病気にかかりました。
今日は昼から本と羊でインターン卒業生のさくらちゃんとラジオ収録をし、福岡市の本屋を3件ほど巡って、今は温泉に向かっています。
充実した一日、だと思います。
でも心はどこかに飛んでいってしまったようです。
全然帰って来そうにありません。
きっと国立のみんなも私がいなくなって、大変寂しいことでしょう。なんてことを言うとまた間瀬さんに「何言ってんだ」と呆れられるのでやめておきます。
今日は楽しかった国立の思い出に浸りながら、みんなにお手紙を書くことにします。
『温浴施設と本屋を掛け合わせた施設をつくりたい』
国立に来る前、小鳥書房にインターンすることが決まったばかりの頃、私はこのインターンで絶対に爪痕を残す、自分が納得する成果を持って帰ると決めました。なぜなら私は弱いからです。私は今まで私にしか分からないところで、みんなに見つからないように、たくさん挫折し逃げて楽をしてきました。今まで、私のことを「凄いね」とか「行動力あるね」と褒めてくれる人はたくさんいたけど、その度に「そんなことない、隠しとるだけよ」と心の中で何度も言ってきました。
自分を変えたい。
どうやったら自分も納得する成果が残せるやろう。
小鳥書房にインターンが決まったとき、就活前に自分を変える最後のチャンスだと思いました。だから、自分が納得するくらいたくさん行動して、成果を残して、国立のみんなにも私のことを覚えてもらって、自信をつけて福岡に帰ろうと決めました。しかしそれは同時に、夢と向き合い自ら逃げられない状態を自分に課すことでした。今まで散々逃げてきた自分にそんなことが出来るのか、本当に不安でいっぱいでした。
だけど、多分、今やらないともう変われんやろうなとそう覚悟を決めて8月24日、私は東京に降り立ちました。
早朝の飛行機にも関わらず、前日はそわそわして全然寝れなくて、そのそわそわを抱えたまま小鳥書房に到着しました。しかし、小鳥書房の扉には鍵がかかっていて、人の気配は全くありません。「え、時間間違った?」と思ったのも束の間、「ごめんね〜」と焦る様子のない店主かよさんがやって来ました。今思えば、その緩さに「あ、堅苦しくしなくていいんだ」と思ったことが、みんなと仲良くなれたきっかけだったと思います。
小鳥書房、コトナハウス、玉ちゃんの家、ネオおばあちゃん家、さすらい人、小川さん家、コバキュー、きょうや食堂、鳥たけ、書簡集。他にもいっぱい。
たくさん人に出会い、たくさん話をしました。
この街のすごいところは、人の話がたとえ自分と関係なかったとしても、みんなすごく興味を持ってくれるところです。今まで、初対面の人から「君はどんな人?」と聞かれる経験が少なかった私は、自分に興味を示してくれる人が大勢いることにとても驚きました。
先にも書いたように、谷保には「家」とつくお店がとても多い。それは街全体がお互いを気にかけて、こうして興味を持ってくれる人達で溢れていることの表れなのだろうと思いました。そんな街に私は初日から恋をし、気づくとみんなに将来の夢を話していました。あんなに不安だった気持ちは、いつしか希望に変わり、自信がついて「私がやらないと誰がするんだ」と思えるまでになりました。
だけど、そんなインターンも楽しいことだけじゃなくて、まだまだだと痛感することもありました。それは、本と羊の神田さんとかよさんの3人での対談でした。なにか新しいことに挑戦したかった私は、かよさんにお話してzoomで神田さんとお話をするという企画を立てました。しかし、いざやってみると進行役は思った以上に難しく、聞きたいことを上手く聞き出せなかったり話を上手く振れなかったりして、自分の無力さと至らなさに終わったあとは思わず涙がでてしまいました。
しかし、そんな私にかよさんは「この後お茶しない?」と声をかけてくれて、その日は気が済むまで二人でお話をしました。かよさん、きっと慰めてくれてるんだろうなと、その気持ちが嬉しくて暖かくてこの時間がずっと続けばいいのにと思いました。
そんなたくさんの体験を経て、私は今福岡にいます。
「爪痕は残せたか?」と聞かれると自信を持って「はい」と答えます。でも、この爪痕は私だけで残したものではなくて、私の周りにいてくれたかよさん、雄一さん、柳沼さんやインターンのことねちゃん、のどかちゃん、同室のはるなさん、それに間瀬さんを筆頭にした街のみんなが私に力をくれたから残せた爪痕です。
誰にも見つからないように心の奥底にしまった不安な気持ちはいつの間にかなくなっていて、私はたくさんの応援と暖かい気持ちを両手に抱えて福岡に戻ってきました。
大好きな国立のみんなへ。
みんなに逢えたから変わることができた。
みんながいたから楽しかった。
みんなのおかげでこれから先、前に進めそうです。
またいつか、大好きなみんなの元へ福岡からひと風吹かせにやってこようと思います。
それまで少しの間、さようなら。
ありがとう。
松村春希
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