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詩-コトノオト-

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2019年3月の記事一覧

ヒカルヒフ

流れ星が消えた後のことを知らないけれど
きみが星じゃなくて良かったと思う
重力がはたらいているから
高鉄棒でグライダーをしても降り立つ場所がある

砂にまみれた挫創を洗うと球体は輝きを増して
瘡蓋を作ってはぴかぴか光る皮膚で
サッカーボールを追いかけ
グラウンドをまた駆けてゆく

(Twitter 2018.11.12)
毎日が記念詩@mydear2000s #皮膚詩 に寄せて 2019.1.

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雨待ち

そろそろ雨は降りますか
(いえいえ まだまだ)

どこもかしこも折れたままの
骨をしまって羽ばたけない
わたしの胸はこんなに青く
疑いようがないというのに

水辺は凍り
鳥達は諦めたのだ
もう足掻くこともできない

音もなく霜がおり
無抵抗に踏み荒らされた
可哀想な霜柱
土に埋もれて
あれはわたしの骨でした

そろそろ雨は降りますか
(いえいえ まだまだ)

にじり寄る氷柱の先

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ほしにうまれて

いみは なく
いとも ない
ほしは きままに かがやいて
だれかが かってに むすぶもの
かみのけだって こっぷだって
せいざになれる ほしに うまれて

(Twitter 2019.1.8)

三月

冬の記憶は全然モノクロで
吐き出す息も
傍らのコーヒーも
まったく白と黒ばかり

木々の枝の先の先
くっきりとしたシルエットも
皺だらけの手招きみたく
なんだか少し恐ろしかった

6Bの鉛筆で書いた文字の柔らかさ
確かな筆致で膨らんだ
練習帳はもう閉じない

あとは開くだけの梅の花
枝のシルエットも丸みを帯びて
真っ赤な花を咲かせてよ

(Twitter 2019.3.14)

船長

実に我儘な船長である。
太陽が昇るときに金の、
沈むときにはルビーの光芒が指す方へ
と言って方位磁石を持たない。
迷ったら鳥に聞け、
イルカや鯨に聞けと言って地図を持たない。
お天道様には敵わないと言い、
だからふいに嵐にのまれ慌てふためく。
そういうものだと言って静かな海のおもてが眩く輝くのに
幾度も心を踊らせるのだ。

(Twitter 2019.3.17)