支出減の切り札として。
今私は損保会社で働いている。
正直なところ、コロナ禍になる前から業績は右肩下がりまっしぐらだ。もともと対面販売が基本のため、訪問できないのではなかなかグラフを上げることは難しい。
しかも。うちの扱っている商品は少し特殊だ。ご契約いただくには条件をクリアしなくてはいけない。
そこへ、一般的な損保会社様のように大々的にCMや広告でのPRもしないときたもんだ。知っている人は知っているけれど、知らない人は人生の中で1度も耳にしたことがないかもしれない。(現に入職するまで私も知らなかった。なにせ契約できる条件をクリアできていないんでね。)
となると、今ご契約いただいているお客様のご紹介とか、昔ご契約いただいていたがなんらかの理由でやめてしまったお客様へもう一度アタックするとか、というような営業活動をしている。
そうやって顧客開拓(収入源増)をしながら、内面的にいわゆる「企業努力」で支出減を進めている。
支出減にもいろいろある。
最初はプリンターのカラー印刷はやめてください、というものから始まり、代理店で使うプリンターは個人が使うようなプリンターに変更された。まあプリンターインクの消費が早い。私は節約モードで印刷しているけれど、どれくらいの節約になってるのかな?
プリンターインクよりも、と思うのは紙の消費なんだけれな。
そこは本部のトップは考えていないようだ。解約手続き1つにしても、お客様の現状によっては5枚ほどの書類が必要となるケースもある。それを印刷して、お客様から1枚1枚署名をいただく。最終的ゴールは「解約」なのだけど、そこまでの経過を1枚1枚紙でアナログチックに時系列を埋めていくのだ。
まあ、ご解約は大切なご契約の一大決心なので慎重に事を運んだ方が良いのはわかる。
家族数や電話番号の変更も時には2枚ほど書類を必要とする。こういうのを少し簡単なやり方に変えれば紙の消費もかなり抑えられるんじゃあないかな、って思うけど、あくまでも「紙」にこだわり、ネットでの変更はやっていない。ネットも全契約者が使えるか、というと万能ではないこともわかるけれども簡単な変更くらいはネットでもいいんじゃあないか、って思う。しかも平日お仕事世代にはなおさらだ。これもお客様側に立ったサービスだと思う。
業務の簡素化について毎回希望しているけれども、どんどんアナログ業務は増えていく。(書類だけではわからない経過を必ず書類で残すなどなど。)
誰にでもわかる「優しい手続き」は「ミスが少ない手続き」じゃあないのか?
毎年複雑化していく手続きをお客様へご案内してもなかなかすんなりご理解いただかず、時にはクレームになることさえある。何枚も署名を求められるのが時には「何かこの署名が使われるのでは?」と疑心を呼ぶようだ。
支出を抑えるには人件費も大きい。なので基本1代理店に1店長+1事務員(時短も含む)体制だ。
時短パートの方はともかく、たとえフルタイムで働いていても正規社員ではない、社会保障もない。インフルエンザになって5日休んだって話も聞かない。そもそも平日連休をとったという事務員さんの話をきいたことがない。それでも入院したら取れるらしい(当たり前だ)。だから今の懸念はコロナにかかっても本当に休めるのかな?ってことだ。
諸々の支出減努力を重ねていてもなかなか大きな成果には結びつかない。
で支出減のメインイベントは。
代理店統合だ。
代理店の数が減ればその部「代理店経費」減ができる。
ついに順番がやってきた。
さぞかなりの大節約になるんだろうね、と言いたくなる。
代理店エリアがほぼ今の2倍以上になっても代理店スタッフは+事務員1くらいの増だ。
痛みのしわ寄せは現場に集中している。このしわ寄せは現場の離脱につながる。
スタッフ減はお客様サービスに直結するのではないか?複雑化する手続きをきちんとお客様に納得していただくにはある程度の人数が要る。今の時代やお客様の生活環境の変化などに歩み寄り、変えていくことが必要だと思う。
「優しい手続き」は現場の労力減にもなり、お客様の負担減にもつながる。
このままではますます時代に取り残されていく。
ここはどこだ…。
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