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ことばの発達【0歳・1歳・2歳・3歳】

ことばは1歳頃から話し始めます。話し出す前からも指差しをしたり家族に目線を向けたり等、話し始める前からコミュニケーションは始まっています。

ことばは個人差が大きくポイントは絶対的なものではありません。

子どもとの関わり方やことばの促しを年齢でみるのではなく、何歳くらいの様子なのか見極める必要があります。

子どもの年齢が2歳くらいでもことばの発達は1歳という場合も多々あります。その場合は1歳頃のことばのポイントを意識してみましょう。


0歳・ことばを話し始めるまでの発達

ことばはすぐに話し始める訳ではありません。
母親のお腹から生まれてきた子どもたちは、これから外の世界で多数の刺激を受けて育っていきます。
見たことのないもの、聞いたことのないもの。そんな知らないもので溢れています。
そのような世界で生きていくためにはママやパパの力が必要不可欠です。

最初はママ、パパからの誘いかけがほとんですが、少しずつ子どもからも笑いかけたり泣いたり、自分以外の人に伝えようと訴えかけます。
この訴えかけるということがコミュニケーションへとつながっていきます。

喃語の出現

生後6ヶ月を過ぎると「まー」などの音を発することが出来るようになってきます。
これは口をもごもご動かし「どんな音が出るのかな」と遊びのような感覚で音を出しています。
※6ヶ月前から「あー」「ぐー(喉の音)」などの音を発することはありますが、6ヶ月〜になると音を発する頻度が上がります。

9ヶ月頃になると基準的喃語(子音+母音)と呼ばれる音がはっきりと言うようになってきます。
それも遊び感覚の音というよりもコミュニケーションをするかのような表現に変わっていきます。
そしてたくさんの音の組み合わせを言うようになります。
徐々にたくさんの音を言えるようになると「まんま、ねんね」などの音を真似して言うようになりそれが初語へと繋がっていくことがあります。

ことばを話し始める時

ことばが発達し始める時はことばをはっきりと話すわけではありません。
【りんご】ということばでも「◯※%」など1文字も合っていないことも多々あります。
しかし、なんとなく「りんご」と言っている気がする。このようなことから始まっていきます。
ことばがある程度増えてくると時部分的にしか音を発さないことがあります。
例えば、最後の音の「ご」の部分しか言わないこともあります。
私たちは【りんご】ということばは「り」「ん」「ご」という3つの音から成り立っていることを知っています。

これらの3つの音を組み合わせて【りんご】という音を表現しています。
しかし、はっきりと話せない子どもは【りんご】ということばを一塊の音として捉えているため1文字ずつ上手に言えないとされています。

だからと言って、ことばを教えるときに「り」「ん」「ご」と1文字ずつ区切って教える必要はありません

子どもに伝えるときは、実際のものを見てもらいながら「りんご」と教えてあげてください。
そして子どもが「◯※%」や「ご」のように全ての音を言えなくても、言えたことに対して「りんご(だね)」と自然な流れでお手本を見せることでことばの発達を促せます。
話し始めることばは「ママ」「まんま」「ぱぱ」など唇を使った音が多いです。
アンパンマンということばは子どもにとって言いやすい音となっています。

この時期に大人がやること

ことばの理解を深めていく
→言ったものに対して指差しや実際のものを持ってきてもらう遊び

コミュニケーション意欲を高めていく
→子どもからの指差しが合ったときは指差ししたものを持ってきたり「◯だね」と教えてあげるなど。

子どもからの発信(指差しやことば)があった時はたくさん反応することで発信する意味を見出すことが出来ます。

「ちょうだい」のやりとりが出来るとコミュニケーション意欲が高まりことばの発達を促すことが可能です。

子どもからの要求することばとして「ちょうだい」やその物の名前を教えるというシンプルなことが一番理解しやすいです。(りんごが欲しかったら「りんご」)。

ことば意外にも手を差し出すようなサイン等を併用することも良いことです。

1歳・1歳半のことばの発達

1歳のことばの発達に大切なポイントはこれ!

この時期に必要なことは以下の通りです。

①「物には名前がある」ということを知る
②聞かれたことに応えること

①「物には名前がある」ということを知る
私たちは「みかん」と言われるとすぐに果物のみかんをイメージすることが出来ると思います。
これは物には名前があるということを理解している証拠です。
実際には物を言葉(音=記号)として学習しているということなんです。
これを難しい言い方だと象徴機能とも言ったりします。

②聞かれたことに応えること
聞かれたことに応えることはコミュニケーションでは当たり前のように聞こえますよね。

朝にご近所さんに会ったら「おはよう」といいますよね。
するとご近所さんからも「おはよう」と言葉のキャッチボールが成立すると思います。この時期(前言語期)の子どもは言葉で会話することを目的とはしていません。実際には言われた言葉の対して何かしらの反応を示してもらうことが大切です。

その反応とは
・見る
・持ってくる
・指さす

これらの反応を示すとみかんという言葉について意味を理解している可能性が高いです。

どうしたら聞かれたことに応えられるようになる?

