手紙
手紙をもらうと、とても嬉しい。
泣きたくなるほど、嬉しい。
そんな、大げさな!と思われるかもしれない。
でも本当に嬉しくて時には泣いてしまう。
幼少の頃の小さな、でも私にとっては引きずってしまっている
悲しい体験がいまだに消化できていないからかもしれない。
幼稚園の頃。
クラスに先生が赤いポストを作った。
「お友達へお手紙を書いてポストに入れよう!」
という時間があった。
まだひらがなも覚えたてだったと思う。
私は誰あてに書いたかまでは記憶にないけど、とにかく書いた。
とてもウキウキしていた気持ちは覚えている。
そのウキウキは、
私が誰かに書いたように
きっと誰かも私に手紙を書いてくれて届く!
そう信じていたから。
赤いポストを開ける日がきた。
とてもワクワクした。
でも、私のもとへは誰からも届かなかった。
ワクワクが、ソワソワ、そして悲しさと恥ずかしさに変わった。
どうして私には届かないの?
どうして?どうして?
じっと体をこわばらせて、何ももっていない手を眺めていた記憶。
あの頃から、私は
変わった子だったかもしれない。
目立たない子、嫌われていた子、だったかも。
いや、どう思われているかなんて分からない子、だったな。
自分の見立てと、まわりの反応が違いすぎて
でもそのことに気が付かなくて、突っ走ってしまう。
それが表れていた、最初の嫌な記憶。
そして、確実に私の中に根付いてしまった体験。
いい加減、もう浄化しないとな。
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