マガジンのカバー画像

万葉集翻案詩

66
運営しているクリエイター

#大津皇子

万葉集翻案詩:『黄昏の二上山』

うつそみの
人なる我や
明日よりは
二上山を
弟と我が見む

(「万葉集」巻②・165)
大伯皇女
(おほくのひめみこ)

『黄昏の二上山』

遠い世界へと旅立ち
この世では姿形が見えなくなった
愛しい弟よ
私は何を見て そなたを偲ぼうか

このうつつの世界で
まだ姿形がある私の視線は今
君が祀られている
黄昏の二上山へ

明日からは
あの二上山の姿を
そなたと思って日々を過ごそう

紫と橙が溶け

もっとみる