短歌集Vol.2
FMとAMがどう違うのかわからぬままの車窓のながめ
(お題:ラジオ)
君、たのむ、死んではならぬ、愛情の拠り所なく自ら称す
(お題:盲目)
珈琲の底をのぞくとき珈琲もまたこちらをのぞいているのだ
(お題:コーヒー、黒)
トイレから出られないとき目の前にかかるカレンダーの有り難さ
(お題:痛み、視覚)
「君のためを思ってるんだよ」みたいなぬるい正解なんかはいらない
(お題:正解、ぬるい)
燦然とポットに座る角砂糖、雨を逃れて見るYouTube
(お題:角砂糖)
波を飲み泡になりつつある体 これですべてをゼロに戻せる
(お題:海、ゼロ)
もういやだ罪を重ねて生きるのは 最期だけでも恒星になる
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