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「游於藝」(芸に游ぶ)は、徳川斉昭が愛した言葉


論語に「道に志し、徳に拠り、仁に依り、芸に遊ぶ」という教えがあります。
「道」「志」「徳」は、なんとなく意味はわかりますよね。
「仁」は「思いやりの心」と子供達には説明しています。
「芸」は所謂芸事の芸かしら?芸達者とか、、
真面目にやって、最後遊ぶの?
なんて、頓珍漢の意味を勝手に作ってしまったりしがちですよね。
(あっ、私の経験上、、(^-^; )

論語「道に志し、徳に拠り、仁に依り、藝に游ぶ」


旧水戸藩の藩校 弘道館

水戸 偕楽園の近くに、旧水戸藩の藩校 弘道館があります。
弘道館に掲げられている額に「藝游於」という文字が書かれてあります。
これは、水戸徳川九代藩主 徳川斉昭(なりあき)が、
論語の「子曰 志於道拠於徳 依於仁 藝游於」からとって、篆書(てんしょ)で書いたものです。

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「藝(芸)」というのは、「六芸」の事です。
礼 (礼儀作法)
楽 (音楽)
射 (弓術)
御 (馬術)
書 (習字)
数 (算術)


「芸に游ぶ」というのは、「学問武芸に悠々楽しみながら勉強する」という意味。


いわゆる「遊ぶ」わけじゃないんですね。(^-^;


子曰 「志於道拠於徳 依於仁藝游於」


人たるの道を得ようと志を定め、自分の身に修め得た徳を拠りどころとし、思いやりの心をもって、礼 (礼儀作法)、楽 (音楽)、射 (弓術)、御 (馬術)、書 (習字)、数 (算術)などの学問武芸に悠々楽しみながら勉強することが、君子の楽しみである。 


水戸藩の藩校は、第九代藩主 徳川斉昭が作りました

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徳川斉昭(とくがわなりあき)(1800-1860)は、寛政12年(1800)に第7代藩主治紀(はるのり)の三男として江戸で生まれました。
30歳で藩主に就任すると、すぐに藩政の改革に取り組みます。
倹約の徹底、
軍政の改革、
追鳥狩(おいとりがり)の実施、
藩内総検地
等の政策を推進。
天保年間(1830年 – 1843年)に行われた天保の改革では諸藩でも藩政改革が行われましたが、水戸藩主斉昭公は、特に、藩校弘道館の建設(天保12年1841/42歳)と偕楽園の造成(天保13年/43歳)に力を尽くしたと言われています。



弘道館の理念を「至善(しぜん)」にも求めました


徳川斉昭は烈公(れっこう)とも呼ばれました。
徳川斉昭は、「至善」という言葉も大切にしました。
「至善」とは、「最上最高の善」のこと。
人は最高善に到達し且つその状態を維持することを理想とすべきである
という考え方です。

徳川斉昭は、このような歌を詠んでいます。


いくすえも ふみなたがえそ あきつしま
 やまとのみちぞ かなめなりける
行末毛富美奈太賀幣曽蜻島 大和乃道存要那里家流
(烈公)


★意味★
古い昔から我が国に伝わる大和の道は、いつまでも変わらない大道であるから、
之を固く信じ、迷い惑わされることなく、信念をもって正しく歩むように。

そして、徳川斉昭は、神道(しんとう)を学び道徳を行く末まで伝えることが教育の要であると、神儒一致も説いています。

★私感★
戦後 煙たがられ学校教育から消えていった道徳と神道こそが、教育の要って、、、
戦後の日本、罪深いよなぁ。。。
昔の事を知れば知るほど、戦後、日本を壊し放題壊されていることが事実として迫ってきます。(泣)


一張一弛(いっちょういっし)

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偕楽園創設の理念を記した『偕楽園記』に「一張一弛」という言葉があります。
「一張一弛」とは、
『礼記』にある孔子の言葉。
厳しいだけでなく、時には弛めて楽しませることも大切だという教えです。
文武修行の場である弘道館と心身を休める場である偕楽園は、
「一張一弛(いっちょういっし)」の思想の元、相互に補完しあう教育施設としてつくられたのですね。


吉田松陰の手紙の中にも「一張一弛」が!

吉田松陰は、嘉永4年(1851)12月19日から翌嘉永5年1月20日まで、弘道館に滞在したそうです。会沢正志斎(あいざわせいしさい)やと豊田天功(とよたてんこう)の教えも受けたのですね、たぶん。(^-^;
そこでは、永井政介の子 芳之介(よしのすけ)と年も近く仲が良かったそうで、別れの際に送った惜別の詩に「一張一弛(いっちょういっし)」という言葉があります。



一張一弛あるは国の常 之を弛(ゆる)め之を張るは其の人に在り
(吉田松陰)



徳川斉昭はたいそう梅を愛しました




葦原の瑞穂の国の外までも にほひ伝へよ梅の華園(はなぞの)
( 弘道館の梅をよめる  斉昭)


天さかる ひなにあれと さくら花
雲の上まで さき匂はなん
(文明夫人(ぶんめいふじん)・徳川斉昭夫人 登美宮吉子(とみのみやよしこ)



弘道館の敷地にある梅の素晴らしさと言ったら、、、
梅の花の咲く季節に、水戸の弘道館と偕楽園を訪ねてみたいものですね。

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