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わさびとからしのたまらなさ

わさびやからしが好きだ。
わさびやからしを食べたときの、あの鼻腔を抜ける感覚がたまらんのである。

辛さは味覚で捉えるのではなく、痛覚や温覚で捉えることを初めて聞いたときはホント驚いた。
え?何?辛味って味じゃなかったの?
辛いの食ったときは「イタイ!」ってなってたの?な~んて思ったもんだ。

何やら、東洋医学やら五行思想やらでは、辛味とは一応、甘味、塩味・苦味・酸味と合わせて「五味」の一つだとか何とか。
だが、生理学的には、甘味、塩味・苦味・酸味・旨味を「5基本味」といい(味蕾細胞を刺激することで感知されるもの)、辛味は含まれていないのだ。
5基本味は味覚で捉えるが、辛味は痛覚で捉えるのだと。
ま~、それでも辛味は「味」ということで我々の世の中では良かろうかと思う。
ではないと、「辛いのが好き」ってのが「痛いのが好き」みたいになってしまい、辛い料理が好きな人は「え?何?Mなの?」みたいに思われてしまいそうではないか。

辛味といえば唐辛子を代表とする辛味成分「カプサイシン」が有名だが、カプサイシンはどうやら疎水性、親油性が高いらしい。
なるほど、水に溶けにくいからずっとヒリヒリした辛さが続くのか。
あ~なるほど、確かに唐辛子の辛さは水飲んでも拭うことが出来ずに辛いままよな。
疎水性が高いのでカプサイシンは長いこと舌におり続けるわけか。

それに比べて、わさびやからしの辛味成分である「アリルイソチオシアネート」は揮発性が高いとか。
なるほど、食べると鼻腔を抜けるあの感覚、鼻にツンとくるあの感覚は、その揮発性の為だったのか。

唐辛子の辛味も嫌いではないが、わさびやからしの後に残らない辛味が個人的には好きだ。
あの鼻腔を抜ける感覚がホントにたまらん。
後に残らない分、何度もあの感覚を味わいたくなる。
わさびやからしは「あ~たまらん、この鼻腔を抜ける感覚。よっしゃ、もう一回いこ」みたいになってしまう。

それにしても、鼻腔を抜けるのがたまらんたまらんばかり言っていると、「え?何?変態なの?」と思われそうな気もする。

※2019年 カトブン × note 「#一駅ぶんのおどろき」コンテスト へ投稿

ええっ! ホント〜ですか。 非常〜に嬉しいです。