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夫が無職になったお話~無職を決意するまでのお話(前編)~

こんにちは、ぽん子です。
GWいかがお過ごしでしたでしょうか。
私は、実家に帰省し、山菜を食し、敷地の芝刈りをし、
田舎ライフを満載しました。
山菜って本当に香りが豊かで美味しいですよね。
うちの田舎では、ぜんまいやわらび、うどなど代表的な物のほか、
ほんな・しどけ・こしあぶら・アイコ・みず・さしぼ・こごみ・タラの芽
などなど色々な山菜を食べます。
山菜を食べると、「やっと春が来たんだなぁ」と感じるんですよね。
これも冬が厳しい北国ならではだと思います。
春に東北にいらっしゃった際には是非食してみてください。

さて、前談が長くなりましたが、
今回は夫が無職を決意するまでのお話(前編)をしようと思います。

夫は都内のとある企業で勤務しておりました。
昔でいう一部上場企業、今でいうプライム企業といった、
俗に「大手企業」と言われるやつです。
業界は非常に狭い業界なのでここでは出しませんが・・・。
新卒で入社してから10年近く、一途に、です。
夫は自分の会社に誇りを持っていました。
どこかで名前が出ていると嬉しそうにしていましたし、
ニュースや話題の中に会社が出てくると、
「自分もそこの一員なんだ」
と非常に誇らしげだったのを覚えています。
給料はというと、年齢と勤続年数から考えても平均的な感じ。
他の友人がもっと高い給料を貰っていると聞いても
自身の会社のネームバリューや安定性のせい(お陰?)なのか
特に問題に感じている様子はありませんでした。

一方私は転職を繰り返すタイプで、この時すでに3社目。
より自分に合った働き方や給与水準を追い求める流浪の民で、
盲目的ともいえるその夫の考えに少し疑問を持ちながら過ごしていました。

ある時、そんな「愛社精神」を揺るがす出来事が起きます。
それがCovid-19(コロナ)の大流行です。
世の中のヒト・モノ・カネの動きが停滞し、
各社色々な煽りを受ける中、
夫の務めていた会社も大きな煽りを受けます。
原則テレワークはもちろん、ボーナスは全額カット、給与は15%カット。
元々基本給は低めの設定で、ボーナスと業績連動型の期末賞与の割合が高い会社でしたので、そこが無くなるというのはとても衝撃的でした。
実際、家のローンや家族の生活費を賄えず、
会社が始めた無金利の貸し付けに申し込む人も少なからずいたようです。
従業員にここまで苦策を強いるということは、
つまりは会社自体がそれほど苦しかったという事にもなります。
狭い業界の大企業ですので、政府が何とかしてくれるだろうとは思いつつ、
もし倒産したらどうしよう・・と不安な日々でした。
最終的には銀行から莫大な貸し付けを受けて何とか経営を維持することが出来たようですが、いつになったら返せるのかっていう額なので、従業員(とその家族)としては複雑な気持ちでしたね。
思い返せば、コロナ禍はみんな色々な不安に襲われていましたね。
経営が悪化する企業が多く、給料も下がり、いつ終わるのか、先が見えない不安のなかで日々暮らしていたのが遠い昔のようです。
もうあんな事起きませんように。

ちなみに、私の働いていた企業は何故かコロナ禍で売り上げ絶好調。
過去最高益なんて叩き出しちゃって、
テレワークなんてさせて貰えずに毎日出社・残業の日々。
リスクヘッジのためには夫婦別の業界で働くっていうのが大事だなと痛感しました。
お陰様でボーナスやら残業代を稼ぐことが出来たのですが、
肉体的にはしんどい日々・・。
朝6時に出て帰ってくるのは21時過ぎなんていう日々が続きました。

元々は主人の通勤時間が長く、
私もそれほど忙しくなかったので、
家事比率が私:夫で7:3くらいだったのですが、
私が忙しくなって夫は家でテレワークしていても、
この家事比率はほとんど変わることなく・・・
この頃はよくブチギレていたのを思い出します。

