見出し画像

2024.05.15.順応

東京に来て1ヶ月。
昨日、初めて路線バスに乗りました。

Googleマップでバスの時刻を確認したら少し時間がある。
せっかくなら少しでもお金を浮かそうと、最寄りのバス停から一停分先まで歩く。

バス停に着いてから、またGoogleマップを開いて料金を確認するが、さっきのバス停から乗った時と同じ。ちょっと損した気になったけど、一停分ならそんなもんかと納得する。

予定の時刻にバスが来ない。
東京のバスももちろん遅れるという事実に安心する。

10分後にバスが到着する。
後方のドアの前に立つもドアは開かない。開いた前方に移動すると足元に「入口」と書かれてある。

福岡にいた頃、バスには後ろから乗って前から降りる流れがありました。
これからはこの流れに逆らいたいと思います。

バスに乗ってICカードをタップする。
帰宅時だったがバスは空いていて、余裕を持って座ることができる。

途中のバス停。
小学生くらいの女の子が降り際に「ありがとう」を伝える。お母さんと思われる女性も「ありがとう」と続く。2人とも乗客全員に聞こえるくらいには大きな声だった。素敵な風景だった。

そっか。そのために後ろから降りるのか。
後ろのドアから運転手にありがとうを言うためには大きな声を出すしかない。大きな声はバス内に響く。それは運転手だけじゃなくて乗客全員が受け取っていいありがとうということなのかもしれない。東京のバス会社は自分たちだけじゃなくて、お客さんにも「ありがとう」を分けてくれる。
謙虚なんだなと感心しました。

あれ。さっきのお客さんお金払ったっけ?
次のバス停で乗客が降りていく様子を観察するが、誰一人小銭を入れたり、Suicaをかざしたりしない。
あれ。そもそもお金払うとこなくない?
慌ててスマホで検索する。東京、バス、お金、払えない。

衝撃でした。東京のバス料金は一律。どこから乗っても、どこから降りても同じ料金。しかも最初にカードをタップした時点で運賃が引かれているから、降りる時は何もしなくていい。一個先のバス停まで歩くなんて本当に意味のない行動だった。

つまり、運転手にありがとうを言って、カードの残高不足で止められて、またありがとうを言うといった一連の流れが起きない。だからあの親子は一発目から元気よく「ありがとう」を言えたのかもしれない。

目的地に到着すると一斉にみんなが立ち上がる。初めての土地で降りるのが自分だけじゃないことにホッとする。先に降りていく乗客がなかなか「ありがとう」を言わない。みんなそそくさとバスを降りていく。

そして、「ありがとうございました」。
確かに口に出したが、口に出したと言う表現の「ありがとう」だった。
流れに乗って何も言わず降りようとも思ったけど、さっきの親子を見たし、バス側の謙虚さも感じ取っていたから、何も言わないことはできなかった。

順応って難しいと感じた出来事でした。
今いる環境の仕組みや風習にはきちんと順応したいけど、ただ順応するだけじゃだめなんだと反省しました。

バスを降りる時に大声で「ありがとう」も言えないような人間では、この先やっていけないかもしれません。次乗るときは大声で「ありがとう」を言いたいと思います。

ただ、帰りにまたバスに乗ればありがとうリベンジができたかもしれませんが、日常は一筋縄ではいかず、バス賃を浮かすために1時間かけて自宅まで歩いてしまいました。手で持って歩くにはサイズが大きいマットレスを買ったいたので、最後まで相応しい持ち方がわからなないままでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?