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アイドル・ロック・フェスティバル1980-1989

一昨日までここ2週間ほど、「夏のラジオ企画」と称して、音楽を選曲してご紹介しながら、記事を書き続けてまいりましたが。

さて、いつも私の記事をご覧いただいております皆様の中には、そこにある種の「違和感」を、もしかすると感じられた方もいたかもしれません。

「……あれ? このオッサン、アイドルおたくだったはずでは?
何故1曲も、アイドル楽曲が取り上げあられていないのだ??」

――でしょ? そうでしょ??
――ホラホラ、みんな、アイドルの曲がないと、もう、いてもたってもいられないでしょ?
(って、これまたいくらなんでも「誘導」が無理過ぎるぞ、おい。笑)

と、いうわけで、本日は。

「アイドル・ロック・フェスティバル」と題しまして、80年代リリースの楽曲を年代順に、追っていこうかと思います。
(年代順で書くのは久しぶりですね。)

総勢32人(組)。

私の、そしてあなたの、「アイドル・ロック」を見つけようではありませんか!
「BABYMETAL」がアリなんだから、「アイドルロック」ってジャンルがあったっていいでしょう??

合言葉は?

SUMMER SONICに、
負けたくないし、負けてないっっ!

――ええ、もちろんです。
張り合う気満々です。(笑)


では、いってみましょう。

80年5月21日リリース
山口百恵「ロックンロール・ウィドウ」

いつもだいたい私の80年代アイドル記事は、「80年代デビューの」という縛りで書くんですけど、今回はあえて「80年代リリースのアイドル楽曲」としました。

何故か?

それは山口百恵さんのこの曲から始めたかったからだよ!!

この次のシングルが皆さんご存知「さよならの向こう側」という引退ソングで、で、その前のこのシングルなのですが。――思いっきり「攻め」で仕掛けてくる、そんな山口百恵の「尖がり方」が、私は大好きです。(笑)

いや、だって、結婚決まっている「寿引退」前に、わざわざ「ウィドウ」=「未亡人」ってタイトルの曲をシングルA面に切らなくてもよくないですか?(笑)
いやー、今回の記事の企画すべてを、1曲目のこの曲が全て持っていったといっても過言ではありません。
――なんて、ロックンロール!!(笑)

♪シャウトするのがエクスタシー

さだまさし氏提供曲のフォークの名曲「秋桜」で、
♪こんな小春日和の、穏やかな日は
と、歌っていたのと、同一人物とは思えない程。(笑)
――でも、どちらもしっかりと「百恵らしい」という、その「歌の抽斗・表情の多さ」ですよねえ。
スゴイです。
(いちいち比べることはホントにないんだけれど、)そこは、聖子も明菜も敵わないところかもしれません。



1980年3月1日リリース
鹿取洋子「ゴーイング・バック・トゥ・チャイナ」

さて、この方はアイドルにカテゴライズしていいのか?――いやー、80年3月、これがデビュー曲なんですけど、ここの辺りまでは、アイドルと言えども、デビュー曲から大人っぽい雰囲気の歌手の方も多いんですよね、まだ「歌謡曲」の地盤がしっかりあった時代だと思います。
松田聖子のデビューが80年4月21日。――それ以前と、以降で、「アイドルの定義」も大きく変わったのかもしれない、と、すると、鹿取さんは80年代ながら、ギリギリ「聖子以前のデビュー組」ともカテゴライズできるのかもしれない。
この曲はレイジーも演奏しておりますね。



