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高橋琴麻呂
2020年5月21日 11:24
春の日の 霞める時に 墨吉の 岸に出で居て釣舟の とをらふ見れば 古の 事そ思ほゆる水江の 浦島子が 鰹釣り 鯛釣り誇り 七日まで 家にも来ずて 海界を 過ぎて漕ぎ行くに海神の 神の娘子に たまさかに い漕ぎ向かひ相とぶらひ 言成りしかば かき結び 常世に至り海神の 神の宮の 内のへの 妙なる殿に携はり 二人入り居て 老いもせず 死にもせずして永き世に ありけるものを 世間の 愚人