2022年9月の月報/ゆういち
いくつかの台風が過ぎ去っても小鳥書房の売上ノートにはなかなか0が増えず、夏が終わる寂しさとともに気分が沈みがちだった9月。それでも、ありがたいことに毎日少なからずお客さんが来てくださり、インターンの子たちも加わり、楽しくおしゃべりして過ごさせてもらいました。
羽ばたく!
ことねちゃん、はるきちゃん、のどかちゃん、あかねちゃん、ももこちゃん、まなむちゃん。それぞれが夢を持って、インターン生として小鳥書房にちょこんと腰掛け、1〜2週間でまた羽ばたいていきました。「また谷保に戻ってくるけん!」。話を聞く度に、彼女たちを応援しよう、と思います。
▲閉店後の雑談「本屋夜話#09」では、インターンのことねちゃんとはるきちゃんがお話してくれました。
なんと、お客さんからインターンの子へ、本のプレゼントをしてくれる場面もありました。手渡された本は、面陳していた真木悠介の『気流の鳴る音』。偶然の出会いが大切なものになる瞬間…。これ以上素敵な場面はなかなかないです(Nさん、ありがとうございます!)。
カウンターに立つ
数ヶ月続けてきた"閉店後のおしゃべり"「本屋夜話」も気づけばもう10回目。店主おちあいと書肆 海と夕焼 店主柳沼さんが話し、後日データを受け取ってアップ作業。聞いていると、柳沼さんが本屋を始めることで自分を"取り戻していった"ことが伝わってきて、少しじんわり。
▲「本屋夜話#10」9月前半を小鳥書房店主おちあいと書肆 海と夕焼柳沼さんが振り返り。棚がやってきた!
カウンターに立っていいるとうれしいことがしばしば起こります。毎日アイスを買ってくれるお兄さんがついに本も買ってくれたり、本の感想を共有してくれたり。本屋Bar良夜(あたらよ)で、初めてお話しするお客さんたちがとても楽しそうにしていたり。たなかみさきさんの作品がとっても素敵だったり。そうしたことがある度にちょっとづつ元気になりました。
そんな折(たしか中旬頃)、書肆 海と夕焼で「作家たちの古本屋」を展開している小説家の太田靖久さんが棚の入れ替えにふらっと来てくれたことがありました。世間話の延長で太田さんの今後の本屋企画をお聞きすると、抜群に面白い。そしてこれまでの売上実績がとんでもない数字…! 少しナイーブになっていたけど、太田さんの面白さを前に、うじうじしている場合ではない、と思い直しました。
帰保、そして秋
犬の看板にも元気をもらって持ち直してきた頃、全国を旅して飛び回っていたおちあいさんが谷保に帰ってきました。
「ただいまー」「おかえりー」。
久しぶりに閉店後に2人で雑談。充実した旅だったようで何より。気づけば夜更け。
静まったダイヤ街の住人に気を遣いながらドアをゆっくり閉める。そして翌日またドアを開ける。お客さんと出会った本は、時間を越えて、旅をする。
今はまだ売上が少なくとも、良い縁を手放さず、やるべきことをやりながら、じっと待つ。HIPHOPユニットThaBlueHerbのMC BOSSとO.N.Oに自分たちをちゃっかり重ね合わせ、谷保をママチャリで駆け抜けると、気持ち良い風が肌を滑る。
ダイヤ街のアーケードには紅葉が飾られ、ようやく、すっかり秋になりました。
***
10月はイベントが続き、忙しくなりそうですね。デザイナーとして関わらせてもらった田中さとみさんの詩集『Hector』がついに発売(とても挑戦的な詩などのテクストが100pにギュッと詰まっています)。そして、連夜の本屋BAR「良夜(あたらよ)」が開催されます。回を重ねるごとに、ゲストや本を介してお客さん同士が出合う、大切にしたい場です🌙
ちいさな出版社、本屋、Barとしてひらくふしぎなこの場での多くの出会いに感謝を込めて。来月も皆さんにとっても良い月でありますように。
(ゆういち)
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