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万葉集翻案詩

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#高橋虫麻呂

万葉集翻案詩:『浦の島子の物語』

春の日の 霞める時に 墨吉の 岸に出で居て
釣舟の とをらふ見れば 古の 事そ思ほゆる
水江の 浦島子が 鰹釣り 鯛釣り誇り 
七日まで 家にも来ずて 海界を 過ぎて漕ぎ行くに
海神の 神の娘子に たまさかに い漕ぎ向かひ
相とぶらひ 言成りしかば かき結び 常世に至り
海神の 神の宮の 内のへの 妙なる殿に
携はり 二人入り居て 老いもせず 死にもせずして
永き世に ありけるものを 世間の 愚人

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