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【大河ドラマ】光る君へ 第八話 それぞれの執念と恨み

愛する妻の忯子を亡くした悲しみを拭いきれない花山天皇は思いついたことの全てをしようとするが、政は疎かになっていく。それを咎める右大臣兼家は病に倒れる。命も危ういとされた兼家だが、その原因は忯子の霊が取り憑いたことであると言われ、祈祷を繰り返している。一家の非常事態に揺れる右大臣家。兼家の三男・道長も例外ではなかった。そんな中、道兼は為時に近づいてくる。自分の恵まれない寂しさを訴え、ついには為時の家を訪ね、まひろと対峙する。


今回の動きとして気になったのは、道兼の言動であろう。父親からの愛情に飢えていると急に弱々しさを纏い、為時に近づいてくる。まひろにとっては自分の母を奪った憎き相手だが、それを知らない道兼は家にまで訪ねてくる。急なその態度に為時やまひろ、視聴者も全員動揺した。あまりにも突然な出来事に、右大臣の策略と考えずにはいられない。病床に伏せってもなお、権力を手放すまいと動く兼家の執念を感じてしまった。

そんな道兼と対峙して、この上ない恨みと憎しみが募るまひろだが、母の得意だった琵琶を披露しなんとか道兼との対面を乗り切る。まひろはいつまでも道兼への恨みに囚われたくないと強い決断をした。


愛する人を奪われた恨みを忘れられないもの。死んでもまだ未練を残すもの。権力への執念を見せるもの。守るべきもののため、プライドを捨てるもの。全て忘れて進み始めたもの。それぞれの執念や恨みといった強い思いが露呈した今回、その心情とどう向き合うかで、登場人物たちの人柄や信念が明らかとなった。

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