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202309神(仏)は、居るっぽい

暑い暑い夏が通り過ぎてゆき
父は一人前の認知症当事者への道を歩んでいる。
6月のもの忘れ外来受診時に
レピー小体型認知症の診断が下り、介護度も一つあがった。

夜に起きてはだれか玄関にいるよ、と呟き
照明のリモコンを異次元空間への移動装置と思い込み(なんでや)
朝から晩まで財布や鍵を探している。

熱中症未満で食欲がなくなり
朝からOS1とお茶しか飲まない日が何日かあり

ぎりぎりの判断で自宅で様子を見つつ
回復してから診てもらったかかりつけ医での血液検査の結果も異状なく
よかったよかった、なんとかこの夏乗り越えたな

そして
夕方になって多少涼しくなったのを機に
父ひとり散歩を再開しはじめたとき
事は起こった。

夕方6時には日が傾く大阪の9月。
4時に家をでた父が
7時になっても帰ってこない。

この日は家に
母と父ふたりきり。

母が心配しはじめたころ
自宅の電話が鳴り
「たぶんそちらのご家族だと思うのですが
今〇〇町のセブンイレブンにいます」
自宅から5キロは離れていよう、ふだんめったにいかない町だ。
母がびっくりしてどうしたものかと電話口でおろおろしていると
電話の方は
「心配しないでください。そちらにご主人をお送りしますから。
待っていてくださいね」と
電話を置かれた。

30分後
見知らぬ男性に連れられた父が
憔悴した顔で戻ってきた。
見知らぬ方
ご自分の車で送ってくださったようで
母もお礼を言うのが精一杯。
お名前や連絡先を聞いても何もおっしゃらず
さっ、と去られたとのこと。

けが一つなく
体調も崩すことなく帰ってきた奇跡
親切な方に出くわすことができた父の幸運(徳積んでたんか)
世の中に神仏はいる、と心から感謝しつつ

同時に戦慄も襲ってきて

二度とこのようなことが無いようにしたいけれど

父を今
家に閉じこめるわけにはいかぬ
さらば、
できる限りの対応を早急にせねばならぬ。


父の杖(杖は手放さないから)に電話番号を書いていたこと
父がかろうじて住所が自分で言えたこと

今回はこれが功を奏して
父が幼稚園児みたいでいやや、というのを押し切って
ほんまよかった

ので
つぎは自治体と警察への徘徊SOS事前登録
とか
装着型GPS装置の導入とやらを
進めてみることといたすのであった。



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