文化欄#18 令和5年度の文化庁予算

令和5年度の一般会計予算が成立した。

令和5年度予算は約114兆3812億円ということで、一般会計予算としては過去最大とのことだが、文化欄ということで、ここでは文化庁の予算を見てみたい。

文化庁の予算は前年比0.1%増の1077億円となっており、文化芸術振興関連の予算としては、
「文化芸術のグローバル展開、DXの推進、 活動基盤の強化」に 215億円
「文化財の匠プロジェクト等の推進・充実による文化資源の持続可能な活用の促進」に447億円
「文化振興を支える拠点等の整備・充実」に369億円
となっている。
※ただし、上記金額は「デジタル庁一括計上分」を含んでいるとのこと。文部科学省の予算各目明細書では文化庁部分は約1076億円となっており、美術手帖の記事でも1076億円との記載があるので、そちらがより正確かもしれない。


次に、以下に文化庁予算の推移を記載する。

文化庁予算の推移。なお、2019年以降の国際観光旅客税充当分は除外している。

文化庁予算は2003年度予算で1000億円を突破して(1003億円)以来、微増傾向が続いている。

ちなみに、文化芸術振興基本法が制定されたのが2001年で、その年度の予算額は前年比約100億円増の約909億円、2002年も約75億円増の約984億円となっている。

翻って上記グラフのうち、伸び率の高い2018年の前年、2017年が文化芸術基本法改正のタイミングであったから、予算に対する法的根拠の重要性がうかがえる(とはいえ、所轄する政策自体の増加と予算の伸び幅が比例していなければ、実質的には各事業で使える予算自体は相対的に減る可能性もあるのだが)。

なお、日本の文化予算は対予算比で0.1%程度で推移している。
"K-culture"を発信し、コンテンツ産業の先進国となっている韓国では、1.1%~1.2%くらいのようだ。

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