私が話せなくなった訳。

私はある日突然話せなくなった。

たった一つの出来事で声を出すという当たり前のことができなくなった。

4年前の4月に。

4年前私は小学校5年生だった。
当時私のクラスの担任は女性でしたがとても気が強いというか昭和感が強くて(おそらく40代前半)
毎日のように声が小さいことを叱られていた。
そんな私は担任の先生に言われた一言で当たり前のことができなくなった。
その一言とは

どうして普通に話せないの!ちゃんと普通にしなさい。

だった。

普通とはなんなのかがわからなかった。
だって、私にとって話すことが苦手なのが普通なのだから。

教室に響き渡っている怒っている先生の声。
クラスメイトの視線をビンビン浴びて私は恥ずかしくて仕方がなかった。
クラスメイトも間に入れば巻き添えを食らうことを知っていたので誰1人止めに入ることはなかった。

どうして音読でここまで言われなきゃいけないの?

私の頭はずっとこう思っていた。
そう。この言葉を言われたのは国語の授業の音読だったのだ。
昔から音読がどうしても苦手で話そうと思えば思うほど声が出なかった。
自分でもなんでみんなのように話せないのかわからないことを叱られた上、普通という訳のわからないことを言われた私にとって辛い出来事だった。

たかが一言かもしれない。
でもそれは

されど一言なのだ。

言葉に出して言うことは簡単かもしれないが、言われた相手にとっては一生心の傷になってしまうかもしれないのだ。
もし、あの時この言葉を言われなかったら話せていたかもしれない。
学校でいつも思う。
普通という悪魔の言葉によって当たり前のことができなくなったのかもしれないと思うと、

私は普通という言葉が嫌いだ。









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