1980年10月5日リリース
岩崎宏美「摩天楼」

「80年代リリースの曲」とすると、岩崎宏美さんの曲も入れられる!
ということで、大好きなこの曲を、つい入れてしまったのですが。
――さて。
「ロック」とは何ぞや?です。
「シティポップ」の記事の時にも同じようなことを感じたのですが、こういうのって各々の主観的なものだし、「こっちからこっち」と線引きできるものでもないじゃないですか。
で、また、レコード音源の音と、歌番組の生伴奏の音で、その違いから、もう「ジャンル」すら変わってしまうこともあるかなあ??と。――この頃の歌番組のゴージャスな伴奏、好きなんだけど、どうしてもホーンセクションが大々的に入ると、「ロック」っぽい音ではなくなってしまうところはありますよねえ。
あ、今回の記事も、「生歌・生演奏」限定です。――そこにこだわると、だいたい80年代末あたりに、行き詰まるんですけどね。(そこら辺から、生伴奏歌番組が少なくなってくるんです。――絶対紹介したいのに、生伴奏がない!っていうので、見送った曲、多数。笑)

で、宏美さん、声量は申し分ないくらいあって、きっと歌おうと思えばいくらでも「シャウト」くらいできる方だと思うんですけど、――やっぱり声質に合わないんでしょうねえ、「ロックな歌い方」の曲って、案外見当たらないんですよねえ。


81年7月21日リリース
倉田まり子「哀しみのポエジー」

79年の「グラジュエーション」「How!ワンダフル」、80年の「さよならレイニーステーション」あたりで憶えている方も多いかと思われる倉田さんですが、81年は、後のビーイングの創業者である長戸大幸の曲があったり、ここの辺りはわりと、ロック寄りになっていた印象。
ロックにしては丁寧な歌唱ですが、声量もあるので、もっと激しい曲調でも負けなかった気もしますね。
レコード音源の編曲のほうが、もう少しロックっぽいかな?
オーケストラバンドの伴奏だと、どうしても歌謡感が出てしまう。(本来は好きなポイントなんですけどね。)
倉田さん、85年頃に芸能界を引退され、現在では会社を立ち上げ、キャリアカウンセラーをされているそうです。


81年9月21日リリース
泰葉「フライディ・チャイナタウン」

は~い、異議申し立ては受け付けませ~ん。(そんな独断記事。笑)
いや、でももし御本人に作曲力がなければ、たぶん、アイドルとしてデビューしていたんじゃないか?って気もしますけどねえ。――ソングライターだから、カテゴライズすると「アーティスト枠」だった、ってだけで。
泰葉さんには、歌い続けて欲しいなあ。
いろいろ芸能ゴシップ的お騒がせもあったかもしれないが結局最終的には、このスタート地点の、音楽だけが御本人に残った、という気もする。
世界的シティポップブームに乗って、40年の歳月を越えて再注目されている、泰葉さんのデビュー曲であります。


83年6月22日リリース
太田裕美「ロンリー・ピーポーⅡ」

この頃はもう、音楽とか音楽番組とか大好きな子供でしたので、この曲もすごーく印象に残っていて、好きだったんですよねえ。――の、割には、正確なタイトルとか、ずいぶん後になって把握したような。
実は太田裕美さんの70年代のご活躍って、当時は物心がついていなくてあまり記憶していなかったのだが、大人になってから後追いで好きになって、オリジナルアルバムとかも結構何枚も聴いてみたりしました。

岩崎宏美さんもそうだけど、そもそも「アイドル」と「アーティスト」の線引きって、そこまで厳密ではなかった印象ですよね、70年代デビューの方々って。
太田裕美さんも、どっちにカテゴライズすべきか迷う、というところもありますが、私自身はそもそもそこをあまり気にしていないし、何なら「アーティスト」なんて呼ばれている方々もみんな「アイドル」だと思っているくらいなので、ま、個人的にはどうでもいいこれは話題でした。(笑)



83年8月21日
高田みづえ「そんなヒロシに騙されて」

ベストテンのこの時の演奏、いいですよね。
ゴーゴーなのか、グループサウンズなのか、サイケデリックロック……なんてジャンルはあっただろうか、でもこの音の感じは、60年代後半のバンドサウンドをなぞってますよね。
レコード音源も、こんな感じの音で収録されている作品でした。
元々は同年のサザンオールスターズのアルバム『綺麗』収録曲で、ボーカルは原由子さんがとっておられます。
「ジェニーは御機嫌ななめ」でおなじみ、テクノバンド、ジューシーフルーツも、同日に同曲をリリースしているので、所謂「競作」だったんですね、この曲。



