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成功するまでやめなければ、失敗は失敗ではない


はまなすというお花の絵を描いてみました。

夏の時期、北海道の浜辺のあたりで美しく咲くそうです。
実物を見てみたいものです。

本当はもうちょっとピンクと紅とむらさきの合間のような色味を出したかったのですが、難しかった・・・。

鮮やかで少し和風を思わせる絶妙な色ですが、はまなす色、または玫瑰色(まいかいいろ)という名称がちゃんとあるそうです。

もしも神様のパレットがあるのだとしたら(そこから全ての色彩がこの世に生まれ現れてきたのだとしたら)、つくづく豊かだなぁ、と思います。


どれだけ無になれるか

水彩画を描いてみよう!と自粛生活の中で突然思いたち、いろいろ描いてみていたのですが、全然上手く表現できなくて放置しかけの日が続いていました。

「上手く描くっていうか、どれだけ自分を無にして受けとれるかだけじゃない?」

という知人のふとした言葉をきっかけに、最近また少しずつ水彩画を描きはじめています。

水と絵の具の量で繊細に表情が変わっていくのが難しくも面白くもあります。

うわー、失敗した!

と思う時もあるのですが、
塗り重ねていくと、案外その時の一筆が絶妙にいい風合いを出してくれていたりして。

ああ、本質的には間違いってないんだ、と感じられるから、水彩画を描く時間が好きです。


片岡鶴太郎さんの名言

そういえば、もうずっと前ですが、草津温泉にある片岡鶴太郎美術館を訪れたとき、浅間山を描いた「寝観音」という絵の解説を読みました。その文章がとても良い内容で、今でもふと思い出すことがあります。

以下に引用しておきます。


最初は色を沢山使って描いてみたんですが、これが納得できない。自分のイメージする寝観音じゃないんです。それで一生懸命描いた色を墨で塗りつぶしました。これはやるせない想いでした。一度描いた浅間山が消えていく、色が消えていく。「絶対甦らすから、この費やした時間を無駄にしないから」なんて言い聞かせながら、納得できないから、何度も何度も塗り直すんです。そのうち何度も何度も塗り直すんで絵の具が粉状になったところがあって、気になりそこをふき取ったんです。するとその下から前に塗った色がふっと現れてきたんですよ。

震えましたね。
今までやってきたことが無駄ではなかった。しかもそれが何とも言えぬ色合いで浮かび出てきたんです。

その時に強く思いました。前にやったこと、つまり過去、現在の自分、そして未来、すべては一つにつながっていると。失敗は失敗ではないんです。絶対にあきらめてはいけない、失敗を成功につなげるために今がんばるということです。
そんな宗教的なことをこの作品を描くことで感じました。

〈 片岡鶴太郎氏の解説文より 〉


じーん。と来ました。

失敗したところでやめるから失敗になる。
成功するまでやめなければ、失敗は失敗ではなくなるんだな、と。

まだまだここから出会えるはずの色彩がありますね、きっと。


暑い日が続きますが、どなたさまも爽やかな夏を過ごせますように。


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