仕事を断わられた話
最近、「依頼主から仕事を断わられる」という経験をした。
スキル不足、水準に達しないなどであれば、力がないことを反省し、心からおわびをするのだが、断わられた理由はそうではなかった。
「すごい現実主義者だから」
これが理由。戸惑わない?
私は戸惑うだけだった。
自分の考え方が現実主義かどうかは置いといて、会ったこともないのに、「すごい現実主義者」といわれるのは、正直イラッとした。交流があるならまだしも、会ったことも話したこともないし、顔さえ知らないのに。
そんなことを娘(大学生)に愚痴った。カクカクシカジカ、どう思う?と。
娘は、それが仕事を断わられる理由というのは驚きしかないけれど、と言ってから
「でも、お母さんが『すごい現実主義者』っていうのは当たってるよネ。」
と言うではないか。
私のどこが現実主義者なのよ、と問うと
「前に私が、子供を産んだことを後悔したことある?って聞いたら、お母さんはこう言ったんだよ。『考えたことすらない。だってもう子供がいるのに、考えたところで、現実は変わらないし』って。」
・・・・・・確かに言ったな。『母親になって後悔してる オルナ・ドーナト/著』という本が話題になっていた時だ。
「私に気を使ってそう言ったのかと思ったけど、よく考えたらお母さんは常に現実に照らし合わせて、考えたり選んだりしてる。常に現実優先。」
「私が思うに、その仕事は、想像力が要ったんだよ。でも、お母さんには無理よ。だって現実的だもの。妄想話とか、受け付けないでしょ。」
娘の指摘が鋭くて、頷くしかなかった。
確かに、今の私はそうなのだ。アニメやファンタジーよりも、ノンフィクションやドキュメントを好む。「~たら」「~れば」「もし~だったら」とかは、基本的に思わないのだ。
だって、現実はそうではないのだから、と思ってしまうのだ。
つまり、私がリアリスト寄りであることは、間違いない。
おかしいな。小さい頃は、隙があればすぐに想像の世界へ行っちゃう子供だったのに。
でも、だから断わられたのだ、と妙に納得もしている。この仕事は関心があまり持てない分野だったので、事実よりも想像力をフル活用して挑んでも、人並み以下だったのでは、と思うのに、そんなことは考えもしていなかったからなぁ。
そりゃ断わられるよなぁ。納得。
というわけで、4月は穏やかに過ごしたいナァ・・・・(切なる希望)。
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