なんで家にいるのに家事をしないのか。
理由は、「ゲームばっかりしていたから」
あの頃の夫は、
何かをお願いしても「もう少ししたらやる」と言ってゲームを続け、
私が痺れを切らして手を付けると「今やろうと思ってたのに!」と逆ギレされ、本当にクソ野郎でしたね。笑
私が帰宅してもゲームしてるし、
夜遅くまでゲームして、起きるのは勤務が始まる少し前。
その時間で家事してくれたら助かるのに・・・
まじで、うんこでしたね。

そんな日々がしばらく続き、
私の疲れとイライラも高まってきたある日、
夫から相談を持ち掛けられます。
「俺、今投資している株を売って、働きながらオンラインの予備校に通いたい。資格が欲しいんだ。」と。
私は少し驚きましたが、ゲームしながら実はそんなこと考えてたのねと少し嬉しくなりました。

今思えば、あのゲームしていた期間、
夫も不安で一杯だったのかもしれません。
(そう思わなきゃ私がしんどい。)
毎日毎日仕事もほどほどに大好きなゲームを夜遅くまでやって、
ふと、「このままじゃまずい」と思い始めたのかもしれません。

私個人の考えですが、
人間には、必要時に応じて「底着き」が必要だと感じています。
もうこれ以上は無いなっていうくらい、
深い海の海底まで針を落としたら、
それ以上、下に向かって針を沈めることはできないし、
あとは引き上げるしかないと思うのです。
海底で漂う時間は人それぞれだと思いますが、
時にはそういった時間が必要だし、
そこまで行った人間は奮起して何かを成し遂げたりすることが多いと感じています。

ゲームをしていた期間は、夫にとって、
・会社の経営が先行き不透明で不安
・だけども自分で何とか出来るわけではない
・不安だから好きなゲームでもして気を紛らわそう

という期間だったのだと思います。
この時間を通して、
・会社員というのは会社の「駒」であるということ
・会社が危機でも大企業では自分の力で何ともできないという事
・今の企業から放り出された時に自分に何が残るんだろう
・自分自身で社会に漕ぎ出ていく力やそれを証明できるものが欲しい

という風にマインドチェンジしていったのだと思います。

コロナで世の中が変わる前は、
まさか自分の務める企業(しかも大企業)に何かが起きるわけがないと思っていたであろうし、
「○○会社で務める○○さん」
というのが自分のアイデンティティーだったんだと思います。
それが揺るがされて初めて、
会社の肩書を失ったら自分は何者なんだろうと考え始めたのだと思います。

私は一応資格を持っていて、
企業に勤めてはいるものの、資格を活かしたポジションで働いています。
ですので、会社に何かあっても、資格を活かしてやっていけるのです。
もちろん、資格に胡坐をかくつもりはありません。
万が一のために、資格にプラスαできる経験を身に着けようと思っていますし、自身の会社に愛着を持ち、貢献したいと考えています。
自分の愛する会社で働いて、貢献していくのはとてもやりがいのあることですが、常に「自分は何者なのか」という視点を失ってはいけないと思います。
決して「会社にしがみついてやろう」という考えで、夫に働いてほしくはなかったのです。
ですので、最終的に、自分自身で業をなせるように資格が欲しいといった彼の考えに私も共感することが出来たのだと思います。
(環境によってはしがみつくのも悪いことだとは思いません。
あくまで私達の価値観ですので気を悪くされないでくださいね)
自分自身のこれからと真剣に向き合おうとしてくれたことは嬉しかったですし、そのための「ゲームクズ男」時代も、なんならコロナも、悪いことばかりではなかったと信じています。
(というか、絶対無駄にはしない笑)

さて、話が少し逸れましたが、
夫はこの時点ではまだ、働きながら~と言っているんですね。
それが色々あって結局仕事を辞めて~に至ります。
今回は長くなってしまったので、
その話はまた次回にしましょう。

今回の教訓は・・・
・夫婦共働きの際には、同じ業界だと一緒の煽りを受ける可能性があるので、別の業界にするのも大事かも
・時には「底着き」するのをジーっと待ちましょう
・悪いことも逆境も考え方によってはいい機会になる(かも)

でしょうか。

実はもうすぐ夫の大事な試験日なのです。
我が家にも早く春が訪れますように。
今は寒い冬の時期をじっと耐え忍ぶばかりです。
(上手くまとめた風にしてみた)

もしよければ次も読んでいただけると嬉しいです。

つづく


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