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名作に触れる子供たち

私の初めての一人旅は大学4年生の時。
ニューヨークに住んでいた親戚家族の家にお邪魔しました。
親戚のお姉さんと、アメリカ国籍の夫、当時小学生の娘の3人家族。
祖父の弟の娘という、一言で表す単語が分からない微妙な血縁でしたが、田舎出身ということもあって割と身近なお姉さんでした。

滞在中、お姉さんは私にアメリカでの子育てについて色々と話をしてくれました。
例えば休日の過ごし方。
娘とMOMAに行き、デッサンをしているのを見守っているんだという話は、私にとってものすごい衝撃でした。
当時の私にとって美術館は少し縁遠く、静かに絵を見て回るための場所だと思っていたので、鑑賞以外の行為が許されるのか!と大変驚きました。
それと同時に、それだけアートが身近な存在であり、名作を自分の血肉にできるニューヨークはなんと恵まれているのかと少しうらやましく思っていました。
ニューヨークの美術館の入館料は寄附、つまり自分で金額を決めて良いとしているところもありますので余計に何度も足を運びやすい環境にあったのだと思います。

さて、ところ変わってスペイン。
息子は3歳ですが、すでに名作の世界へ足を踏み入れていました。
それがこちらです。

保育園で制作してきた作品です。
私は一目でモンドリアンのオマージュだとわかりましたが、夫はなにこれ?といったリアクション。
Googleが教えてくれた画像を見せると合点がいった様子。

本人はピシッとした直線ではないことを気にしているようでしたが、私からすれば思った方向に線が引けているし、力強く色塗りができているし、最高の一枚です。
親の欲目なしに心からおしゃれだと思いました。
(あまりに気に入ったので友人にも写真を送りつけました笑)

保育園でクラスメイトの絵も見ましたが、シンプルな構成なのに個性が色濃く現れてい流のがまた面白いのです。
一番大きな四角に好きな色を思いっきり塗る子供、夢中になって四角からはみ出してしまった子供、線がいっぱいで色塗りより書くことが好きそうな子供など...
ちょうどこの2〜3歳というのは、線を真っ直ぐ引いたり、強い筆圧で書く練習が必要な時期。
子供の発達と噛み合う題材を見つける学校の妙にも驚かされました。

モンドリアンの他にも、色の組み合わせが美しいマーク・ロスコ(本記事トップ画像)や、生き生きとした海を描くホアキン・ソローリャなどをモチーフに保育園で一生懸命制作してきました。
模倣してアートを楽しむ機会というのはなかなか親が作れる機会ではなかった(そもそも発想がなかった!)ので、保育園のこの取り組みには非常に感謝しています。

日本でもこんな保育園制作が増えたらいいのにな〜!
家にいっぱい飾りたいのになあ〜!と密かに思っているので、この記事を見かけた保育園のスタッフさん。
検討をぜひぜひよろしくお願いします。笑


近日、子供といきたい「本物に触れられる博物館」についての記事を公開予定です。
お楽しみに。


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