三月

冬の記憶は全然モノクロで
吐き出す息も
傍らのコーヒーも
まったく白と黒ばかり

木々の枝の先の先
くっきりとしたシルエットも
皺だらけの手招きみたく
なんだか少し恐ろしかった

6Bの鉛筆で書いた文字の柔らかさ
確かな筆致で膨らんだ
練習帳はもう閉じない

あとは開くだけの梅の花
枝のシルエットも丸みを帯びて
真っ赤な花を咲かせてよ

(Twitter 2019.3.14)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?