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『解体屋ゲン』 #79 欠陥マンション(後編)

私は日本の建設業者はある程度信頼できると思っていて…というのも、東日本大震災では津波による被害は甚大でしたが、地震の揺れによる建物倒壊はあまりありませんでした。浦安近辺では地盤が液状化しましたが、それでも湾岸地域で高層マンションが傾いたとか倒壊したという例はほとんどなかったと思います。

(リンク先で無料で読めます)


つい先日のブラジルのこのニュース

まあこの建物を造ったのは、ギャングが運営する建設会社とも言えないような素人集団らしいので論外ですが、少なくとも日本でこんなことは起きません。

でも、取材をしていると「☓☓の現場じゃ、設計図と全然違うのに無視して作ってる」、「設計がひどすぎて現場で適当に合わせてる」、「後で気づいてごまかすために、別の箇所できっちり作って写真を撮って流用した」とか言う話も聞くのです。

なんでそんなことが起きるかというと、施工してるのは下請け会社で、問題が発覚して上に報告すると次から使ってもらえなくなる、とか、上に報告すると自分の責任問題になる、とか自己保身のため・自分の出世のためには多少の問題には目をつぶる、周囲もそれを見て見ぬ振りをする、というケースが多いように思います。

そして企業はなかなか非を認めようとしません

今回のケースのように客観的証拠が沢山ある場合は裁判で勝てると思いますが、それでも多額の費用と時間がかかり、精神的苦痛とかを考慮したらとても割に合うとは思えません。

もちろんゲンさんはそんなまだるっこしいことはしません。

江戸レンジャー参上!


即決!

まあ実際にこれやったら逮捕されますし、ここは漫画であることを利用して読者の溜飲を下げています。

ときどき日本の司法制度、あるいは税制、もっといえば資本主義そのものが、個人のためというよりは金持ちや大企業のためにある気がしてやるせなくなります。どれだけ働いても楽にならず、でもお金はあるところにはあって、道ゆけば高級そうな車が走り、タワーマンションがニョキニョキと生えてゆく。

私は社会学者でも研究者でもないので体感と自分の観測範囲の主観でしか語りませんが、格差社会は間違いなく到来してるし、これからその差は開いてゆく一方でしょう。

このまま指をくわえて見ているのか、何か行動を起こすのか、一人ひとりが問われる時代が来ていると思います。<続く>




という訳で、4/26よりベストセレクション見本版『解体屋ゲンの導火線』が配信スタートとなります。よろしくお願いします!


ここでいただいたサポートは、海外向けの漫画を作る制作費に充てさせていただきます。早くみなさんにご報告できるようにがんばります!