スランプが教えてくれた新しい道
ずっとたくさん本を書き続けてきたのに、ある日どういうワケかまったく書けなくなった。無我夢中で書いて書いて、書き続けてきて、書くことがとにかく大好きでたまらなかったはずなのに。
ただし、そこにいたるまでの予感は何度かあった。
書きたいものを書きたいように書けないこと。
プロなのだからと、理不尽なダメだしにも耐えたり、なんか書きたいよりも書かされているなと感じてしまうことがいつの間にか増えていた。書きたいよりも、書けるものを書いているという感覚。
そのうち、どうにもこうにも書けなくなって、いったいどうしたんだろう?
と、自己嫌悪に押しつぶされそうになりながら振り返ってきてみて、ようやく気づいた。
ずっとずっと本当は書いてみたいことがあったのに、仕事ばかりを優先させて、その忙しさに挑戦を後回しにしていたということに。
コロナ禍になってみて、本当にこのまま後回しにし続けていいのか?
と、自問したときに、それはイヤだと心の底から思った。
だから、おっかなびっくり本当に書きたいことに向き合うことにしてみた。
そして、前々から興味があった「絵本」の世界に飛び込んでみるべく、賞に応募した。
かねてからカタチにしてみたいと思っていた世界とキャラを使って2作品書いた。
うち1作品は優秀賞をいただき、もう1作品も賞は逃したけれど、出版社から書籍化を検討してはと、うれしい連絡をいただいた。
話の詳細もうかがった。
でも、なんかそれは違うという違和感はぬぐえなかった。
だから、書籍化は断って作品を引き上げた。
大切に大切に伝えたいと思って育ててきたキャラとお話。
一人でもたくさんの人に知ってもらいたい。
一人でもたくさんの子供たちと仲良くなってもらいたい。
ならば、どうする?
私が応募したのは文だった。
でも、昔から絵は描いていたし、これはもう自分で描いて、ありとあらゆる手段を使って広めていくべきでは?
その答えにたどり着いた途端、不思議と呪いから解けたように、また書けるようになっていた。
もちろんすぐにではなく、少しずつだけれど。
本当に自分に描けるのか不安になったりもしたし、自責のあまり自己肯定感が低くなっていたせいか、他人とつながることさえ怖くなっていてNoteもしばらく放置してしまっていたけど、どうしても描きたいキャラとストーリーを広めるためにこうして再開できた。
スランプっていうのは、自分が進むべきなのはこっちの方向じゃないよと教えてくれる方位磁石のようなものだと、今なら確信できる。
不思議と、「そっちじゃないよ!」と教えてくれるような出来事もおこりまくる。
そこで、書けなくなってしまった自分を責めまくる必要なんてなかった。
こうでないとダメと、自分にダメだしばかりしている悪いクセにも気づくことができた。これは本当に大きかった。
今もまだその悪いクセが、時折頭をもたげてくるけれど、それに気づけて思考をリセットできるようになったら一気に楽になったし、やりたいことへのハードルも一気にさがった。
スランプは、新たな一歩を踏み出すための大チャンス!
心機一転ゼロからのスタート。
でも、今までの経験はけしてなくなったワケではないから、けしてゼロからじゃない。それがイチか十かは分からないけれど、今までの経験は今後にも絶対に生かせるはず。
それは、とある有名人を育ててきた親戚の言葉。
突然、顔に泥を塗るような出来事があった際、そう気丈に言いのけた。
かっこいいと思った。
そして、何かに躓きそうになるたび、私はひそかにこの言葉を支えにしてきた。
次のステージに進むための踏み出すべき一歩。
この一歩がどこにつながるか、今はまだわからないけど、なりふり構わずいろいろたくらんでいる。
そのキャラの名は、「ごきげんネココ」。
このテキストのヘッダーで、両手をばんざいとあげて笑っているごきげん名人なネコの女の子。どんなに残念なことでもごきげん化しちゃうけど、ちょっぴり(かなり)マイペース。
ストーリーもすでにいくつかできているので、あとは絵を描いて、動画にUPするのが目標。英語にも翻訳して海外にも広めていけたらなあと野望だけはいっちょまえ!
でも、世界には今こそ「ごきげん」が必要だと思うので。
Gokigen Nekoko/ごきげんネココ @GokigenNekoko
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