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¥7700の受診料

病院の待合室にて。抱っこされるぼく👶。
 

手足口病。
0:00 水分摂れず夜間受診。
口腔内を見ると、舌先端と口蓋垂に複数の水疱。

ちゃんと段階を踏んだ。
あの手この手尽くし、♯8000に相談もし、鎮痛剤挿肛後の授乳もダメで、地域の2次救急へ。

上の子たちの時に様子見をし過ぎて注意された反省を踏まえ、ぼく👶は早めの受診を心掛けている。

ただでさえ、今のこの国では、社会的ハイリスク群に入る家族背景を引っさげて?受診タイミングまで遅らせたら、地域で要支援家庭とされ、マークされかねない。

土曜日の夜から寝ず、日曜日の午前中はぼく👶連れで助産師定例会に出席。

久々荒れた当直後のような脳🧠。

紹介状が必要な医療機関。紹介状がなければ¥7700が必要。
安くはない。
¥7700あれば、高校生2人のお弁当1週間分の食材を買っても余る。

母子家庭の辛いところ。

ブランドのバッグなんて要らない。
高いコスメも要らない。

こういう時に何も考えずに受診できる暮らしがいい。

そして、抱いても寝せても大泣きするぼく👶を1人で連れるしんどさ。
後部座席のチャイルドシートで嘔吐しても助けてやれぬ悔しさ。
だから、可能な限り、受診は自転車を使うが、天候や距離によっては車でないと厳しいことがある。

真っ暗な道を、病院目指して運転する。

日曜日深夜の道路は車が少なく、滑るように進む。その心地よさと睡眠不足からか、幸いにもぼく👶はクマのような寝息を立てていた。

皮膚や爪の状態、大泣きできる状況から、ぼく👶の脱水が深刻でないことは素人ながらもわかってはいたが、小児科領域はawayなので、やはり不安になる。
助産師でも、小児科のことは素人か…オバQ以下。毛1本生えてるくらい。

看護学生時代、小児看護学で「子どもは悪化するのも回復するのも急」と聞いたことが印象に残っていた。

受診の結果は思った通り。
とりあえず補液くらいしてくれたら少し安心、なんて思ったけれど、するならこのまま入院して持続点滴と言われてしまった。

診察時に自ら医療者であることは明かさないが、固定がうま過ぎて!?バレた 笑。

「お母さん、うまいね。看護師さん?」

「…いえ、助産師です。産科のことしかわからなくて」

「いやいや、乳児も守備範囲でしょ?」

こんな夜に連れて来なくても、と思ったに違いない。

帰り道はさらに車通りがなく、かかった時間は行きよりも短く感じた。
受診した結果の安堵もあったと思う。

¥7700を頭の中でかき集めた。
たまには子ども達が食べたいおかずを決めて買い物しよう、と思っていたのを延期に。上の子たちの喜ぶ顔は少しおあずけ。
でも、あるもので美味しく食べられるように頑張ろう。

たまの贅沢コンビニスイーツを数回我慢しよう。

シングルマザーのしんどいところ。

でも、こうしてかき集めれば選択肢があること、車があることだけでも、私は恵まれている。

世の中、もっとしんどい思いをしている人たちがいる。
誰もが不安なく受診できるシステムがあって欲しい、と願う一方で、こうして、ある程度の額で設定しないと、不必要な受診者が増え、本当に夜に診療しなければならぬ患者への対応が遅れる場合がある、という現実も理解している。

そんなことを考えながらの帰り道。
夕方から何も食べず、かつ睡眠不足な私の脳はもう限界寸前で、前のめりに、いかり肩にしてハンドルを握らねば、すぐにどこかに衝突しそうだった。

自宅の車庫に車を停めてから眠るぼく👶を抱きかかえ、一緒に布団になだれ込んだ後の記憶はない。

ちょうどその分だけピッタリの燃料しか、私には残されていなかったかのように。

ただ…、実は今回、1人で行こうとする私に次男が

「ぼく行こうか?役に立てるかはわからないけど。どうせ、家にいても心配で帰って来るまで眠れないし」

そう言って、付いて来てくれた。

いつもダメ出しばかりの次男だけど、この時は涙が出るほど、嬉しかった。

私の子育て、悪くもなかったのかな。

そう思った。

朝が来て、電話が鳴った。臨時の仕事依頼。
受診料を賄えるくらいを頂ける。

私は人に恵まれている✨。夜中に車内でしたやりくりの苦労が軽くなった。
心の底から有り難い。

ぼく👶の完全回復まではまだ少しかかりそう。
母は強し!
頑張ろう!!


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