さて、84年くらいからは、80年代デビューアイドルも軒並み「ロック化」する方々が、顕著に見られてきます。(そうでなければ「ニューミュージック化」していく、或いは、河合奈保子さんみたいに「両刀」というパターンもあるけど。)
ある種、「大人へのイメージチェンジ」に、ロックは使える、ということでもあったのかもしれません。
歌番組の伴奏の音も、84年くらいになると、割とロックの曲はロック的アプローチをより多く取り入れた音作りをしていくことも多くなった気がします。


84年10月24日リリース
石川秀美「ミステリー・ウーマン」

石川秀美さんは、こういう重めのロック調の曲が合う声質ですよね。なのでこの頃から、ロックテイストの曲が圧倒的にシングルでも増えてくる印象。
その頃の作品の中では、私はこの曲か、「Sea Loves You~キッスで殺して~」、あとは紅白出場も果たした「愛の呪文」、とかも好きですね。(どの曲を出すか迷いました。)



85年12月12日リリース
河合奈保子「THROUGH THE WINDOW~月に降る雪~」

河合奈保子さんも、どんな曲調が来ても、バッチリそつなく決めてくる方ですねえ。
なのでどの記事にも何かと当てはまるので、私のnoteに登場する回数も何かと多い。(笑)
この曲は、この動画よりレコード音源のほうが半音高い。できるなら、レコード音源のキーでの「報われる~恋も~あるわ~Ah~♪」のところの「振り絞りシャウト」を生歌で聴きたかった気もしますが。
どんなにロックな曲調を歌っても、高らかにシャウトしても、「奈保子ブランド」はゆるぎないというのも、魅力の一つですよね。


さあ、ここからが
80年代アイドルロック後半戦!

86年2月3日リリース
中森明菜「LA BOHÈME」

明菜の、というより、80年代アイドルPOPSおよび80年代ロック歌謡の代表曲「DESIRE-情熱-」のカップリング曲。
この曲も人気高いですよね~。元々はこちらのほうがA面予定だった、というのも頷ける。
この86年以降、「明菜の絶唱ビブラートロック」の名曲が、ますます目白押しでございます。『stock』などのアルバム曲やB面のほうに、より顕著に「真性ロック傾向」は見られていたかも。



86年5月21日リリース
松本典子「NO WONDER」

松本典子さん、どんな曲が来ても器用にそつなくこなせる分、どこかフックに欠けるところもあるというか。
「あの日のサンダル履いてた」という歌詞は、完全にユーミンの「DESTINY」のオマージュ(?)ですな。(笑)
この曲もまたレコード音源で聴いたほうが、ギターのカッティングのイントロとか、もう少しロックテイストかもしれない。


86年6月5日リリース
岩崎良美「チェッ!チェッ!チェッ!」

作詞:康珍化、作曲・編曲:芹澤廣明ということで、ご存知「タッチ」と同じ作家陣。
はじめは、82年リリース、頭脳警察パンタ氏作曲の「Vacance」を出してみたのだが、どうも、仕上がりが「お上品」というか良美さんの魅力である「お嬢様感」が出てしまって、「アイドル・ロック」という今回のテーマの並びの中では、少々浮いてしまう。――で、この曲をこの位置に出して見ました。これも夏の曲だし、いいかな?と。
レコードのほうが、キーが高いです。そんなに音域の広い曲でもないから、何とかそのキーでの歌唱を聴きたかった気もしますが、生伴奏にこだわって、夜のヒットスタジオからの映像にしました。
「ヨコハマHead Light」とかもまあまあロックっぽいけど、生伴奏動画がないし、で、自ずとこの曲に。
そうなんですよね、お姉さん同様、声量は十分なのだが、声質が上品なので、ちょっとシャウトはさせられない感。
でも、どんな弾けた曲がきても、気品あふれる仕上がりにできるのは、むしろさすがだと思います。



