初めての出来事
先日、とっても嬉しい出来事が起こりました。
初めて、先生の支えなしで1人で歩くことができたんです!
私は今まで場面緘黙症の症状である緘動がかなり強くてまともに1人でなんて歩くことができませんでした。
いつもならちょっと歩いてもすぐ足が止まってしまい先生に背中を押される日々でしたが、初めて足が止まらずに、先生に背中を押されることもなく歩くことができました。
この奇跡が起きたのは卒業式練習の時だったんです。
卒業式は入退場と卒業証書授与の時歩かなければならなくて、多分というか絶対歩くことは無理だろうって先生たちは思い、最初の練習の時は車椅子での入場で証書も先生が取りにいきました。
それを私は目の前で見ていてすっごく悲しかったです。
固まらなければ動けるのに。
私だって歩きたいよ。って思いました。
悲しくて仕方なくてそのことを父に言ったら翌日担任の先生に言ってくれました。
千秋は卒業式は歩きたいって言ってます。
三年間いつも先生方のお願いに答えたから最後くらい千秋のお願いを答えてくれませんか?
と言ったらしいです。
その話を聞いた時担任の先生はわかりました。と言い電話を切ってしまいましたが、すぐに折り返しでかかってきて
明日の練習で動くことができたら車椅子での入場も教員が証書を受け取るのもなしにします。
と言われました。
この言葉は私にとってものすごいプレッシャーでした。
もし動けなかったらどうしようって考えたけど、絶対に動いてみせたいと思いました。
そして次の日の卒業式練習。
入場からやるから○○さんの後に歩いてきて。
と担任に言われました。
そして、音楽が流れ始め次々と入場して行きました。
ついに私の番になりました。
そこで決心がついたのかわからないけど、いつもなら脳から動くな。という指令が出るはずなのに、その日だけは動けという指令が出た気がしました。
すっごく不安でこれで動けなかったらどうしようと思ったけど、勇気を振り絞り足を一歩前に出してみました。
そしたら後ろ足もスッと出てきてよろよろっとだけど歩くことができたんです。
距離にしたらほんの20メートルだけど、その距離を歩き切ることは今までの私だったらできなかったことでしょう。
しかも先生の支えがなしで。
今までなら、重心がしっかりしていなくてちょっと立っているだけでもふらふらしていてすぐに転けてしまってました。だから先生が肩を支えないとまともに立てませんでした。
だからこそ自分一人で歩けたことは奇跡的な出来事だったんです。
まさか本当に歩けるなんて思っていなかったからすっごい嬉しかったです。
先生たちも本当にびっくりしていて、特に担任の先生に関しては目をまんまるにしていていたらしいです。
その日、帰る時に副担任の先生と担任の先生と一緒に昇降口まで行った時に
良く頑張った。びっくりして泣きそうだったよ。
っと言ってもらいました。
その言葉で私はもっと頑張りたいって思えました。