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あの鐘をならすのはあなた〜

あった瞬間にこの人が運命の人。

ないな。今までの人生のなかで、あった瞬間「ビビッと」というのは皆無。運命の人を教えてくれる鐘はなったことがなかった。どうもわたしには「好き」という感情が薄いこと、40代を過ぎる頃になると薄々感じていた。これも立派な不感症だわ、内緒にしてるけど。

第一印象に自信がない。だから第一印象でその人のなりを判断できる人はすごいと思う。20代参加した合コンや婚活イベントで相手を選ぶことができなかった。わずかな時間で選べる人はきっと頭上に鐘が大音量でなっていたんだろうな。お見合いでサッサかと相手を決め、盛大な結婚式(時代でしたね。)をあげ、今まで続いている友達もいるし、新婚旅行の出発地成田でさよならしたという(これも話題になりましたね。)友達もいる。その友達全員に言えるのは「その時鐘がなった。」ということ。

きっとおそらく、このまま1人でいるんだろうな。こういう予感はビビッと感じる。1人旅行も寂しいよりは新たな発見が面白くて毎年行っていた。1人も十分楽しい。自分が行きたいところを決め、やりたいことを決める。楽しい。

今でもその人と付き合うことになったきっかけが思い出せない。はめられた、と思う。弱っている時に頭をポンポンしてくれて、手をやさしくマッサージしてくれた。美容院で経験するあのハンドマッサージの気持ち良さと言ったら。ガサガサした手を厚い手でもみもみされて、ほええーーーとなってしまった。断言できる、鐘はその時もなっていない。

恋愛経験の多いらしいその人は過去の経験から「女の子が喜ぶ〇〇」アイテムをいっぱい持っている。クリスマスにはこんなところでデートするとか、イルミネーションにイチコロとか、頭の中に恋人との鉄板がいっぱいいっぱい入っている。恋愛不感症のわたしには「そこまで頑張らなくても。」と思っている。なかなかアイテムがゼロにならないのはよほどの過去恋ストックがあるに違いない。

最初わたしの過去恋に対してのリサーチが多かった。語るだけの立派な過去恋がないので、そういう時は両ほっぺをぷーと膨らまして無言でスルーした。わたしも聞かんから聞くな。「普通、こんなそっけないメールを送る?」って最初の頃すぐに言われた。まだガラケーのその人のメールは絵文字が満載。LINEなら可愛いスタンプ満載なのにな。仕方ない、送られた絵文字のうち気に入ったものは画像保存。男子らしい鼻血ブーみたいな絵文字は抹殺。スマホ時代にデコメは大変だ。

春夏秋冬のイベントをこなしながら、「この人のこと好きなのかな?」の答えはでない。その人は「好きだから一緒にいる。」というスタンスなので、そういう意味では「いやじゃあないんだな。」

本音を言えば、次のイベントはこうしようと提案されるたびに「ああ、そういうもんなんですね。」とわたしが学習している。イベントごとに写真を撮ろうとする姿に最初はめんどくさかったけど、今ではきっと子供の写真を撮るおとーさんの気持ちになっているんだろうな、って思うようになったから不思議。だんだんとはめらた範囲が広がっていく。パブロフの犬の条件反射地が増えていく。警戒ガードが1つずつ外れていく。相手が与えるものを思いっきり楽しむ。これが「愛」と呼ばれるものなのかもしれないね。何週か巡った時にゴールの鐘がなるかもしれない。

あなただけの過去恋の復習にわたしたちの新しい思い出を作ろう。









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