見出し画像

21日目:お肉が大好きなのに革製品は買いたくない私の話。

ずっと変えたい変えたいと思っていた財布を、ようやく誕生日に変える踏ん切りがついた今夜のこと。

おっ好みの形。
ちっちゃくて小銭入れががばっと開いてカードもそれなりに入って飾りボタンはついてなくてシックで幾つになっても似合いそうな形のもの。
一目で気に入った。色もいい。
店側のおすすめポイントやカラフルな色の種類をスクロールしながら丁寧な説明にも好印象を抱いていたとき、ある言葉が目に入ってきた。

”カサブタ”

その言葉は、革の柄の説明のページにあった。
『本革製のため、生前にできた傷や跡がある場合がございます。』
『本革特有の個性としてお楽しみください。』

あ、生き物だったんだ…。

そう思ったらもうダメだった。
どんなに可愛くても、形が好みでも、値段が手頃でも、もう持てない。
きっと毎日のように”生き物だったもの”だと思いながら持つことになってしまう。
それは相当なストレスになるのは容易だった。

5年以上前、職場の子どもたちと鶏を捌く体験に行ったことがある。
そのときは時間の都合で殺すところも血抜きするところも終わっていて七面鳥の丸焼き状態からの解体だったけど、経験として心に残るには十分だった。
そのときから私は時々、人間が家畜を食べる姿と、進撃の巨人が人間を食べる姿とを重ねてぞっとするようになった。

だけどそういいながら、私の冷凍庫にはふるさと納税で頼んだ飛騨牛の切り落としがカチカチに凍らされている。
豚肉もだいすきだし、鶏のレバーもだいすき。
お肉を食べることはやめられない。
私の元気のためにやめられない。

白黒つけられない中途半端な優しさ。動物愛護。都合のいいサステナビリティ。
全部人間の勝手で、私の勝手。
せめて味わって、美味しい〜!と思って食べたい。
そして財布はパイナップルレザーかサボテンレザーを買おう。
それも全部私のエゴだけど。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?