86年9月21日リリース
原田知世「空に抱かれながら」

知世さんの音楽人生の中で、一番ロックだった時期が、ここなのではないかと。(笑)
この曲が収録されたアルバム『Soshite』と、その前後のアルバムは、後藤次利プロデュース。
今でこそ「え、知世が後藤次利の曲を?」という感じになるが、80年代当時の知世は結構衣裳もパフォーマンスも尖っていたので、この歌唱映像を見ると、御納得いただける気もする。(笑)



86年10月22日リリース
「悲しい夜を止めて」

別に後藤次利氏の話の流れからここにつなげたわけでもなく。(笑)
でもやはり、後藤次利氏が河合その子氏に提供した曲は、いずれもクオリティーが高く、名曲が多いように思える。
歌う人が歌えば、この曲もロックとなりそうなのだが、その子氏が歌うと、「御令嬢感」が出てしまって、ロックではなくなりますね。静香が歌えばまた違うと思うけど。



86年10月21日
森川美穂「姫様ズームイン」

生バンドの屋外歌唱で、これだけ安定感があるのがすごい。
レコードと寸分変わらないクオリティー。(といっても、無論、口パクではない。)
ボーカルがいいと、バンドの音も、また更に良く聴こえる相乗効果。

森川さんの場合、88年くらいからの曲のほうが「ロック」なんでしょうけど、今記事のテーマは「アイドルロック」なので、この曲を選んでみました。



86年11月17日リリース
杉浦幸「午前0時のⅠ NEED YOU」

みんな大好き大映ドラマ「ヤヌスの鏡」の主演、杉浦幸さんの4thシングル。なかなか好楽曲であるが、杉浦さんの当時のコアファンは、彼女に「小沢裕美」を見ていたのか「大沼ユミ」を見ていたのか。「二重人格」の役のドラマでブレイクしたせいか、彼女の売り出し方も、若干「二重人格的」なブレがあった気もする。
ところで、この曲こそ、レコード音源を上げたほうがいいかも?てなところではある。(――でも、この記事では動画は生伴奏曲で統一すると決めたので、これを出すけど。)
いや、音源のアレンジはかなりカッコいいし、かなりロック。あれくらい音が出来上がっていると、ボーカルが多少拙くても、名曲名盤になる。



87年3月21日リリース
早見優「ハートは戻らない(Get out of my life)」

85年のアン・ルイスカバー曲「Tonight」から、ロック路線を驀進し続けた早見優氏。しかし、なかなかベストテンヒットにはその辺りから恵まれなくなるが、ようやくこの曲が久々のスマッシュヒット。ザ・ベストテンにも3年弱ぶりにランクイン、出演を果たした。
やはりこのテイストを出せるアイドルは、当時は早見優しかいなかった気がする。
もうちょっと当時のアイドルPOPSリスナーの耳が肥えていたなら、早見優の80年代後半の音楽は、もっと面白がってもらえていた気もするし、それによってもっと注目も集まった気もする。



87年3月25日リリース
芳本美代子「ヴァニティ・ナイト」

松本典子をはじめ、意外とアイドルへの提供曲もあったりする、久保田利伸氏。
しかしその久保田利伸のテイストを、楽曲にそのままトレースできる人は(特にアイドルでは)少ない。
芳本美代子氏は、これ、なかなか大健闘していると思う。この人も「何が来てもそつなくはまる」ボーカリストである。
と、いいつつも、私は案外、切ない系の名曲「雨のハイスクール」や「Auroraの少女」、「サカナ跳ねた」なんかが好きだ。多分、芳本氏の歌の「情感の乗せ方」が、好きなのだと思う。



