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無意識と神隠し

私はよくモノをなくす。

正確にいうとなくしたのではなく
しまい忘れと置き忘れ。

無意識で置くクセがあるので
どこに置いたかわからなくなってしまう。

ないない

と思っているうちは見つからず
忘れたころにひょっこりと現れる。

ちょうどお彼岸に入った日
大好きなインドの聖者
シルディ・サイババ様のポスターが
忽然と姿を消した。

壁からぺろりと剥がれたので
棚の上に置いた

ハズだった。

それがいけなかったのかもしれない。

翌朝、棚の上を見たら
あるはずの聖者の姿が消えていた

ゴミ箱に捨てたのだろうか
棚から落ちて裏側に迷い込んだのだろうか
もしかして捨ててしまったの???

ゴミ箱の中身をゴミ袋に移し替える
棚の中にあるものを床に置き裏側を覗く

タンスをズリズリと動かして
引き出しを開けて様子を探る

なのに

ない、ない、ない
見つからない!!!

いったいどこにいったの!

心の叫びなど聞こえるはずもなく
時間だけがむなしく過ぎる

あ~、もう、や~めた。

いずれひょっこり現れるハズだから
もう探すのは諦めて忘れることにした。

それから約3週間後
いつものようにタンスの引き出しを開けると・・・

えっ、な、なに!?
なんでここに!?

そう

行方不明中の聖者がそこにいたのだ。

引き出しと洋服の間に挟まり
危うくヨレヨレになるところだった

そろ~り、そろりと静かに引っ張り
かすり傷一つなく無事に帰還

長旅、お疲れ様でした

それにしても
まるで神隠しに遭ったような気分だ。

これって仕舞い忘れでもないし
置き忘れでもないよね?
と自分に言い訳しつつ

きっと私の無意識が暴走して
やらかしてしまったのだろう。

「いやいや、そうじゃないでしょ。
 物を置くときは意識しておくこと。
 そうじゃないのかね?」

そんな聖者の声が
どこかから聞こえてくるような気がする。

 はい、はい、わかりました。
 気を付けま~す。

そしてまた今日もまたモノが一つ消えていた。

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