映画「スターウォーズ6 ジェダイの帰還」感想

 エヴァンゲリオンが本邦の母子関係を暗に描いた傑作だとするならば、スター・ウォーズは米国の父子関係に焦点を当てた傑作である。

 そして旧トリロジー完結編の本作は、アジアの一小国を核兵器で半壊させ、中東の一小国を執拗な空爆で沈黙させつつあるかの大国が、原住民にならばその石弓に滅ぼされても構わないと願う、無意識の贖罪を暗示しているのだ。

 ルーカスは奇しくも彼らの建国に根ざすトラウマ、避けがたい原罪を白日の下に描きだしてしまった。これこそ、スター・ウォーズがかの国の存在する限り語り継がれていくだろう神話たる所以である。

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