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退職が決まった途端に髪を伸ばし始めたおばちゃんの話

大木凡人との訣別

旦那の海外赴任が決まって、まっさきに始めたことがあります。

それは、語学の勉強でも、情報収集でもなく、
髪を伸ばすこと。

仕事に育児に家事、毎日時間に追われる生活をしていた私は、とにかく効率化と時短にこだわり、自分の髪を洗う時間さえ惜しかった。ショートは似合わないから、息子が生まれてからずっとボブスタイル。もともとお洒落に興味がない人間なので、服も適当。コンタクトレンズすら面倒でメガネ姿なもんだから、さながらアラフォーの大木凡人。

そんな私が、旦那の海外赴任が決まり、帯同と退職を決意してから、突然髪を伸ばし始めました。誰にも気づかれなかったけれど。。。

自分自身にベクトルを向ける練習

髪すら洗う余裕がない。
でも、そんな自分ってどうなの?

…と、実は内心ずっとモヤモヤしていました。確かに毎日充実しているけれど、子供>仕事>家族>自分と、常に自分は優先順位の最下位にいて、自分のためには1秒も時間を割けない。このまま、自分のことを大事にしない生活を続けると、いくら充実した日々でも歪みが生じるなと感じていました。年齢のせいもあるけれど、あちこち体調もすぐれない。帯同に伴う退職は、しばらく放置していた自分自身にベクトルを向ける絶好のチャンスだと感じました。

とはいえ、何から初めていいかまったくわからない。趣味もない。勉強もハードル高い。そこで思いついたのが、髪を伸ばしてみること

髪が長くて、ネイルも化粧もバッチリ、お洒落で素敵なママさんたち。いったいどうやって自分にかける時間を作っているのだろう、今の生活のどの時間を切り詰めたらその長い髪を乾かす時間が捻出できるんだろう、羨ましいを通りこえていつも不思議に思っていました。

退職すると、これまでに比べて自分にかける時間ができる。私にも長い髪を乾かす時間が作れるか挑戦のときがきた!と、大木凡人(しつこい)との決別を決意したのでした。

髪を伸ばして気づいたこと

髪が伸びてくると、シャンプーが合わなくなりました。そう言えば何年も同じシャンプー使ってるなとドラッグストアを覗いてみたら、種類が多すぎてクラクラ。でも、自分のためにシャンプーを吟味して選ぶという時間がとても贅沢な時間に感じました。

風呂上がりは子供のケアだけで自分の髪は自然乾燥だったのですが、きちんとドライヤーで乾かすようになったら、乾かす最中は子供が話しかけてこないことに気づき、髪を乾かす時間が貴重な瞑想妄想タイムになりました(たまに熱唱タイムに変更になることも)。

さらに伸びてくると、櫛が合わなくなりました。思えばずっと100均の櫛しか使ってこなかったので、これを機に人生で初めて櫛を買いました。届いた櫛で髪をとかしたら、びっくりするほどサッラサラになってテンンションがブチ上がりました

長い髪のケアは時間がかかると思い込んでいたけれど、時間に換算したらほんの数分。このたった数分を、私はこれまで時間の節約と称してケチっていたのかと、ちょっと拍子抜けしました。なんだ、自分自身に時間をかけるって、こんなに簡単なことだったのか。たった数分、自分に時間をかけてあげるだけで、こんなに幸せな気持ちになるなんて。

さらに、髪が伸びるとあまり白髪が目立たなくなり、美容院に行く頻度が減りました。金銭的にもプラマイゼロ。いったい私は誰のために何をケチっていたのだろう。今となっては過去の自分が不思議です。

「自分」の優先順位をあげたい

ここまで、アラフォーのおばちゃんが髪を伸ばしてみたという本当にしょうもない話にお付き合いいただきありがとうございました(笑)薄々気づいていると思いますが、旦那の海外駐在も私の退職もまったく関係はなく、髪を伸ばし始めるのがこのタイミングであった必要性はどこにもありません。それでも私には、このタイミングでしかその一歩を踏み出せなかった。

退職してから、自分自身にかけられる時間は増えました。その時間を有意義に使えているかと言われると、結局何に時間を使っていいかわからずこうしてnoteを書いていることからもわかるとおり、迷走しています。加えてコロナ禍。渡航したものの、学校も幼稚園も休校、休園。毎日オンライン授業のサポートと家事育児に追われ、働いていた時となんら変わらない忙しい日々を異国で送っています。

それでも、髪の長さだけは死守!
これはもう、願掛けに近いかな。

帰国して働くのかまだわからないけれど、未来の自分のために、自分のためにきちんと時間が使える練習をこの帯同期間に積むつもりです。

ちょっと油断するとすぐ自分が最下位になってしまうから、毎日少しずつ、自分の優先順位を上げたいなぁ。




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