87年4月22日リリース
松田聖子
Strawberry Time」

Rock'n Rouge」はもろ春の曲だし、そして意外とタイトルほどには、曲調はロックでもないし。
それなら「DANCING SHOES」にしようかとも思ったが、結婚休業期間中のリリースだったので、当時の生歌生伴奏は存在しない。
で、結局、レベッカの土橋安騎夫氏作曲のこの曲にしてみた。
但しアレンジは聖子作品でおなじみ、大村雅朗氏なので、サウンドとしては、あまりレベッカ感はなく、「聖子的ロック世界」になっている。
この紅白のパフォーマンスが、割とロック歌手みたいな動きをしていて、「あれ?この曲って、こんな感じで歌っていたんだっけ??」となった。
うむ。
探したのだが、この曲の生歌で生伴奏の動画が、意外とこれしかなく、ちょっと画像が粗くて申し訳ないのだが。
――いや、どちらにしても、聖子さんの動画って、わりとすぐに消されてしまうので、たぶんここに書いていることも、すぐに関係なくなるとは思いますけど。(笑)


87年6月3日
長山洋子「悲しき恋人たち」

歌謡曲も演歌もなんでもござれの実力派。な、上に、ちゃんと「ヒット」という実績を長年に渡って出し続けているのだから、「真の歌姫」という感じもします。
洋楽カバーのダンスミュージック2曲のヒットで、盤石にPOPS歌手としての地盤を固めた後は、このロックテイストの曲をリリース。――声量もしっかりあるのに、でも、どこか「しっとり」するのは、やはり幼少期から培われてきた「民謡スピリット」のなせるワザであろうか。
ファッションも、何をお召しになってもよくお似合いになる。
これ、結構なかりあげベリーショートだと思うんだけど、こんなパンクな髪型も、全く違和感なく決まるのがスターだなあ、と。


87年6月23日リリース
大西結花「チャンスは一度だけ〜TAKE A CHANCE〜」

そういや「風間三姉妹」としては別記事で紹介していたのに、ソロとしては取り上げていなかったなあ、と気づいて、いい機会なので。
なかなかロックテイストの好楽曲。
御本人の声質とも合っている。
歌手活動後期は、更に音楽の趣向がロック方向になっていった印象。



87年7月22日リリース
中村由真「パニック -I'm in panic-」

「ジレンマ」「シビアー」などのほうが、ロックテイスト強めかな?とは思ったのだが、季節柄、こちらの曲にしてみた。
アイドルPOPSに興味がない人も、意外とアニメ「美味しんぼ」のテーマソング「Dang Dang 気になる」は知っていたりする。レコード会社移籍後の割と後期の曲なので、売上的にはそれ以前の他の曲のほうが上なのだが、何だか「美味しんぼ」が彼女の代表曲のようになっている気もする。――まあ、アニメ主題歌としてだとしても、広く多くの層に知られている曲があることは、歌い手としては、ラッキーなことのはずである。



87年7月16日リリース
水谷麻里「バカンスの嵐」

今改めて聴いてみると、結構、声量があるなあ、と思った。
デビュー2年目、相当、歌唱力は上昇していたものと思われる。
で、2年目の、この曲とその前後の曲、「ポキチ・ペキチ・パキチ」、「メビウス天国」は、どうもファンの間では評価が分かれるところのようだが。私は2年目のこの辺りもまた、なかなかいい流れのディレクションではないか、と思うが。
でも何だかんだ言って、一番断トツで売れなかったラストシングルの「春休み」が、私は一番好きだったりします。(笑)



88年1月22日リリース
荻野目洋子「ストレンジャーtonight」

さて、荻野目ちゃんであります。
アップテンポの曲はたくさんあっても、意外と80年代に「純正ロック」は少ないかも?な荻野目ちゃん。そう、考えて見ると、ダンスミュージックとロックって、リズムが微妙に違って、重ならないですよね。例えば、ディスコでロックはあんまりかかりませんもんね。
しいて言うなら、「六本木純情派」とかかなあ、と思ったんですが、他の記事で既に紹介しているので、今回はNOBODY作曲のこのシングルを。