ことばの発達を促すには

これらのことばの発達はこのようになっています
ことば(物)に対して
①因果関係があることを教える
②関係性があることを教える
③名前を教えてあげる
④反応があったら褒めてあげる
これらのことを教えてあげましょう。

①物には因果関係がある事を教える
おもちゃと叩くと音が出る
・パズルを完成させると絵が出来る
・ボタンを押すとボタンが光る

子供は「おもちゃを叩くことによって音が出る」ということを理解できたら、子供はたくさんおもちゃを叩いて遊びます。
このように〇(おもちゃを叩く)をすることによって△(音が出る)という関係性を理解しないと子供は反応すらしません。
なので、この時期の子供には因果関係がはっきりとしたおもちゃで遊んでもらうと良いかもしれません。

②物には関係性があることを教える
お皿とスプーン
・コップと歯ブラシ
・靴と靴下

この対となるような関係性を教えることによって物の理解力が深まるとともに、片方の物があるだけでその後の行動を予測する能力が身につきます。

③物の名前を教えてあげる
絵や実物を見せましょう
・物の名前を聞かせてあげましょう
・指さしをして物の存在に気づいてもらいましょう

絵や実物をたくさん見せてあげ言葉に興味を持ってもらいましょう。
見せるとともに「みかんだよ」と言って聞かせてあげることもとても良いことです。
この段階では子供に真似して言ってもらう必要はありませんが、後述するように反応を言葉に対して笑ったり、真似しようとしたら褒めてあげてください。

④反応があったら褒めてあげる
とにかく褒める
どの時期も同じことですが、褒めることが成長への一番の近道です。
おもちゃで上手に遊べたらたくさん褒めましょう。
指さしやことばを真似しようとしたら褒めましょう。
なぜ褒めるが良いことなのかというと、ご存じの通り嬉しいからです。
次も褒められようと子供はもっと反応示してくれます。
逆に褒めることを止めてしまうと反応を示す回数が減ってしまいます。

このように物の関係性や物の名前を覚えてもらうことで、子供とのコミュニケーションが上手になっていきます。
最初は言葉を話さなくても、言葉や音を聞いて反応を示したり、指さしをしてその方向を見るといったことはコミュニケーションの初歩と言っても過言ではありません。
これらのことを意識しながら日々子どもと関わってみてはどうでしょうか。

2歳・3歳のことばの発達に大切なポイントこれ

2~3歳の子どもは言葉をつなぎ合わせる文を使って会話をすることが多いかと思います。(この時期は幼児前期とも言います)

この時期(幼児前期)の子供は文での会話が出来始める時期ですが、言葉の種類が限られていることやイマイチ話している内容がわかり辛いと保護者さんが言うことが多いです。
そんな2〜3歳の子どもの言葉に対してポイントを紹介します。

言葉の数を増やすこと

ことばの発達にとても大切なことは言葉の数を増やすことです。
子どもの周りにある物から中心に教えてあげてください。

特に大きい・小さいなどの形容詞と言われる言葉。
そして色の名前(色名)、動作を示すことば(動詞)を教えてあげることで文レベルでの会話が上達しやすくなります。

言葉を教えていると「食べ物の名前だらけ」など偏りが出てしまいがちです。
ですが始めは子どもの興味のあるものからで大丈夫です。
一緒に生活をする上で身の回りのものを言語化して教えてあげることでたくさんのことばを覚えていきます。

話の内容を広げてあげる

言葉の数を増やしている練習の時に、絵カードを見てその名前を言ったとします。
その場合、名前だけでなくその形や使い道を一緒に伝えてあげると良いです。

例えば
絵カードを見て「みかん」と言ったとします。
その場合「みかんだね」と反応してあげることも大切です。
そこでもっと良い反応を示してみましょう。
子ども:「みかん」
大人 :「大きいみかんだね」「美味しそうなみかんだね」

このように“みかん”ということばに対して“どのようなみかんか”付け加えてあげると文の使い方を覚えやすくなります。

ことばとことばを繋ぎ合わせて文を作ること

言葉を繋げられるようになってきたら「は」「が」「に」のような助詞の存在を教えてあげましょう。

子ども:みかん美味しいね

大人 :みかんは美味しいね

このように適切な助詞を付け加えて適切な女子の使い方を教えてあげましょう。

まとめ

2〜3歳の子供の支援をしていると、お話は出来ているように見えるけど理解力が話す能力に比べて低いことがあります。

特に赤・青・黄の色の理解はありますが、他の色や青を「緑」と言ってしまうことも目立ちやすいです。

そのため言葉の数を増やしていく段階で形容詞や助詞、色名を教えてあげることでこれらのことばの発達が深まります。

話の内容を広げた後に子どもに真似して言ってごらんなど、もう一度言ってもらうことで正しい話を身に付けることが出来ることが出来るため、ご家庭でもぜひ意識してみてください。




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