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受け継がれる好み、言葉。


災害級の暑さの日に、映画を見た帰り道。
一度食べてみたいなと思っていた洋菓子を見に行った。


色々な種類を買いたかったのだけど、
(特にクッキー缶が好みすぎる!)
なんとこの日、軍資金を入れた財布を忘れるという
サザエさんだった、私。

PASMO残金と緊急時用の千円札、帰りの電車賃を
引いたらいくらもない。

どうする、私!

どうにかこうにか、2つ購入して帰ってきた。

フルーツバー。晩柑ショコラとマスカットレーズン

1人でこっそり食べちゃおうかなぁ~
と思っていたけれども翌朝きちんと3等分し、
おめざとしてまずは、ちーちゃんへ提供。

私  「お味はいかが?」
ちー 「美味しいね!レーズンのが、好みだな!」

笑顔で食べ終え、その後登校していった。
そうかそうか、美味しかったならよし。

その後、目覚めた夫へも提供。

私  「お味、どう?」
夫  「美味しいね!レーズンのが、好みだな!」

えぇ!?
ちょっと待って!

今しゃべったのは夫なのに、そこにはちーちゃんが
いたかのような錯覚を覚えた。

なんたって、同じ顔の角度、表情、
そして同じ言葉。

同じ釜の飯を毎日一緒に食べて、
生活を共にした十数年の時間の結晶なのか!

びっくりしすぎて大笑いしていた私を、
怪訝そうに見つめる夫。

ごめん、ごめん。

こうやって、
好みとか言葉って無意識に受け継がれていくのだなぁ
と妙に納得した出来事。

ちなみに私は、レーズンより晩柑ショコラが
好みだったけどね。








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