88年3月2日リリース
工藤静香「抱いてくれたらいいのに」

うん、これだけ振り絞って歌ってくれれば、ちゃんとこれ、「ロッカバラード」になっている。
そう、声質的に、この「振り絞る」ができないと、あんまりロックにならないんですよね。……ってまあ、ロックにもいろいろあるから、そこは別にいいんでしょうけど。
ソロ3rdにして、ずいぶん大冒険のカードを切ったというか、大英断のロッカバラード、である。思い切ったディレクションだったけど、絶対この曲で工藤静香の「方向性」、広く認識されたと思うから、これは大成功だったと私は思う。
3rdが「FU-JI-TSU」じゃ、跳ねあがらないんだなあ、この曲を挟んだからこそ、4thの「FU-JI-TSU」が大躍進となったのだ。
アイドルについては、ディレクションって、やっぱり大事。ただ良い曲をあてがえばいいってもんじゃないのだよねえ。



88年4月25日リリース
森高千里「ミーハー」

森高さんの快進撃が始まったのは、シングルでは初自作詞のこの曲からではないかと思う。――下手すると、この曲がなかったら、今の森高さんはいないのでは?くらいに私は思う。
♪お嬢さ、ま、じゃな、い、の
ワタシ、た、だ、の、ミーハー
って特に深い意味はないのに、何だか耳について離れないフレーズでした。
このフレーズの「ひらめき」を曲にガシッとはめて、森高さんのアイドル人生は大きく開花した、て、わけか~。(もちろんこの曲だけじゃなくて、「17才」とか他にも転機はいろいろあって、うまくそれを積み上げたんでしょうね。)



88年6月8日リリース
RA MU「少年は天使を殺す」

皆様、大変お待たせいたしました。
本日の、ラ・ムーです。(笑)
いやー、そうなんですよ、ロックにもいろいろあってだね、というね。
ブラック・コンテンポラリー、というところのようですが、そう言われてもまた、私もよくわかってないんですけど。(笑)
でもねえ、30年後に再評価されるなんて、当時誰も思いませんでしたよね?ホントわからない。
良いと思ったものは、ウケるかどうかは気にせず、とりあえず発表して世間に出しとけ!っていう、良い教訓になりましたね?みなさん。(笑)
生歌生演奏にこだわってくださった、ホント、夜ヒット様様に感謝でございますサマサマ。
きっとこの動画が、全世界的に見られているのかあ、「夜ヒット」がなあ、……と、思うと、80年代歌謡番組オタクの私の感慨も、一入でございます。(笑)



88年7月6日リリース
MINAKO with WILD CATS「あなたと、熱帯」

本日の「お待たせしました」その2。(笑)
いやーん、「アイドル」なんて呼んだら、怒られちゃう~。(笑)
ということで、「アーティストと呼べ」本田美奈子氏の、バンドのデビュー曲です。
詞が松本隆で、曲が忌野清志郎という。面白いんだけど、でも、当時は割と、ラ・ムー同様、スルーされた感。
何かね~、世間の音楽を楽しむ感覚というか、音楽に対する「了見」が、狭かったのよね~。
もっとフツーに面白がってよ、どう考えても面白いじゃん!!って、2022年の今、思っている私なのでした。(笑)

で、こちら↓は夜のヒットスタジオ版。

レコード音源よりずいぶんゆっくり、そしてねっとりなパフォーマンス。――何となく、前者のスーパージョッキー版のほうがウケが良さそうだけど、パフォーマンスとしては、より湿度の高い熱帯な(笑)、後者の夜ヒット版のほうが私は面白いと思う。



88年8月3日リリース
渡辺美奈代「抱いてあげる」

約1年に渡った、ムーンライダースの鈴木慶一氏プロデュース期のシングル。その間にアルバムも2枚制作した。
何故、鈴木慶一×渡辺美奈代の取り合わせのプロジェクトが生まれたのか、きっかけはよくわからない。
単なるアイドル路線で突き進むには、若干燃料切れの感もあっただろうか。「アーティスト志向」的色付けという、戦略的側面はあったのかもしれないが、なかなか良いとりあわせだったことには間違いはない。
ただ、その次の展開、井上ヨシマサ氏の楽曲などを歌ったが、いまいち「新たな方向性」みたいなものを大きくガッチリとは提示できずに、尻すぼみに歌手活動を終えてしまったのは、ちょっと残念。



88年8月31日リリース
BaBe「WAKE UP!」

いや~、今になって、BaBeのお二人のパフォーマンス見直すと、何か、いいんですよねえ。
フルスロットルで歌い踊っているので、見ていて清々しいことこの上ない。ただただ、元気が出ます。
踊りのキレも、パワフルさも、他のアイドルとは一線を画しているというか、そこを最大の売りにしていたので、(てか、80年代は他にあんまりいなかったですかね?ここまでのダンスを前面に出しているアイドルってね。)やっぱりその思い切りのいいパフォーマンスに見入ってしまう。



89年7月5日リリース
浅香唯「恋のロックンロール・サーカス」

この少し後に「歌手活動に専念したい」「ロックをやりたい」等の発言が出て、実際、音楽中心の芸能活動にしばらくなっていくわけである。
なかなかこういうロックな曲調は、元からの浅香さんの歌いっぷりにも合っていると思われる。(但し後年、喉を潰してしまうので、そこは少々、絶唱にも胸が痛むところではあるが。)
この楽曲もなかなかいい。いっそ、同じNOBODY作曲の「C-Girl」の代わりに、こちらを88年のカネボウの夏のキャンペーンソングにしても良かった気もするくらいだ。(歌詞も「C」で始まるし。)(案外、その時の候補曲だったりしてね。)



89年7月12日リリース
中山美穂「Virgin Eyes」

杏里の書き下ろし提供曲なのだが、あんまりにも杏里ど真ん中の作風なので、「あ、あの曲のカバーかな?」と思ったら違いました。(漠然と「あの曲」と言っていただけで、具体的な既成の曲を何かを思い浮かべたわけではないです。笑)
でも、ちょうどアーティストとして、売上的にも乗りに乗っている時の杏里が、やはり人気最高潮の中山美穂に曲を提供するという、これがなんだか、景気が良くていいですよね。「全盛期×全盛期」みたいなね。
で、まあ、この曲はロックなのか?といわれると、これまたちょっと頭を悩ますところなのだが、これまで中山美穂氏の夏の曲は、概ねどこかの記事で紹介してきてしまって、80年代はこの曲くらいしか残っていなかったってのもあるし(笑)、ちょうど記事も最終コーナー回ってきたあたりで、「トリ」としては、やはり大物アイドル置いておきたいじゃないですか。(笑)


と、いうわけで、
80年代アイドルロックフェスの「大トリ」は、この方です。

89年11月1日リリース
小泉今日子「学園天国」

89年末にして、まだまだ元気なキョンキョン。
概ね他の80年代アイドルは、いろいろあったり、音楽セールスはパワーダウンしてきたりしているところなのに、キョンキョンったら、主演ドラマの主題歌で、ガッチリこちらも大ヒット。なんてったってアイドル、独走態勢。
もう、90年代も大躍進間違いなし!国民的偶像として、万全の戦闘態勢です。
野村義男氏と、C-C-Bの渡辺英樹氏を、バンドメンバーに従えて、小泉氏が「ARE YOU READY?」ですよ。
「YEAH~ィッ!!」と叫ばない奴が、どこにいるというのでしょう?(笑)

と、いうわけで、我ながら、これまた上手い「トリ」を見つけたものだと自画自賛しながら(笑)、フェスも終わりを迎えます。



そんなこんなでまたやっちゃった~。長くなっちゃった~。
アイドルの記事だと、どうしてこうなるのか。(笑)

こうして、オタクの私の「夏」と「夏フェス」は、インターネットの中で、一人で終わっていくのでした。(笑)

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